sakaiosamu のすべての投稿

sakaiosamu について

コピーライター→映像製作会社ロボット→広告代理店ビデオプロモーション→再びコピーライター(フリーランス)。 メディアとコンテンツの未来を切り拓くコミュニケーションをデザインします。講演・執筆依頼もお気軽に!

メディアは広告であり、2024年は広告が問われる

画像はAdobeFireflyに「2024年は広告がメチャクチャになっているのが問題として浮上する」と入力して生成されたもの

しばらくこのブログでの更新をしてこなかったが、2024年はMediaBorderから一部を転載していく。

みなさん、すでに2024年の業務を開始したことだろう。MediaBorderも遅ればせながら最初の記事をお届けする。今年、メディアにおいて最重要問題となるのは、広告だと思う。それは、テレビ広告においてとネット広告とで問題の方向が違ってくる。

メディアは広告とセットの存在である

SVODはじめ「サブスク」の形態が2010年代に急速に浮上した。そのことをもって、今後のメディアはサブスクが主役になり広告モデルは古くなる、との声も聞かれた。当時から、それは大きな間違いだと感じていた。いや、メディアとは広告とセットなのだと。もちろん、例外は存在するが。
広告のことを侮蔑的に語りたがる人たちがいる。メディアの本質がわかってないなあと思ってしまう。逆にメディアの本質は広告とセットなのだ。
企業は商品やサービスを人々に提供してビジネスを行う。その際に、広告は欠かせない。そして広告の舞台はメディアだ。
広告を軸に捉えると、メディアは人々と企業の間を取り結んでいるのであり、それもメディアの社会的な価値の大きな要素なのだ。もちろんそこには常に、ジャーナリズムと企業サービスのせめぎ合いが起こるが、その葛藤も含めてメディアなのだと私は思う。
NHKのような「公共メディア」は別だし、SVODのようなサービスも別だ。だがNetflixとディズニー+は広告プランも選択肢に加え、アマゾンプライムビデオも海外ではそうなるらしい。
多くの人々に対しコンテンツを提供する存在にとって、広告モデルが重要なビジネス要素なのだとはっきりした。
なぜメディアは広告とセットなのか。それは、メディアとはイマを伝える存在だからだ。

参考:「メディアはイマであり、テレビはまあまあどうでもいいイマが強みだった」 (MediaBorder23年7月18日の記事)

イマを伝えると書いたそのイマの中には、実は広告も含まれる。広告を通じて、報道とは別の形で企業のイマを伝えているのだ。そしてそれがメシの種になる。だから今後も、メディアにとって広告は事業モデルの中心であり、サブスクともセットで運営することになる。これまでも新聞雑誌がそうだったように。完全に課金モデルだけで運営するメディアは限られるだろう。

ネットメディアの広告は今の形式の限界が近い

ネット広告市場は22年にマス4媒体の広告市場をも超えて3兆円にまで膨らんだ。いまや広告市場のメインストリームだ。ところがその中身たるや無法地帯化してしまっている。
あれだけ世界を制したFacebookやX(旧Twitter)の広告がボロボロになると誰が想像しただろう。だが説明するまでもない通り、Facebookには誰がどう見てもインチキな広告が平気な顔でタイムラインに流れてくる。Xの方はイーロン・マスクのおバカな言動により広告主が引いている。新ルールで拡散されるほど収益がユーザーに入るようになり、ゲスな投稿が跋扈している。まともな場所と言えなくなる寸前だ。
またネット上のメディアの記事を読もうとすると、まるで読者の邪魔をするように広告がやたらと表示される。どう見ても広告の面積の方が本来の記事より大きい。ページをめくると前面を塞ぐ広告が表示され、閉じるボタンがわからない。記事を読み進む意欲をなくしてしまう。
そんな状態で接触した広告に効果があるはずがないのに、1インプレッションとしてカウントされてしまう。企業は間抜けなことに、そのインプレッションにお金を払っている。まるで狸の化かしあいのような、ほとんど詐欺に近い「市場」で大きな金額が動いてしまっている。
私は様々なメディアで記事を書いてきたが、自分が運営するこのMediaBorder以外では東洋経済オンラインと日経ビジネス以外では書かなくなった。広告表示がまともだからだ。
ひどい広告表示のメディアでは、質より量なのかどんどん書き手を増やし、どんどん記事を増やしている。クズ広告が載るクズのような記事を載せまくると、クズメディアに成り下がってしまうのではないか。
この問題は2010年代からあったし、私はそのテーマの本も書いたが状況はむしろ悪くなっている。このままでは臨界点を超えてしまう。私は今年、それが来ると思う。実際、ネットメディアは全般的に不調と聞く。今のやり方はダメなのだ。
うまいこと広告を表示させようという意図しかない広告は表示されても見られない。まず読者が、次に広告主がNOを突きつけてくる。だがFacebookもXもGoogleもどうしたらいいかは見出せないだろう。
だがシンプルな話だ。コンテンツと広告の整理、そこに尽きる。これが記事です、ここは広告です、という区別をはっきりさせる。それだけの話だ。必要なのは秩序なのだ。
このテーマの先は、今年様々に掘り下げていこうと思う。

テレビCMは安く売ってきたのを是正できるか

テレビCMの場合、まったく別の課題が今年浮上するだろう。昨年、日本テレビがARMプラットフォームを24年度末からスタートさせると発表した。さらに年明けにはこんなニュースも飛び込んできた。

スイッチメディア、メ~テレと東海3県のテレビ視聴データで番組の価値を再定義して広告主に提案する共同営業を開始(スイッチメディア社リリース)

中京地区の局と、スイッチメディア社の取り組みという点が面白い。一体何をしようというのか。
それを知る前に、既存のテレビCMの売り方に元々あった問題点を理解する必要がある。日本のテレビCMはCPMで見ると米国より安売りしてきた。ここでは見せられないが、実際にそういうデータはある。
なぜ安かったか。ポイントはスポットセールスにある。これは考えればわかることで、スポット枠をGRPで売ると安売りになってしまうのだ。本来高くても買いたい枠と、本来買いたくない枠を一緒にして売るのだから全体としては安売りになってしまう、ということだ。1個100円のりんごも、1箱だと30個入って2000円で売るようなことをやってきた。
その解決策が日本テレビが始めたSAS(Smart Ad Sales)で、スポット枠を単品売りするやり方だ。
もう少し詳しく説明すると、ある広告主がM1(若い男性)にCMを見せたいと考えたとしよう。番組Aは個人全体視聴率は低いがM1がたくさん見ている。その広告主にとっては買いたい枠だ。ところが個人視聴率は低いのでGRPで買うと安売りになってしまう。
ここで「売り方」の問題が出てくる。スポットで買う際になかなか「番組Aの枠を買いたい」と言っても通用しなかった。だからと言って突然タイム枠は取れない。そんな場合にはSASで指定買いできればいいわけだ。もちろん価格は交渉になるだろうが、GRPで買う時より多少高くても全体の中で納得できればいいわけだ。
このSASもまだ活用できていない局や広告主もいるだろうが、今後のひとつの方向性になるだろう。
その次にどう進むか。スイッチメディア社とメ〜テレの取り組みはそこを目指すのだろうが、そう簡単ではない。
とにかく答えは一つではなく、これまでのように「タイムかスポットか」からいかに考え方を広げられるかが今後のテレビ局の課題になるだろう。これについても、今年は重要なテーマの一つとして注力していきたい。
今年はメディア界にとって波乱の年になるだろう。いままで考えられなかったような議論や動きが巻き起こるのはまちがいない。MediaBorderを通じて先取りしてお伝えしていくのでぜひお読みください。

テレビCMの売り方を考えるウェビナー開催

注力する最初として、1月30日にウェビナー「CTV時代のテレビCM データを駆使した新しい売り方を考える」を開催する。詳しくはこちらを読んでいただきたい。

テレビCMの新しい売り方を議論するセミナーをなぜ開催するか(MediaBorder23年12月20日)

申し込みはこちらの画像をクリック

MediaBorder購読者には3,300円を2,500円に割り引きます。(→MediaBorderへ)

3月にテレビ局とYouTubeをテーマにしたウェビナーを2回に分けて開催します

2021年3月に、ウェビナーを2回開催します。テーマは「TV×YouTube」。テレビ局はYouTubeをどう活用すればいいか、どんな動画制作をすればいいか、そしてどうマネタイズすればいいのか。知見と経験を持つ方々に登壇いただき、じっくり話をお聞きします。

テレビ局はネットに出よ!その入り口はYouTube!

