第3回Bar境塾「ソーシャルと視聴率」かんたんレポート

前に告知した通り、3月1日の夜、第3回Bar境塾を開催した。境塾と題した勉強会を、デジタルハリウッド大学をお借りして数回催してきた。それに比べるとカジュアルな集いのつもりではじめたBar境塾。その名の通り、渋谷のVOYAGE GROUPのバースペースAJITOをお借りして、みんなで飲みながらやっている。

だけどだんだん、ソーシャルテレビに集約されていき、こっちの方がテーマがはっきりしてきちゃった。こっちがメインみたいになってきたぞ。ま、いいや、成り行きだ。

あ、でもデジハリでやる方も続けていくのでそっちも楽しみにね。

さて第3回は「ソーシャルと視聴率」をテーマに開催した。告知時に書いた通り、”tuneTV”と”みるぞう”の2つのソーシャルテレビ用アプリからのデータと視聴率データを照らし合わせて、果たして何か見えてくるのかな、という企画。いままでよりさらに”研究発表”的だった。準備も大変・・・と言ってもぼく自身は大したことできないわけだけど、みるぞうtuneTVそれぞれのスタッフの皆さんが集計したりグラフつくったり、大変だったと思うんだよね。おつかれさんでした。

当日の様子はUstream配信し、アーカイブ化してあるので、このリンクをクリックすればひと通り見てもらえる。これ、ほんとねえ、すごく貴重な発表になっていると思うなあ。あくまでぼく以外の皆さんの発表が、だけど。

大事なポイントだけ、ここでいくつか書いておこう。

最初にビデオリサーチの深田さんが「ソーシャルテレビの前提」として頭に入れておくといいことをあげてくれた。これ、けっこう大事なことがいっぱい入っていて、例えば視聴率の区分(F!とかM3とかいう例のやつ)を年齢別人口分布を重ねてみると、いかにM3とF3の比重が高まっているかがわかる。選挙と同じで、高年齢層ほど視聴率に反映されるようになってしまっている。おじさんおばさんが多く見れば、若者があまり見なくても高視聴率になりやすいわけだ。一方ソーシャルメディアは若い人が中心。ということは、そこにズレが生じやすいね。

で、実際、視聴率とソーシャル(=ほぼTwitter)の相関性は、若い世代だけの視聴率の方が相関性が高まる、とデータから読み取れた。M3F3中心に視聴されている番組は、やはりTwitterもあまり盛り上がってないのだ。

逆に、視聴率がいまいちでもTwitterで盛り上がる番組はあり、そういう場合は若い世代が視聴の中心であることが多いのだ。

そこには、何らかの可能性がある。視聴率には現れなくても、若くて熱心な視聴者が明らかにいます!それは価値があると言えるんじゃないだろうか。

視聴率に比べてTwitterで盛り上がる番組はアニメもしくはアイドル番組が多い。これはまあ当然といえば当然だろう。ただ、なぜかテレビ朝日のドラマ「相棒」もTwitterが盛り上がっていた。

ぼくは前もってデータを見ていたのだけど、これがいちばん不思議だった。「相棒」は視聴率が安定して高いのだけど、視聴者の年齢層は高い。なのにどうしてTwitterで盛り上がるんだ?

そうしたら、質疑応答の時にその謎が判明した。テレビ朝日の方が参加していて(古くからの友人なのだけど)、説明してくれたのだ。「相棒」のプロデューサーはシステム部門からドラマ班に移った方で、ネットには強い。だからブログやTwitterに早くから取り組み、ファンを大事にしてきたのだそうだ。なるほど!

これはかなりビックリすることだと思う。プロデューサーがファンを育ててきたのだ。その成果がデータに出始めている。この時点で視聴率をどこまで押し上げているかはわからないが、Twitterで明らかに突出した盛り上りが出ていることは、そのうち視聴率にも反映されるんじゃないか。

もちろんコンテンツの質が高いからだけど、テレビ番組はファンを育てることが可能なのだと言える現象だとぼくは思った。

そんな話になるのも、Bar境塾の面白さだなあと思った。IT関係の方と、テレビ関係の方と、一堂に集うからこそ見えてくるものや化学反応があるのだと言える。

実際、ほんとうに多様な方々が来てくれていて、その点も面白かった。つい先日知りあった「タイガー&バニー」に広告会社として関わっているADKの方々もいらしてくれた。このユニークなアニメーション番組については近々きちんと書こうと思う。

さて、ソーシャルと視聴率にはある程度の相関性があることは今回よくわかった。でも、その先がまだまだあるのだ。いちばん取り組むべきは、データマイニングだろう。番組と、その番組に対するTweetの”量”を見ることは第一歩だが、その次には”その番組に対して何をつぶやいているか”が必要になる。これについても、あるチームで取り組み中なので、そのうち書くことになるだろう。

それから、このBar境塾の場で、ある発表も行った。

ソーシャルテレビ推進会議の設立宣言だ。

これは今年元旦付けのこのブログで書いたことをいよいよ宣言したということだ。えらいなあ、有言実行だぞ、おれ。いや、でもまだ宣言しただけか。

このソーシャルテレビ推進会議についてもまた別途書くのでちょっと待っててね。

ということで、どんどんソーシャルテレビに集約されつつあるBar境塾。次回はあまり間をおかずにやろうと思う。もうテーマは決めてあるので、近いうちにまたここで発表するから、見逃さないでね。

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