2012年ソーシャルテレビ元年を振り返る(その1)

12月も押し詰まってきた、つまり2012年ももうあとわずかだ。年末は恒例の、って去年やっただけなのだけど、一年間を振り返る記事を書こう。これ、読者の皆さんより、自分のためなんだけどね。まあ、でも皆さんにとっても、ああこんなことあったなあ、なんて一緒に振り返ってもらえると面白いんじゃないかなあ。思うところなどあったら、コメントにどんどん書き込んじゃってくださいな。

さて今年はなんと言っても、ソーシャルテレビ元年と称して誰も反論しないだろう年となった。だからここでも、ソーシャルテレビの動きを中心に追っていくことにおのずからなるだろうね。勉強会やってるくらいだしさ。
“⇒”のあとが該当記事のタイトルで、リンクがはってあるので読んでみて。

1月
●NHKがぐいぐい新しい動き
NHKがどんどんソーシャル化している件について
●「ALWAYS 三丁目の夕日’64」公開
高度成長という祭りの社〜「ALWAYS 三丁目の夕日」におけるテレビ
●2011年の映画興行、1800億円へ大幅減
震災の影響、だけではないみたい〜2011年の興行収入、前年比18%ダウン〜

2012年はNHKからはじまった。というと褒めすぎだけど、このところ元気だなあと思っていたNHKが今年はさらに新しいことぐいぐいやってた。元日深夜の「ニッポンのジレンマ」はインパクトあった。“ジレンマ”は時代のキーワードだと思うなあ。そして「おやすみ日本」は大のお気に入り。ついに11月のイベントでプロデューサー河瀬さんをお招きしたしね。「NewsWEB24」もこのあとレギュラー番組化したし。
映画興行大幅ダウンは深刻だし、日本の映画界が新たな時代に突入した証しだろう。これについては三回ぐらい書いているので興味あれば読んでくださいな。

2月
●あやとりブログに参加
テレビについて語る人びと〜あやとりブログについて〜
●情報の洪水化が顕著に
長いものが読めなくなってきた〜コンテンツ消費の夕暮れ〜

去年「テレビは生き残れるのか」を出版したことは徐々にボディブローのように効いてくるものらしく、今年になってから読んでくださった方といろいろ知りあった。TBSメディア総研の氏家代表もそのおひとりで、Facebookでお声がけいただいた。氏家さんが主宰する”あやとりブログ”の執筆陣のひとりに加えていただいたのだ。テレビを中心にしたメディア論の場は意外と珍しく、そこでまた面白い方々と知りあえた。同総研が出す雑誌「調査情報」からも市川編集長にお声がけいただき原稿を何本か書いた。フリーでちんたらやってきたぼくのような輩を加えていただくのはまったく光栄なことだ。

3月
●第3回Bar境塾、開催
第3回Bar境塾「ソーシャルと視聴率」かんたんレポート
●TBSでソーシャルテレビ実験番組
大急ぎで大ざっぱに、ソーシャルテレビ実験番組「MAKE TV」視聴レポート
●日本テレビ、深夜番組iConでJoiNTV実験
データ放送がスマートテレビを実現する!〜日テレiConでJoiNTVにジョインした〜
●慶應大学大学院「スマートテレビ研究会」終了
「日本型スマートテレビの未来像」〜スマートテレビ研究会・公開討論会に参加した〜

3月は盛りだくさんだなあ。
Bar境塾ではソーシャルと視聴率の関係をひもといた。これはなかなか貴重な結果がわかって有意義だったと思う。そしてTBSと日本テレビでそれぞれ、深夜枠でソーシャルテレビの実験番組が放送された。MAKE TVは正直、慌ただしく終わった感じ。JoiNTVもこの時は、深夜のゲリラ的な実験っぽかったのが、このあと驚かされるんだよね。スマートテレビ研究会は去年の10月から参加してきたもので、公開討論会に出させてもらった。この会もいろんな方と出会えたし、自分の勉強会のヒントにもなったんだな。

4月
●ソーシャルテレビ推進会議設立!
ソーシャルテレビ推進会議、設立しました!
●NHKのソーシャルテレビ実験teleda
teledaは、ソーシャルテレビの可能性が詰まっている実験だ!
●第4回Bar境塾「録画サービスはソーシャルへ向かう」
メディア接触とは、生活習慣なんだな〜Bar境塾をやって考えたこと〜

4月はなんと言っても、ソーシャルテレビの勉強会を設立したのがビッグイシュー。これ、元日の記事で宣言したことをちゃんと実現したわけで、いわゆるひとつの有言実行。そういうタイプなのね。この時は10数名だったのがいまや100人にもなるので、みるみる増えたんだなあ。
NHKのteledaはビデオオンデマンドがソーシャルメディアでどう活性化するか、という極めて先験的な実験だったのだけど、あまり注目されてないのが残念。妙に批判する人とかいてさ。でも関わってた方々と出会えたのはうれしかった。
4月の境塾はすごいメンツで開催。中でもアスキー総研の遠藤さんをお招きできたのは光栄至極。皆さんご存知ないだろうけど遠藤さんってね、って書くと長くなるからやめとこ。

5月
●虚構新聞がウソつきと罵られる不思議
この国のルールは空気でできている。〜福岡市職員禁酒令と虚構新聞事件〜
●スマートTVサミット開催
テレビ局が、マジで動きはじめた!〜スマートTVサミットでの日本テレビ・デジタル連携宣言〜


去年あたりから出てきた傾向だけど、今年はさらにソーシャルメディアが時にひどく荒れるようになった。典型が虚構新聞がウソつき呼ばわりされた一件。虚構=ウソ、なので、「ウソつき新聞をウソつきめ!と罵る」奇妙な現象が起こった。ホントに理解不能だ。
スマートTVサミットというシンポジウムで日本テレビがJoiNTVに本気で取り組んでいることを宣言。びっくりしたし、盛り上がったなあ。

6月
●ソーシャルカンファレンス2012に参加
ソーシャルカンファレンス2012・遅ればせながらレポート
●ノマド論が一部でトレンド化
ノマドという職種は存在しない
●Huluが徐々に浸透
Hulu(つまりはSVOD)の功と罪〜あるいは刑事コロンボがやっぱり面白い件について

大元隆志氏が主催するソーシャルカンファレンス2012で、ソーシャルメディアとテレビの融合についてひとコマ担当してくれと依頼があり引き受けた。またまた豪華メンバーにお声がけし、6月9日にやったのだった。なかなか面白かったし、カンファレンス全体も濃い内容だった。
ノマドという言葉がいつの間にか流行語のようになっている。でも本来ノマドは“働き方“つまり状態を示す言葉で肩書きではない。自分で「私はノマドです」と職種のように名のるのは変だと書いたらバズった。いまはへたにバズると怖いのでしばらくおとなしくしてたよ。
去年、日本上陸したHulu。価格も下げたし、大プロモーションもやっていて、今年は水面下でかなり普及したんじゃないだろうか。ケータイキャリア系のサービスも含めて、時代はVODへ、そして定額制へ、まちがいなく動いていると思うよ。

てなことで、まあ掘り返したい記事を、暇つぶしに読んでみてくださいな。思いついたことなど、コメントもどうぞ。

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