コロナ禍で放送は「配信」に押されています。これまでは進んだ人びとの娯楽だった各配信サービスがすっかり普通の人びとに使われるようになり、定着しました。放送に使う時間は減るばかりで、配信に費やす時間は今後も伸びていくでしょう。明らかに「放送」だけに頼っていては放送ビジネスは成り立たなくなります。

一方、配信はテレビ局にとって決して縁遠いものではありません。むしろ放送を通じて培ってきた制作ノウハウやコンテンツの考え方は配信でも生かせるはず。そしてその中でももっとも手軽に着手できるのがYouTubeです。何しろ、誰だっていますぐにチャンネルを開設できます。

テレビ受像機でYouTubeを視聴する人も増え、これまでの先鋭的な若者メディアから老若男女がアクセスし幅広い動画を楽しむ場に変わりつつあります。企業の宣伝部も他のネット広告のメニューとは違うポジションに認識を変えつつあるようです。

テレビ局にとってはコンテンツの出口として、宣伝の一環として、さらにはスポンサーへの新たなサービス提供の場として、様々に使える場となります。そしてこれまでの素人映像だからこその良さに加えて、プロフェッショナルコンテンツのニーズも高まっています。

一例が、中田敦彦と宮迫博之による「Win Win Wiin」です。凝ったオープニング映像と上質なセットにより、ゴールデンタイムの番組に引けを取らないクオリティで配信されています。ファッションECのロコンドがスポンサーにつき、テレビと同様のビジネスモデルで運営されているようです。

#1 テレビ局はどう使いこなすか、キー局担当者に聞く

2回に分けた#1はテレビ局はYouTubeをどう使いこなすかがテーマです。キー局のYouTubeチャンネル担当者としてテレビ朝日の西村大樹氏に登壇してもらい、登録者数160万人を超えたANN news chについてお話しいただきます。また日本テレビからはYouTube戦略を担当する井上統暉氏が登壇。テレビ局としてYouTubeをどう使うのか、何を流すのか、どう運営するのかなど具体的にお聞きします。さらにテレビ局のYouTube活用をサポートするViibar玉手佑弥氏にも登壇していただき、様々なチャンネルを見てきた経験をお話いただきます。玉手氏は元読売テレビなので局の空気や傾向もよくわかっています。きっと皆さんにも参考になるお話となるでしょう。井上氏は若手である一方、西村氏はベテランですので多様な世代、多角的な視点でYouTube活用を議論してもらえます。こちらは3月2日の開催です。

https://tvxyoutube01.peatix.com/

#2 テレビマンにネット動画の作り方、チャンネル運営を聞く

そして3月30日開催の#2は二人の元テレビマンをお迎えします。元読売テレビの平山勝雄氏は在籍中に野球チャンネル「トクサンTV」を立ち上げました。これが登録者数60万に達し、問い合わせなども殺到。退社して本格的に運営に携わるようになりました。また、これからは漫画が来る!と察して始めた漫画チャンネル「ヒューマンバグ大学」が見事に大ヒット。登録者数100万を達成しています。

そんな平山氏に対する質問者として元テレビ朝日の鎮目博道氏が登壇。AbemaTVの立ち上げに関わり看板番組「AbemaPrime」をプロデュース。そして今も担当する日本一過激なオンナのニュース番組「Wの悲喜劇」をSHELLYのMCで成功させています。テレビ局からネットの世界に転じた鎮目氏から、平山氏に同じ制作者として多角的に意見交換してもらいます。

https://tvxyoutube02.peatix.com/view

料金はそれぞれ2,200円。両方とも参加する場合は、先着50名様に限り通し料金3,300円で#1の申し込みサイトから購入できます。

マスメディアのDXは待ったなし。まずYouTubeでネットを知ろう。

YouTubeでチャンネルを立ち上げて、すぐに登録者が何十万人にもなったり収益がぐいぐい上がることはありません。むしろ思ったより再生数は稼げず、ビジネスの百歩手前で右往左往するのが当たり前です。でも、とにかく経験することがすべてのスタートになります。いろいろ試して試行錯誤するうちに、思いも寄らないヒットコンテンツが生まれたりもします。またテレビのメディアパワーや長年培った制作ノウハウを生かさない手もないでしょう。何がどうプラスになり、掛け算になるかも、手をつけてみてわかってくるはず。そして、結局はやってみた者が勝ちです。何も始めなければ、何も始まらないだけ。

ただ大切なのは、面白いことをやる精神、新しいことを楽しむ心持ち。しのごの言わずに、面白いと思ったことをやってみるに越したことはありません。そのためにも、先駆者の経験は聞いておくときっと役に立ちます。この2回のセミナーで知見を吸収し、自分でも楽しんでみてください。メディアの世界を次に動かすのは、結局はそんな好奇心です。ウェビナーに参加して、ぜひあなたもトライしてみましょう!

※参考ページを前もってご覧ください。

ANN news CH↓

西村氏が手がけたニュース企画サイト→「●REC from 311~復興の現在地」

Viibar社のWEBサイト

ケイコンテンツWEBサイト

YouTubeチャンネル「トクサンTV」↓

YouTubeチャンネル「ヒューマンバグ大学」↓

鎮目博道氏公式サイト

Wの悲喜劇2時間SP↓

2021年、私たちは強くなっている。

2021年、私たちは強くなっている。

昨年はあなたも私も大変でした。
でも、なんとか乗り切れましたね。
お互いお疲れ様でした。
子どもからお年寄りまで想定外の
しんどい一年を人類は経験しました。
まだまだ終わりは先ですが、きっと、もう大丈夫。
私たちは強くなっているはずだから。
それに本当に何がたいせつで何を変えるべきかもわかりました。
力を合わせれば必ず明日は楽しくできます。
今年もご一緒に、面白い一年を。

メディアコンサルタント 境 治

これは今年の年賀状の文面です。昨年はコロナ禍で私も活動が滞りました。みなさんも同じだと思います。ですが、上に書いた通り、私たちは強く賢くなったはずです。去年の遅れを取り返すべく、今年はがんばりましょう!

「地域とテレビの未来ウェビナー」を再開します

私で言いますと、昨年2月に開催した「地域とテレビの未来を考えるシンポジウム」を続けていくつもりがコロナで頓挫しました。残念ではありましたが、逆に2月末に開催できたことはその後を考えると幸運でした。

リアルでの開催を諦め、7月からZoomを使って「地域とテレビの未来ウェビナー」を開催しました。

どちらも多くの皆様にご参加いただき盛り上がるウェビナーとなりました。

ただ、その後も続けて開催するつもりでしたが3つほど企画が流れ、年内は終わってしまいました。今年はまた新たに連続して開催していきたいと考えています。その際は、皆様にまたお知らせしますのでぜひご参加ください。

メディアの近未来についての情報発信を頑張ります

昨年はまた、5冊目となる新著を発刊しました。「嫌われモノの広告は再生するかといういささか自虐的なタイトルですが、ネット広告の課題を入り口に広告そのものの意義を考察した内容です。例によって大して売れてはいませんが、内容的には自信を持っております。とくにこれまでマスメディアに関わってきた方々にネット広告の現状と将来像のガイドとなる著作だと思っています。よろしければお読みください。Kindle版もあります。

メディアについての情報発信を昨年もがんばりました。Yahoo!ニュース個人では以下のような記事を配信しました。

「鬼滅の刃」は「M-1グランプリ」とどう戦ったか〜テレビ視聴の地域差〜

外出自粛で若者のテレビ視聴時間が増えている

また現代ビジネスや東洋経済オンラインでも記事を執筆しました。

テレビ「ネット同時配信」のから騒ぎと、ビジョンなきマスコミ人の末路

テレビマン60人が答えた今の現場の偽らざる姿

もちろん自ら運営するMediaBorderではコツコツと情報発信を重ねてきました。年末にはこんなことを書いています。(有料登録が必要なメディアですが、この記事は登録なしで読めます)

2020年、テレビはもうテレビではなくなろうとしている。

一方、YouTubeでは「メディア酔談」のタイトルでチャンネルを開設し、登録者一万人を超えました。いまは一旦休止していますが、こちらも今年、新たにスタートさせるつもりです。ここではNHKが公共放送であるためのガバナンスのあり方を中心に、メディアと政治の関わりをテーマにしていくつもりです。こちらもどうぞご期待ください。

ネットとの融合でテレビは再生する

メディアの行く末を追ってきた者の目で見ると、2020年は大きなターニングポイントだったと思います。YouTubeでもSVODでも配信が存在を顕在化させ、はっきりと放送を圧倒しはじめました。2015年のNetflix上陸以来、私も想像してきたことではありますが、コロナ禍でその速度は予測をはるかに超えました。正直に書いてしまいますが、地上波テレビ放送は事業としてかなり厳しくなるでしょう。ダイナミックな動きをしないと、生き残れなくなるのは明らかです。

配信が放送を圧倒するから地上波テレビ局は不要になる?いえ、そう単純ではないでしょう。生き残り戦略としては配信を拒むのではなくむしろ自らも配信を武器に加えるべきだと誰しも感じていると思います。ただ、もはや「試しにやってみる」タイミングではありません。マネタイズを見据えて本気で取り組むべき時です。そのために何をどう考えてどう動いていくべきか。これについては私にもお手伝いできることがありそうです。ご興味あれば、まずはお話ししましょう。こちらにご連絡ください。

sakai@oszero.jp

メディアが今後どんな形になっていくのか。それは日本の未来にとって重要な要素だと思います。ましてや地域においてはその未来を直接担っていると言えるでしょう。地域とメディアの未来のために、2021年はますます頑張っていきたいと考えています。どうぞ皆様あらためて、よろしくお願いいたします。

2021年正月 メディアコンサルタント 境 治

大げさに言えば、中海テレビはすべてのメディアのモデルになるケーブル局だと思う

中海テレビは第57回ギャラクシー賞報道部門大賞を受賞した

放送業界のアカデミー賞とも言えるギャラクシー賞の報道活動部門で今年、大賞を受賞したのは並み居る地上波局ではなく鳥取県米子市のケーブルテレビ局、中海テレビだった。私は、おおさすがギャラクシー賞!と感心した。中海テレビの素晴らしさを、他ならぬギャラクシー賞が評価するのは、当然と思う一方で、そういう時代が来たのだなと受けとめた。

ジャーナリズムの役割に感じるうさん臭さ

映画「さよならテレビ」を見た時、東海テレビの報道の人が学校に行って子どもたちにジャーナリズムの役割を3つだと説明する場面があった。

  • 事実を調べて伝える
  • 権力の監視
  • 弱者への寄り添い

これを見た時、私は「ええー?!」とかなりビックリした。そしてイヤだなと感じた。読者視聴者として報道に期待するのは「事実」に尽きると私は考えている。もちろん権力が何かしでかしたら事実として伝えてほしいし、社会的立場が弱い人が困窮してたらそれを事実として伝えてほしいとも思う。ただ、その二つがわざわざミッションとして挙げられるのは奇妙に感じた。そして時々、ジャーナリストと呼ばれる人びとに感じる何とも言えない近寄りがたさ、もっと言うとうさんくささはここにルーツがあると思った。

ジャーナリストを自認する人に言うと喧嘩になりそうだが、サラリーマンに過ぎないのに世界から使命を与えられてるような彼らの正義感が、私は本当にイヤなのだ。全員がそうということでは決してない。だが時折、そう言う人を見受けるし、不思議とそれが全体になるとその鼻につく正義感が漂ってくるのだ。

ネット民がマスゴミと呼ぶのも、この辺りの感覚の反映ではないかと思う。30〜40代の男性はむしろ私より強くこの感覚を持っているのではないか。

中海テレビのニューススタジオ。ここから朝夕のニュースを放送する

「地域のために」報道部を持つケーブル局

2年前に取材した中海テレビは、ケーブル局ではおそらく唯一、報道部を持つ局だ。だが取材して理解した彼らの感覚は、上に書いたような使命感と違っていた。使命感の方向が違うのだ。

正義感が鼻につくのは、そこに「上から目線」を感じるからだ。だが中海テレビの報道姿勢は、住民と共にある姿勢だ。そして権力監視ではなく、行政に疑問があったら住民を巻き込み、行政を責めるのではなく行政と共に解決を求める態度なのだ。あそこに欠陥がある!あの首長の失政だ!そんな態度とは180度違う。

中海テレビの成り立ちがそうさせているのだと思う。地元の170の企業・自治体・個人が100万円ずつの均等出資で設立された。自治体寄りでもなく、企業寄りでもなく、ひとりの地域の名士でもなく、その地域こそが設立の基盤だ。「地域のために」がDNAになっている。

(中海テレビに取材して2年前にGALACに掲載した記事を私が運営するMediaBorderに再掲しているのでよかったらご覧ください→MediaBorder該当記事

中海テレビの姿勢はすべてのメディアのモデル?

中海テレビの姿勢は、少し前なら「そういうケーブル局もあっていいね」で終わったかもしれない。だが私はいま、中海テレビの報道姿勢はすべてのメディアにとって見習うべきモデルなのではないかと考えている。ひとつには、鼻につく正義感がないからだが、もうひとつは「地域密着」のお手本のような理念だからだ。

例えば地上波ローカル局は最近、テレビ広告市場の減退で危機に見舞われている。それでもそのエリアに生き残るとしたら、地域で必要とされるかどうかに尽きるだろう。ローカル局は地域に根ざしているようでどこか、中央を向いていた。在京キー局を慮りナショナルクライアントのケアをしていれば営業効率は良かったのだ。だがいま、ナショナルクライアントの広告出稿の受皿として名乗れるためにも、地域に密着し必要とされ愛されていることが必要だ。当たり前のことに日本中の放送局が気づきはじめている。

それはまた実は、キー局にも同じことが言えるはずだ。あるいは新聞にも言えることだろう。メディアは実は「ひとびと」のコミュニティに支えられており、だからこそ広告出稿も生まれる。ひとりよがりにいいものを作っていても、あるいは例え莫大なアクセス数があったとしても、コミュニティに向き合っていないとビジネスにならないのだ。

すべてのメディアにとって中海テレビがモデルになるのではないか。少なくとも学ぶべき点を見出せるのではないか。いま、そういう時代にさしかかっていると思う。コロナはそのことを明示させる機会になっているかもしれない。

ウェビナー「地上波の知らないケーブルテレビ」8/19開催

8月19日に中海テレビをフィーチャーしたウェビナーを開催します。よかったら参加してください。手を挙げたら発言してもらえる参加型をめざしているので、ぜひ楽しんでもらえればと思います。

※本ウェビナー解説記事はこちら→8月19日ウェビナー「地上波の知らないケーブルテレビ〜中海テレビにNHKが聞く」開催

新著「嫌われモノの〈広告〉は再生するか」を書いたのはどうしてかというと・・・

メディアやコンテンツの業界にいる者として、キャリアのベースが広告業界だったのはよかったと思う。広告屋の自負を込めて言うと、メディアというものを客観的に見る立ち位置が獲得できたからだ。

広告との関係でメディアを知っているのといないのとでは、考え方の幅やリアリティに大きな差ができてしまう。メディアは理想論や正義感だけでは運営できない。だから理想論が不要だと言いたいのではない。広告ビジネスの実情、なぜメディアがビジネスとして成立しているのかまで理解した上で、理想を追い求めることが大切だと思うのだ。社会に役立つ良いコンテンツさえ発信していればいいのだ!としか考えない作り手は、沈没してしまうだろう。

とくに今のようにメディアのビジネスモデルが根本から変わろうとしている時、現実を見ずに理想論を振りかざしてもあまり意味がない。私はメディアは社会のために役立つべきだと思うし、マネタイズを優先していてはいけないと考えている。一方で、「お金の話は営業に任せて」と作ることだけを言う人は、いまの2020年という時代には無責任だと思う。むしろ、お金のことも頭に入れてそれでもなおより良いコンテンツづくりに力を注ぐべきなのだ。するとおのずから、コンテンツの中身や作り方も変わってくるはずだ。

この本は、そんな葛藤を抱えた人に読んでほしい。広告の話であり重心はネット広告なのだが、広告関係者のみならずメディアとコンテンツに関わるすべての人に読んでもらえるつもりで書いている。

ざっと内容を紹介しよう。まず目次から各章のタイトルを並べてみよう。

  • Introdustion なぜ広告は 「嫌われモノ」になったのか?
  • Chapter1:ネットメディアと広告の結びつき〜「ネット広告の闇」を暴いた二つの告発
  • Chapter2:ネット広告というブラックボックス〜破壊された棲み分け
  • Chapter3:ハードルを越えるための解決策〜ホワイトリストと意識改革
  • Chapter4:PV商売からの脱却を図るメディア〜「コンテンツ価値」という答え
  • Chapter5:テレビCMにも起きている変化の波〜視聴率から視聴質への転換
  • Last Chapter:これからの広告の在り方はどうなるか?

そして本の概要についてイントロダクションでこう書いている。

第1章では、ネットでのメディアと広告の関係を追ったあと、WELQと漫画村の二つ の「 事件」が告発されるプロセスを見る。第2章では、ネット広告の問題点を整理したう えで、それらが起こった背景を「 棲み分け」をキーワードに説明する。第3章では、そう したネット広告の問題点を解決するべく始まった業界の動きを、「アドバタイザー宣言」を 軸に見ていく。

第4章では、ネット広告の問題を生み出していた、PV数への依拠から脱却する新しい メディアビジネスの在り方を、二つの企業を例に見ていく。第5章は補足として、テレビ CMの指標が今変化しつつあることを解説し、ネット広告との相似性を感じてもらう。最 終章では、まとめとして、今後のメディアのエコシステム( ビジネス上の強調関係や産業 構造)はどう構築されるか、希望的な私見を述べる。

これを書くにあたっては昨年2019年の秋から半年に渡って取材を重ねた。WELQを告発した朽木誠一郎氏とNHK「クロ現」で「ネット広告の闇」のシリーズを追っている蔵重龍氏に話を聞けたのは「問題の端緒」がよくわかる貴重な取材となった。このあたりは“読み物“としても面白いと思う。また取材を始めてすぐJAA(日本アドバタイザーズ協会)の小出誠常務理事を訪問したら、ちょうど「アドバタイザー宣言」発表直前だったのはラッキーだった。ADK清家直裕氏とスマートニュース川崎裕一氏からは、宣言を受けての業界内の啓蒙などをじっくり聞けた。そしてメディアジーン社の今田素子社長、講談社の長崎亘宏氏からはメディア企業がこれまでとは違う広告の仕組みを「開発」している様子を具体的にうかがうことができた。

これらの取材は私がすべて決めていったわけではない。むしろ、イーストプレスの編集者・木下衛君が「こんな取材をしましょう」とか「あの方にお話を聞きたいですね」と言うのに引っぱられて聞いていった結果だ。彼が名前を挙げた方が、「あ、知ってるよその人なら」「知ってる人から紹介してもらおう」と、もともと縁がある方だったりしたのだが、この本のためにその人に聞くべきと、私だけでは思いつかなかったかもしれない。木下君に導かれるままに訪ね歩き書き進めた感がある。

取材したテープは木下君が全文書き起こしをしてくれたのだが、それをまとめていくのはいささか手こずった。膨大な言葉を、どう並べてどんな論旨でまとめればいいか大海原で途方に暮れたような状態になった。とにかく取材をまとめては文章化し、触発されたことを書いていった。それを木下君と相談して順番を変えたり、それに合わせてまた考えを書いたりしていくうちに仕上がった。不思議なもので、最初から全体の筋立てを決めて取材し書いたように見える。だが私としては、書き起こしと奮闘するうち、魔法のようにまとまっていったのだ。そういう意味では、自分の意図を超えた書籍になったと思う。よくこんなことをまとめられたものだと我ながら感心している。

その結果でき上がったものは、ネット広告の最前線でここに書いたことを体験してきた人には「わかってたこと」かもしれない。ただ、イントロダクションでこう書いている。

この機にネット広告を知りたいマス広告出自の方、逆にマス広告からの視点を知りたいネット広告従事者には、 頭に入りやすいと思う。さらに、企業の宣伝部にいる管理職層やコミュニケーション担当 役員の方で、「で、ネット広告って、何がそんなにヤバいの?」と思ってる方にも、わかり やすい本になっているはずだ。

つまりこの本はマス広告に出自を持つ私が、この十年くらいネットとそこでの広告を横目で見てきたことをまとめているので、マスとネット両方の視野で書いている。片方しか関わってこなかった人には役に立つと思うのだ。また企業で宣伝に関わる方が、上司や経営者に実情をわかってもらうにもいいはずだ。さらにテレビCMの動向も書いており、放送関係の方にもかなり役立つ内容のつもりだ。

というわけで、みなさんにぜひ読んでもらいたい。またこの機に、私が運営するWEBマガジン「MediaBorder」にも興味を持ってもらえればと思う。MediaBorder購読者は勉強会「ミライテレビ推進会議」に参加できることもご案内しておこう。参加希望者は私宛てにメールしてくれればご案内する。→境宛てにメールする

テレビ広告費がネット広告費に抜かれた今、両方を自由に行き来できることが必要になる。そのために必要な知識と発想を、一緒に学んでいければと思う。

「嫌われモノの〈広告〉は再生するか」Amazon売場はここをクリック!

7月1日ウェビナー「アフターコロナ テレビ局の選択肢」開催

お申し込みは上の画像のリンクからどうぞ↑

2月25日に「地域とテレビの未来を考えるシンポジウム」を福岡で開催しました。100名近い方々に全国からお集まりいただき、良い催しになったと思います。

シンポジウムのレポートは、私が運営するWEBマガジンMediaBorderに掲載されています。(→レポートへ)

このシンポジウムを機に、定期的に「地域とテレビの未来を考える」セミナーを企画していくつもりでした。またそれを社団法人化し、皆さんに参加していただける研究会の形を作るつもりでした。

そこへコロナ禍が起こり、考えていたことを一旦停止せざるを得なくなりました。

その一方で様々な会議システムが注目されたのはみなさんご存知の通りです。中でもZoomはセミナーをオンラインで開催する機能もあり、私も小規模な催しで何度か使ってみて便利さを実感しました。何と言っても、リアルな場を借りる必要がなく手軽に集まれるのが便利です。また全国どこからでも、海外からでも距離を感じずに集まってもらえます。

「地域とテレビの未来を考える」活動にはぴったりなのでは?この活動の理念は、「東京中心からの脱却」です。どこでも開催できて、どこからでも参加できる。それにZoomなら参加者が登壇者と並んで発言することも可能です。地域の将来を議論するフラットな場ができそうです。

そこで、「地域とテレビの未来を考えるウェビナー」をシリーズで開催していこうと考えました。その第一弾を、7月1日に開催します。

今月初めに告知を開始したところ、100名の定員が残り10枠ほどになりました。そこで、定員を増やし150名にします。もしご興味あれば、ぜひお申し込みください。以下にイベント概要を掲載します。

アフターコロナ テレビ局の選択肢

7月1日17時〜19時 オンラインセミナー
参加費:2,200円 参加予定人数:100名(要望が多ければ増員します)
出演
問題提起:塚本幹夫氏(スタジオ出演)
質問者:田中和彦氏(リモート出演)
企画・進行:境治(スタジオ出演)

コロナ後の時代、テレビ局はどう動くべきか?塚本氏の提言に田中氏が物申す!
緊急事態が解除されたものの、コロナの影響はまだまだ続きます。放送業界は前年比マイナスは確実、キー局もローカル局も厳しい状況に苦しんでいます。もともと、業界再編がじわじわささやかれていた中、変革は待ったなしになったと言えるでしょう。放送業界全体は「新しい様式」に移行せざるを得ません。
具体的にどう考えるべきか、メディアストラテジストの塚本幹夫氏は「3つの具体的方策」を放送業界に提案しています。「ハードソフト分離」「放送同時配信を放送と定義」「資本規制の緩和」です。前々から部分的に言われていたことではありますが、この3つの制度改革で何がどう変わるのか。本ウェビナーでは塚本氏に具体的なイメージを描き解説してもらいます。「改革から革命へ」を主張する塚本氏の構想を共有しましょう。塚本氏と進行の境はスタジオ出演になります。
そしてその構想はローカル局から見るとどうなのか。経営レベルでの見方を聞きたいところです。そこでこの6月末に、南海放送の社長を退き会長に就任される予定の田中和彦氏に愛媛からリモート出演していただきます。質問者として塚本構想を深掘りしながら、その具体性を議論します。
ヘビーなテーマですが、お二方の人柄で楽しい議論になることでしょう。みなさんも肩ひじ張らずにご聴講ください。
このウェビナーは2月26日に開催した「地域とテレビの未来を考えるシンポジウム」の続きとして、主にローカル局の方を対象に開催するものですが、キー局やケーブル局、代理店などどなたでも参加いただけます。ヒマナイヌスタジオ大手町からZoomを通じての開催ですので、全国どこからでも参加可能。同スタジオの品質の高い配信により不自由なく聴講していただけます。チャットを通じて質問や議論への参加もできます。ぜひ積極的にご意見もお寄せください。

2月のシンポジウム以降、「地域とテレビの未来を考える」活動はコロナでストップを余儀なくされていましたが、これからしばらくはウェビナー形式で月一本のペースを目指して開催してまいります。ご興味ある方はぜひご参加を。

Peatixでお申込みいただけば参加情報をお伝えしますが、Zoomのインストールは前もってお済ませください。

お申し込みはこちらのPeatixページからどうぞ。↓

出演者
田中 和彦 氏
南海放送株式会社 代表取締役社長

1954年 愛媛県伊予市生まれ。1977年 早稲田大学政治経済学部卒。同年4月 南海放送株式会社にアナウンサーとして入社。ニュースキャスターや野球・サッカーなどスポーツ中継、「POPSヒコヒコタイム」などの人気ラジオ番組を担当。ライフワークとしてふるさとの歴史再発掘をテーマにしたオリジナルのラジオドラマの制作を続け、現在までで30作を超える。1985年「赤シャツの逆襲」で文化庁芸術祭賞。2005年「ソローキンの見た桜」で第1回日本放送文化大賞ラジオ・グランプリ。2014年「風の男~BUZAEMON~」で日本民間放送連盟賞ラジオ・エンターテインメント部門の全国最優秀賞を受賞。編成局長、ラジオ局長、社長室長などを経て、2014年6月に南海放送株式会社 代表取締役社長。2020年6月に同社代表取締役会長に就任(予定)

塚本 幹夫 氏
株式会社ワイズ・メディア取締役 メディアストラテジスト

1958年東京生まれ。横浜聖光学院高校、筑波大学社会学類卒。1981年フジテレビジョン入社。バラエティAD、報道記者、デスク、ニュース編集長を経て、2007年デジタルビジネス推進部長。2008年在京キー局で初めて地上波プライムタイム番組の配信を実現。2010年IT戦略担当局長。2016年退職し、株式会社ワイズ・メディアを設立。取締役メディアストラテジストとして、ネットサービス企業などのアドバイザーや顧問を務める。他にフラー株式会社常勤監査役。NHK放送技術審議会委員。元筑波大学客員教授(メディア論)。

企画/進行
境 治
株式会社OSzero代表 コピーライター/メディアコンサルタント 
1962年福岡市生まれ。東京大学文学部を卒業後、1987年、広告代理店I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターとなる。1993年に独立。2006年から株式会社ロボット、2011年からは株式会社ビデオプロモーションに在籍。2013年7月から、再びフリーランスになり、メディアコンサルタントとして活動。2014年より株式会社エム・データ顧問研究員。著書「拡張するテレビ」「爆発的ヒットは想いから生まれる」

2/25「地域とテレビの未来を考えるシンポジウムin福岡」まだまだ参加できます!

ローカル局の課題

新年のブログで2月25日のシンポジウムについてお伝えしました。
「2020年代、地域とメディアの未来を考えていきたい」
一応の申し込み締め切りを1月25日としていましたが、その後もお問合せいただいています。
締め切りは目処としてのつもりでしたので、ご興味持っていただけるなら引き続きお申し込みを受け付けます。どうぞ境治宛てにご連絡ください。申込書が手元にある方はどうぞお申し込みください。(ただし申し訳ありませんが、東阪名の局の方にはご遠慮いただいております。)

sakai@oszero.jp

テレビ局は広告収入から逃げてはいけない
さてこのシンポジウムのテーマは、「地域とテレビの未来」です。ローカル局は活動の場が限定されるメディア。だからこそ、その地域とともに歩んでいかねばならない。ひょっとしたらこれまで、地域に十分に向き合っていなかったのなら、もう一度足元を見つめ直そう。地域に共に生きる皆さんに目を向け、一緒に地域を盛り上げていこう、ということが基本にあります。

ただ、そうやって地域に向き合うことでテレビビジネスがどうなっていくのか。スポットの急減が進む中、地域への取り組みはビジネス面で何をもたらすのか。そこにはまだ誰も答えは見出せていないようです。

私も何かがはっきり見えているわけではありません。ただ一つ、今回のシンポジウムで最重要なテーマはイメージしています。それは、今後もテレビビジネスの中心は広告収入にあることです。なぜならばメディアだからです。

メディアには課金と広告と大きく二つのビジネスモデルがあります。テレビは広告だけでやってきました。今後、可能性としては課金モデルを取り入れることはあるかもしれません。でも一方で今後も広告モデルがテレビ局の屋台骨であることは変わらないと思います。変えてはいけないとも思います。テレビ局はメディアだから、広告中心で運営すべきなのです。

なぜメディアは広告モデルなのか。これについてはまた別の機会に語りたいと思います。

知っておいていただきたいのは、今回のシンポジウムでは広告ビジネスの話を中心に据えるつもりだということです。

スポット急減とさっき書いたのに、矛盾してますね。でも、スポット急減をどんな広告収入で補い新たな成長モデルが作れるかを考えるべきなのです。方向は2つあります。それを示したのが上の図です。テレビCMの単価を上げることと、ネット上で広告収入を新たに得ること。この両方に取り組む必要があるでしょう。

CMの単価を上げることなんてできるのでしょうか。もちろん簡単ではありません。ただ、「考え方」はあります。単価を上げる方向性はこういうことだね、というのはあるのです。シンポジウムで明らかにできると思います。ただ、魔法ではありません。方向性が見えたら、そこに向かって努力せねばなりません。

もう一つは、ネットでの広告収入を得ることですが、シンポジウムでは少しだけその考え方をお伝えすることになると思います。

広告収入にこだわるようですが、もちろん新規ビジネスだって考えたほうがいいでしょう。ただ、広告以外のビジネスも、広告ビジネスがしっかりしていての話です。広告収入は伸びないから諦めて新規ビジネスを、との発想ではうまくいきません。なぜならばテレビはメディアだから。禅問答みたいですが、地上波テレビを長くやってた方なら実は感覚的にわかっていると思います。電波を使って広く見てもらうのがテレビ。そこには広告ビジネス、なのです。

そしてテレビ局が地域で広告ビジネスを軸に踏ん張るからこそ、地域経済も活性化できます。地域とテレビの未来のためには、テレビは広告ビジネスを頑張らないといけないのです。

なかなか抽象的なことばかり書いてますが、なんとなく感じるところがあるなら、ぜひシンポジウムに参加してください。ぜひ!

IMG_2288会場のソラリア西鉄ホテルの雰囲気です

2020年代、地域とメディアの未来を考えていきたい

2020年賀状画像

2020年の年賀状より

明けましておめでとうございます
怒涛の2020年代に突入しました。
メディアの未来を考えてきましたが、
これからは地域の未来を考えて
参りたいと思います。
メディアも、地域との関わりを
軸にすべき時代と考えます。
地域のためにメディアが
どうあるべきかを考察し、
それを具現化することで、
地域に何らか貢献できるよう
行動していく所存です。
お力添えいただければ幸いです。
2020年 正月
境 治

今年はこんな年賀状を書きました。ハガキで出したのは一部の方たちですが、あらためていま皆さんにご挨拶申し上げ、上で書いたことをもう少し解説します。

2020年は「地域の未来」を考え、そのために「メディアの未来」を考える決意を立てました。地域が先で、メディアは後です。

メディアはいま大きな変革の時を迎えています。そしてそれ以上に、この国の地域社会も変化の荒波に見舞われようとしています。2020年代は言うまでもなく人口減少社会がはっきりと形を表し、これまでなかった様々の課題を私たちに投げかけてきます。

そうした課題の解決こそが、地域におけるメディアの使命です。メディアがどう生き残れるかは、カッコいいビジネスモデルを構築することより、地域の課題と取っ組み合って人びととどう手を携えられるかにかかってきます。そして、だからこそオールドメディアとネットの融合が必要になるのだと思います。

福岡に生まれ、鹿児島で青春を過ごした私にとって、それぞれの地域が、ひいては九州というエリアがこれからどうなっていくのかがとてもとても気になっています。大人になって東京で過ごした分、九州への恩返しをこれからの人生でしていきたいと考えています。地域とメディアの橋渡しをし、どんなミッションをメディアは持つべきか、何か手助けになる作業をしたいと思うのです。

そのための最初の取り組みとして、「地域とテレビの未来を考えるシンポジウムin福岡」という催しを2月25日にソラリア西鉄ホテル福岡で開催します。その案内状を、12月に全国のローカル局のトップの方々にお送りしました。大変失礼なことですが、東京・大阪・名古屋のキー局・準キー局の皆さんは外しています。地域の未来を地域のメディアが主体的に考える場とするためです。また他のメディアに広げるとテーマが定まらなくなるので「テレビ」に限定しています。地上波放送局が中心ですが、一部ケーブルテレビの方たちにも案内が回っています。プログラムは以下です。

「地域とテレビの未来を考えるシンポジウムin福岡」プログラム

13時30分:開催宣言「地域とテレビの未来を考える」
メディアコンサルタント 境治

14時:キーノートスピーチ
「地域創生とメディアへの期待」
九州TSUTAYA 代表取締役社長 高原祥有様

15時:ビジネスプレゼン
「地域テレビ局に新たな成長をもたらす仕組み」
ラクスル 手塚裕亮様
エム・データ 薄井司様
インテージ 深田航志様

16時30分:パネルディスカッション
「テレビ局は地域社会にどう貢献しどう生きていくか」
九州朝日放送 代表取締役社長 和氣靖様
南日本放送 代表取締役会長 中村耕治様
南海放送 代表取締役社長 田中和彦様
モデレーター:境治
18時終了

18時30分:懇親会

もしこのシンポジウムに興味をお持ちの方がいたら、私宛にご連絡ください。トップの方への案内を出しましたが、現場の方たちも参加していただけるならうれしいと考えています。こちらまでメールしてください。

sakai@oszero.jp

シンポジウムが成功したら、何らかの団体を組成し、定期的な活動を続けていきたいとも考えています。これについても、興味がある方がいたらご連絡ください。ただし、できるだけ会社単位、団体単位での参加のための形にしたいと思っています。個人の方は、参加形式についてご相談が必要かもしれません。いずれにせよ、シンポジウムが成功したら、ですけどね。

※境治が運営する勉強会「ミライテレビ推進会議」およびWEBメディア「テレビとネットの横断業界誌:MediaBorder」に興味をお持ちの方
は、こちらのページをご覧ください。→http://sakaiosamu.com/media/

昭和を解決できないまま、平成が終わった~令和を迎えた昭和世代の責任~

昭和を解決できないまま
私たちは昭和が残した課題を、何一つ解決できていない
この連休中に元号が変わった。平成が終わり令和という新しい時代に入ったことは素直によろこびたいと思う。だが少々、テレビをはじめとするメディアははしゃぎすぎていたようにも感じた。昭和が終わり平成に変わる時の重苦しさ、喪に服してないと非国民扱いされかねない空気よりずっといいが、ここまで浮かれるものかという気もする。それは特に私が昭和世代だからかもしれない。何もできないまま平成が終わってしまったことに、焦りのようなものが胸の中で疼くせいだ。

私は1987年に社会人になった。2年後に平成になり、その後結婚し息子と娘が生まれ、二人とも成人になった。つまり平成はほとんど私が大人として過ごした期間だった。大人としての主要期間が丸々平成だったのだ。だから平成という時代に責任を感じる。いや、令和という時代を迎えて平成が終わる時、その平成に対する自責の念が湧いてきたのだ。ああ、何もできなかった。何も変わらないまま平成が終わってしまう責任の一端を、間違いなく私は負っている。昭和世代はみんなそう言えると思う。

ここで言う昭和世代とは、平成の大半を大人として過ごした人びとだ。私より上の人はみんなそうだし、2000年あたりまでに社会人になった人はみんな昭和世代と規定できるだろう。年齢でいうと今、40歳以上の人たちだ。そこに入る人は、あなたも私も、平成に責任がある。

平成への責任とは何か。私が考えるのは、昭和の課題を解決できなかったことだ。30年間も時間があったのに、前の時代の良くないところを良くできなかった。ほとんど手付かずでそのままになっている。そのことを、平成が終わって今さら悔いているのだ。なんとも情けないことだと思う。

日本の会社、という諸悪の根源
昭和の良くなかったところとは何か、それについては5年ほど前に書いたブログ「日本人の普通は、実は昭和の普通に過ぎない」を読んでもらえるとわかりやすい。
nihon-490x346

このビジュアルを上の画像と対比してもらえばわかる通り、この時の続きを今書いている。シリーズメッセージ、のようなことだ。
この時書いたのは、日本が抱える問題はほとんど昭和に源があるということだ。もっともポイントとなるのが、戦時体制の話だ。

日本の社会構造を形成する制度のほとんどは、戦時中にできたものだった。そのルーツをたどると、当時できたばかりのソビエト連邦の社会主義に行き着く。日本の戦後の制度は、ソ連の社会主義をベースにした独特の不思議な制度で戦争遂行のためにできたものだ。それがGHQが来ても手付かずのまま残った。日本という国は戦後に民主的に生まれ変わったように見えて、本質は戦時体制のまま続いて、高度成長の時代に経済的勝利をもたらした。大まかにそんなことが書かれている。

それは経済学者・野口悠紀雄氏の「1940年体制」に書かれていることだ。私は1995年にこの本に巡り合ってようやく、高校生の頃からこの国に感じていた澱みの原因がわかった。

戦時体制の根幹は、そして私が感じていた澱みを生み出しているのは、日本の会社制度に集約されている。資本主義を体現しているはずの株式会社制度は、日本ではまるで社会主義のシステムのように機能してきたのだ。終身雇用と会社別組合と、銀行による間接金融。この3つが組み合わさって日本独特の、資本主義のようで社会主義的な株式会社の制度が成立している。

ここではその問題点をわかりやすく終身雇用に絞って論じていきたい。終身雇用を事実上絶対ルールにしてしまった日本の会社という独特の制度、組織のあり方こそが、私が言う昭和が残した課題だ。

国と個人の間に会社が入り、個人の面倒を見る不思議
経営者は従業員の雇用に責任を持つ。これは当然と言えば当然かもしれない。だが日本では、雇用に責任を持ち続けねばならない。一度採用したら、定年まで面倒を見るのが義務であり、その責任を放棄すると非人間扱いされる。それに司法の判例でも、簡単に従業員を辞めさせることはできない。これは従業員に対して優しいようで、同時に主体性を奪っている。

私はコピーライターとして31歳の時にフリーランスになった。退社してよくわかったのだが、日本の会社員は税金と社会保険の面倒を全て会社に任せきっているのだ。源泉徴収とは世界的に行われている制度ではない。給料から会社があらかじめ税金を払うという大きなお世話が、日本では会社の義務だ。この源泉徴収制度も、1940年体制、戦時中にできた制度の一つだ。国家が税金を徴収しやすくするために会社に徴収させる奇妙な制度だ。ただ源泉徴収制度は日本だけではない。

日本だけの奇妙極まれる制度が、年末調整だ。源泉徴収で大雑把に徴収した税金が、個々人の状況に合わせて払い過ぎた分を返してくれる。その計算もやるのは個人ではなく会社だ。かくて会社員は自分がいくら税金を払っているかも、なぜその金額なのかも知る機会がない。そんな制度で国民主権が成立するのか疑わしくないだろうか。

この年末調整が象徴するように、日本では国と個人の間に会社が入ってくる。会社を通して国は個人を把握し、個人は福利厚生を受ける。この時点でおかしなことだと私は思う。

ただ、受け取りようによっては、会社が個人がなすべき計算を肩代わりしてくれる良い制度とも言える。だが終身雇用のもっと大きな罪は他にある。社会が変化に対応できないのだ。それこそが平成への悔恨であり、この30年で変わるべきだったポイントだ。

終身雇用が、産業の新陳代謝にブレーキをかけている

日本には今、再編が必要な産業がいくつもある。全産業で再編が必要と言ってもいいくらいだと思う。だが誰がどう見ても、内部の人びとも今のままでは行き詰まるとわかっているのに、再編は進まない。再編にはどうしても痛みを伴う必要があるからだ。その痛みを、日本の株式会社は負えないのだ。雇用を守る義務があるせいだ。そして再編が必要な会社の従業員たちも「今のままじゃいけない。うちの業界は変わるべきだ。ただしおれの雇用は守ってくれ」と平気で考えている。そんな従業員たちに責任を感じている社長は、自分が大ナタを振るって社員に恨まれるのは嫌だから、率先して再編に足を踏み出さない。

かくて、このままじゃダメなのがわかっているのに、誰も何も変えられないまま月日が過ぎていく。目端の利く若手社員は少しずつ歯が抜けるように辞めていくが、40代以上は身動きができない。終身雇用が続く限り、今いる会社が続けばいいと乞い願うだけだ。

これこそが昭和が残してしまった課題だ。そして平成で私たちはそれを解決できなかった。ずるずる先延ばしにしただけだ。

終身雇用が生んでしまう正社員と非正規という「身分」
終身雇用がもたらす問題には、もっと個人レベルのこともあり、そちらの方がより大きな問題かもしれない。終身雇用は新卒一括採用とセットだ。だから大学卒業時に「正社員」になれないと、一生なれない。これも日本人の精神性に大きな影響をもたらしていると思う。レールを一度外れてしまうと、もう戻れないのだ。新卒時に景気が悪いとたくさんの人びとが生涯非正規でしか働けない。こんなおかしな社会はないと思う。だからようやく今、就職氷河期の時代に正社員になれなかった人たちのことが問題として浮上している。

そもそも終身雇用だから正社員と非正規社員という不思議な身分のようなものができてしまう。新卒時に入った人は定年まで正社員でいられる。入れなかった人はずーっと非正規社員。封建社会と変わらない身分差別が平気で起こっている。レールさえ外れなければ人生安泰。だからこそ、レールを外れないような生き方になる。またレールから外れた人に猛烈に厳しい態度に出る。互いにチェックし合うような傾向も、終身雇用がもたらしているのではないか。

終身雇用により、家庭生活も縛られるし女性の社会進出の妨げにもなっている。これはまた長くなるので、別の稿で書きたいと思う。

昭和世代は残りの人生で昭和を解決する義務がある
長々と呪詛のような事ばかり書いてしまったが、私が言いたいのはここからだ。昭和の課題を平成で解決できなかったことに、昭和世代の私たちは責任がある。私のプライベートに絡めて言うと、私は私の子どもたちのために、昭和の課題を解決する責任があると思っている。子どもたちは成人したが、それでおしまいではなく、子どもたちのためにできること、なすべきことを私たちはやるべきなのだ。

一つには、各業界の再編を推進するのだ。それぞれの業界のあるべき姿を具体的なものにし、そこに向かって業界が進んでいくサポートをする。もう、自分がいる会社の利益とか、自分自身の雇用とか、そんな小さなことにこだわっている場合ではない。10年後20年後のあるべき像をイメージし、そこに向かってみんなを押していくのだ。

「あるべき像」はすでにわかっているはずだ。ただそこに至るには多くの痛みを伴う。自分自身も痛い思いをするかもしれない。だがちょっとだけズルいことを言うようだが、改革を推し進めた者は、あとでいい目にあうはずだ。敵も作るだろうが、味方の方がずっと多くできて共に動いてくれるものだ。だから恐れることはあまりない。

それに「痛み」と言っても、死ぬようなことではないし、収入が多少減っても意外にやっていけるもの。実は大して痛くもないのだ。何より、自分が痛い思いをすることで、子どもたちの行く末が明るくなると思えば、どうってこともないだろう。

もう一つの問題点、正社員と非正規社員の身分差別や、それに伴う個人のあり方、生き方の方は解決の道筋は難しい。またここで書かなかった家庭生活や女性の社会進出の問題はもっとハードルがありそうだ。ただ、若い世代を見ていると、すでに軽やかに歩いているように見える。若い世代はそもそも、終身雇用などアテにしてないのだと思う。だから自然と解決に向かっているのかもしれない。ただ昭和世代はそれを黙ってぼーっと見ているのではなく、少しでも手助けになるようなことをしてあげたいものだ。それでいいんだ!と力強く促してあげるだけでもずいぶん違うだろう。

私にとっての平成が大人として過ごした時代だったのと同じく、私の子どもたちにとって令和がそうなるのだろう。彼らが心豊かに令和の時代を生きていけるよう、できることをやらねばと思う。

昭和世代が平成にやり残したこと。解決すべきだったことを、これから少しずつこのブログで書いていきたい。私にとりあえずできる、やり方だ。時々気にして読んでもらえればうれしい。

※この記事はアートディレクター・上田豪氏と、5年前にシリーズで続けていた試み。記事を書いて挿し絵的にビジュアルをつくるのではなく、見出しコピーだけを書いたものに上田氏がビジュアルをつけて言葉とともにひとつの表現として完成させたもの。それをもとにあらためて本文を書く、というやり方をしている。ビジュアルを作成してもらうことで、ブログ記事の訴求力と伝播力が強くなる。コトバとビジュアルが組み合わさって起こる化学反応を示している。5年ぶりにまたやってみた。続きもやってみたいと考えている。

コピーライター/メディアコンサルタント
境 治
sakaiosamu62@gmail.com
@sakaiosamu

「アベンジャーズ」や「ゲーム・オブ・スローンズ」を日本は作りだせるのか〜SSKセミナー【令和時代の日本のコンテンツ輸出】〜

disney
あらためて思い知ったハリウッドシリーズ大作の奥行きとスケールの大きさ
連休中に映画館で「アベンジャーズ/エンドゲーム」を観た。ご存知の通り、マーベルコミックのヒーローが総動員されて壮大な戦いを繰り広げるハリウッド大作だ。「アベンジャーズ」とタイトルについたシリーズとして4作目、それぞれのヒーローが主役の関連作品まで含めると22作目。上映時間も3時間と、かなり見応えある作品で楽しめた。

私は実は、このシリーズを見くびっていて、これまで見ないで来た。ヒーローが全員集合するなんて馬鹿みたいに思えたからだ。最初のを観てないと次のがわからなくなるので、前作から見るのがめんどくさかったのもある。今回は、異様に盛り上がっているので「おさえておく」気になったのと、テレビ朝日が最初の「アベンジャーズ」を放送したのも刺激になった。「エンドゲーム」は前作の「インフィニティウォー」と繋がった物語だというので、それは配信サービスで事前に見ておいた。

馬鹿にしてたくせに見たらハマってしまい、この10連休は関連作品の制覇に取り組んだ。見れば見るほど、キャラクターの奥行きや、関係性も理解できて「あの場面であいつが言ったセリフは、この作品に伏線があったのか」などと感心したりした。

一方、私は「ゲーム・オブ・スローンズ」というテレビドラマシリーズにもハマっている。アメリカのケーブルチャンネルHBO製作で、中世のイギリスをモデルにした架空の世界で七つの王国が繰り広げる壮大な戦いが描かれる。何十人もの主要キャラクターが登場し、次々に殺され物語を退場していく。ドラゴンや魔法、氷のゾンビも登場しファンタジーの要素も強い。見応えがありすぎてたまらないドラマだ。こちらも、これまで7章が放送され、最終章が今放送中。日本ではスターチャンネルで放送されている。私はこの「ゲースロ」を娘に勧められて見るようになり、最新作が見たくてスターチャンネルに契約した。huluの契約者なら7章まで視聴できるので、興味ある方は見てもらうといいと思う。

ハリウッド大作の巨額の製作費をカバーする、世界という市場
「アベンジャーズ」も「ゲーム・オブ・スローンズ」も、見ればわかるが莫大な製作費をかけている。「アベンジャーズ」第1作目だけで2億2千万ドルだったと聞く。「ゲースロ」は1話に1千万ドルかけているとの噂だ。ハリウッドの普通の映画やドラマと比べて格段に高い。なぜそこまで予算をかけられるのか。答えはシンプルで、莫大な利益が出るからだ。「アベンジャーズ」第1作目はアメリカ国内だけで6億2千万ドル、世界全体ではその倍以上、15億ドルの興行収入を稼いだ。興行収入がそのまま製作側に入るわけではないが、仮に劇場や配給が10億ドル持っていったとしても5億ドル戻る。2億ドルが5億ドルになって返ってくるなんて普通の金融商品ではあり得ないだろう。だからアベンジャーズシリーズはメリルリンチの資金調達でスタートしたそうだ。莫大なリターンを想定して融資を受けられるから巨額の製作費がかけられる。

ここで注意したいのは、自国市場だけでは6億ドルだったことだ。2億が6億になればいいように見えて、劇場や配給会社の取り分を考えると金融的には旨みが今ひとつ薄いことになるだろう。メリルリンチも融資の二の足を踏んだかもしれない。だが世界興行で15億ドルになるなら話は別だ。この原稿のポイントはそこだ。スケールの大きなハリウッド巨編は、世界市場があるから製作できるのだ。自国市場だけでは、アベンジャーズは地球を出ることはできなかった。彼らが宇宙でのびのび戦えたのは、世界の映画ファンのおかげだったのだ。

テレビドラマも同じことだろう。資料がなく詳しい数字はわからないが、HBOのドラマシリーズは世界各国で見ることができる。だから壮大なファンタジーを映像化できるわけだ。自国市場だけではドラゴンも空を飛べず、魔法は効かなかっただろう。私のスターチャンネルへの契約料が、巡り巡ってドラゴンを飛ばせているのだ。

ひるがえって、我が日本の映画やドラマはどうだろう。宇宙や魔法どころか、日本の小さな世界から出ることはない。しかも、警視庁や弁護士事務所、東京の会社や家庭が舞台だ。”壮大な”世界に出ることは決してない。何故ならば日本の映画やドラマは、世界で市場を作れていないからだ。

放送コンテンツの海外展開は業界のホットイシュー
映像コンテンツ産業が世界市場に出ていないことへの苛立ちは、霞が関でも感じているようだ。2018年6月に提出された規制改革推進会議の第3次答申の中でも、「グローバル展開・コンテンツの利活用」の項目が設けられ、「放送コンテンツの海外展開の支援」が求められた。そうだ、上述の通り、日本の映画やドラマは海外に展開できていない。ハリウッドのように世界市場を確立できていないのだ。

ただ、この方面にある程度アンテナを張ってきた私としては、進んでいないというより、ようやく進みはじめたように受け止めている。佛教大学の大場吾郎教授の労作「テレビ番組海外展開60年史」を読むと、日本のテレビ局は60年代には早くも海外展開に緒をつけていたことや、実は90年代には展開が開けそうな状況だったことがわかる。だが2000年代以降、なぜか進捗は止まった。

それが近年、あらためて海外展開が盛り上がる空気が漂っている。いろんな要素がありそうだ。長らく日本の放送に関与する人びとが「配信」に理解がなかったのが、さすがにビジネスのアウトプットとして意識するようになったこと。海外展開というとパッケージ販売と思いがちだがフォーマット販売やリメイク権販売など多様なビジネスも広がってきたこと。そして実際に”売れた”事例が出てきて、業界内でも知られるようになっていることもある。さらに今、ローカル局も事業目標の一つとして海外展開を掲げるようになり、うまくいった事例も見受けられるようになったのも大きいだろう。海外展開は、キー局ローカル局を問わず、放送業界のホットイシューになっているのだ。

とは言えまだまだ、放送コンテンツの海外展開について、知られていないことの方が多いだろう。どこに課題があり、どうすれば乗り越えられるのか。それを共有することは放送業界の喫緊の課題と言っていい。

海外展開の知見が豊富なメンバーによるセミナーを5月29日に開催!
そこで私は、SSK新社会システム研究所の企画として、放送コンテンツの海外展開をテーマにしたセミナーを立案した。以前からお付き合いもある、3名のパネリストを迎えて海外展開に関する知見を披露してもらう。また4月にカンヌでMIPCOMが開催された直後でもあり、そこでの最新動向もお聞きしたい。さらには、この秋にDisneyとAppleがそれぞれ新たなSVODサービスをスタートする中、配信市場の第2ステージが訪れることでどんな変化が起こるかも議題にしたい。そしてもし可能なら、放送コンテンツの海外展開の日本の成功モデルはどんな形かも議論から見出したいと考えている。

SSKセミナー申し込み

パネリストは以下のお三方だ。
佛教大学 社会学部教授 大場吾郎氏
TBSテレビ メディアビジネス局 海外販売事業部 担当部長 杉山真喜人氏
日本テレビ 海外ビジネス推進室海外事業部 次長 西山美樹子氏
大場教授は先述の著書をはじめ、このテーマを長らく研究しているが、実は以前は日本テレビの社員だった。内側の視点も持つ研究者としてその意見は貴重だと思う。杉山氏は何と言ってもTBSの「SASUKE」を世界中に売ってきたベテラン。フォーマット販売の分野を切り開いてきた第一人者だ。西山氏は番組制作の現場を経て、近年の日本テレビの海外展開をリードしてきた。「Mother」「Woman」などのリメイク権をトルコなどに販売し、新しい手法とルートの開拓に成功している。

杉山氏や西山氏などの活躍を遠くから見てきた私としては、日本のコンテンツの海外展開は進んでいると力強い実感を持っている。同時に、まだまだ課題も多く乗り越えるべきハードルの高さも見知ってきた。ただ、ここ数年で目に見えて実績が上がっているように思う。数字ではまだ小さいかもしれないが、耳に入る具体的な良い情報が増えているのだ。日本のコンテンツは今、確実に世界市場に踏み出していると思う。それを広げていく一助に、このセミナーがなればいいという思いだ。興味ある方はぜひ以下のリンクから申し込んでもらいたい。そしてあなた自身の活動に役立ててもらえればこんなにうれしいことはない。
セミナー申し込みページはこちら→SSKセミナー「【令和時代の日本のコンテンツ輸出】テレビ局海外展開の最新動向と将来像」

日本発の「アベンジャーズ」が、「ゲーム・オブ・スローンズ」が近い将来、世界中の人びとを楽しませる日が来ると私は信じている。一歩一歩進めば、決して絵空事ではないと思うのだ。

 
 
 
 
 

MyTwitter
Twitter、フォローをどうぞ。


 

書影

https://www.amazon.co.jp/dp/4479796827/←Amazonの書籍ページはこちら

 
 
 
 
 

※筆者が発行する「テレビとネットの横断業界誌Media Border」では、放送と通信の融合の最新の話題をお届けしています。月額660円(税別)。最初の2カ月はお試しとして課金されないので、興味あればご登録を。同テーマの勉強会への参加もしていただけます。→「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」はこちら。購読は「読者登録する」ボタンを押す。

テレビとネットの横断業界誌MediaBorderのFacebookページはこちら
cover

What can I do for you?
sakaiosamu62@gmail.com
@sakaiosamu
Follow at Facebook

ミドルファネルの喪失、という広告の大問題

ファネル
ファネルとは「漏斗」のことだ。広告コミュニケーションを組み立てる上で、まず商品を認知させ、興味関心を持ってもらい、比較検討してくれて、購入にいたるよう設計をする。初めは広い間口から徐々に人数が絞られていく逆三角形が漏斗のようなので、ファネルと呼ばれる。パーチェス(購買)ファネルとか、マーケティングファネルとか、様々に呼ばれるが基本構造はどの呼び方をされても同じだろう。

上の図のように、一昔前のマスメディア時代は主にテレビが認知の役割、新聞雑誌が真ん中の興味関心、比較検討を受け持ち、最後に店頭で購入する、と解釈できた。クルマで言うと、テレビCMでプリウスというクルマがありハイブリッド車という発想なのかと認知し、新聞広告でその考え方や構造を知り、クルマ雑誌の広告でもっと具体的なスペックを知り、販売店に出かけて購入する。そんな流れになる。すべての商品ですべてのケースがこうなるわけではないし、その間にパブリシティも微妙に関与するので実際はもっと複雑だが、簡易化すればこうなる。基本的な考え方と思っていいだろう。

ところがこのファネルが今、崩壊している。具体的には、ファネルの真ん中が消し飛んでいる。そのことを「ミドルファネルが失われている」との言い方で最近表現されているようだ。

というのは、新聞と雑誌の紙媒体が前より読まれなくなり、広告コミュニケーションから外されているのだ。昔は新製品発売時にテレビスポットを打ち始め、その当日に新聞15段広告を打ち、それ以降各雑誌に広告が出る、というのが常識だった。でも今は新聞雑誌の読者が激減してしまった。もうコミュニケーション設計の中にファネルの真ん中がなくなってしまったのだ。
ミドルファネル喪失

ところが、ここが大問題なのだが、このミドルファネルの喪失を多くの企業が真剣に気にしてこなかった。この10年間ほどかけて進行したこの「喪失」を、他の手法で埋めることなく、何の対策も講じられないまま企業も広告業界もやってきてしまった。今になってようやく多くの人びとが気づき、話題に上るようになってきたのだ。

ミドルファネルがないままだと何が問題だろう。もちろん、認知と購入だけで済むこともままある。100円程度でスーパーなどでたくさん売られる食品や飲料などはないならないでいいのかもしれない。実際、新しいビールが出たのをテレビCMで知って近所のスーパーに置いてあれば、一度飲んでみるかと手を伸ばすかもしれない。それでいいなら、それでいい。

ただ、その手の商品もミドルファネルがないままだとコモディティ化してしまう懸念はある。ペットボトルのお茶で「おーいお茶」と「生茶」と「伊右衛門」と、どれにしようか真剣に悩む人は少ないのではないか。「どれでもいいか」とぞんざいに選んでしまうだろう。「どんなブランドか」興味関心を引くプロセスがなくなってしまったからだ。

2年前の春、クルマを買い換えた。それまでムダに外車に乗ってたのを、息子も免許を取ったし国産のハイブリッド車にしようと思った。ところが、テレビCMでいくつかの車種の認知は頭にあったものの、比べて選べるほどそれぞれの車種のことを知らない。そこでネットでいろいろ検索することになる。だがあまりにも情報が溢れていて、かえってわからなくなってしまった。10年前までなら、ある程度の車種の知識やイメージは自然と頭に入っていた。新聞雑誌広告を通して見るともなく見ていたからだ。自然にメディアを読んでいると接触するのが広告の効果だ。だが今の私に、テレビCM以上にクルマの情報に接する機会は皆無になっていたのだ。ネットで検索したら途端にあらゆるメーカーのクルマのバナー広告がしつこく出てきて嫌になった。今の広告コミュニケーションは自然と買いたくなる流れができていないどころか、嫌いになるために設計されているとさえ言える。

ミドルファネルが失われていることを、最初に指摘したのは私の知る限り、JIAA日本インタラクティブ広告協会が作成した「ネイティブ広告ハンドブック」だった。当時の騒動も含めてそのことを書いたブログ記事がこれだ。
「ネイティブ広告ハンドブック」はライターなら読み込んだほうがいい。それがなぜかを解説しておく

2016年11月に書いたものだが、今もハンドブックのURLは生きているのでぜひ読んでもらうといい。「態度変容」もキーワードで、今の広告の課題が理解できる。

さて「失われたミドルファネル」はどうやって埋めるべきか。一つの答えがネイティブ広告なのだが、私が新著「爆発的ヒットは”想い”から生まれる」で書いているのは「情報発信とSNSによるコミュニティ」という回答だ。

ミドルファネルにコミュニティ

とりわけ新しいことを言っているわけではない。今はテレビCMを展開することと、SNSやネット媒体で話題作りを行うことが並行して行われていると思う。ただ、コミュニティ形成と定義して、ファネルの真ん中に置くことがポイントだと考えている。ネットでの話題作りをどう役割づけするか。ネットで話題を作ると商品に注目が集まるから、という程度では見誤るのではないだろうか。その話題作り、商品への注目集めを、ファネルの中で捉えることで、見えてくるものがある。最たるものが予算だ。新聞雑誌をミドルファネルに置いていた時代は、テレビの予算の半分以上を使っていたはずだ。ということは、今も「ネットでの話題作り」に新聞雑誌に投じていたのと同じくらい予算を割いてもいいはずだ。

ところが、ネットでの施策はなぜか大きな予算投下に躊躇する。「でもネットでそんなに?」と腰が引ける。ネットには大きな予算を使うものではない、という根拠のない常識が蔓延してしまったからだ。先日取材した、ある成功例を持つ企業のマーケティング部門の方は、「テレビと同額をネットに使います。新聞雑誌はゼロです」と言い切っていた。

私が今、皆さんに大きな声で言いたいのはミドルファネルの喪失を、コミュニティ形成で埋めるべきということと、そこに過去の新聞雑誌くらいの予算を投じるべきだ、ということだ。

そんなことを話すセミナーが4月16日に開催される。日本マーケティング協会の主催で、前半は私が上のような講演をし、後半では電通メディアイノベーションラボ統括の奥律哉氏をゲストに、インテージ深田航志氏をモデレーターにディスカッションを行う。もし興味あったら来てください。ちとお高いけど、連絡くれれば会員価格で参加できるようにします。

20190416big
→日本マーケティング協会:4/16「境治氏出版記念セミナー」申し込みサイト

 
 
 
 
 

MyTwitter
Twitter、フォローをどうぞ。


 

書影

https://www.amazon.co.jp/dp/4479796827/←Amazonの書籍ページはこちら

 
 
 
 
 

「爆発的ヒットは”想い”から生まれる」に込めた想いは広がるだろうか

IMG_0606
2月に発売された拙著「爆発的ヒットは”想い”から生まれる」。順調に売れているようである。ただし私のお友達の間では。ありがたいことに、Facebookでつながっているみなさんが「買いました」と書店の陳列や手元に置いた写真を投稿してくださっている。うれしい。いくら感謝してもしたりない。

では一般に売れているかというと、まだよくわからない。というより、まだ大して売れてはいないようだ。それはそうで、私は出版界ではさほど有名ではないし、この本も狭い範囲といえば狭い範囲に向けた内容で、例えば80代後半の私の母が読んでもさっぱりわからないだろう。年齢の問題ではなく、エンタメやヒット現象、そしてマーケティングに興味がないと何のことやら、という本だ。だからどこの書店も、入っていきなりドーン!と、でもなく、ビジネスコーナーの奥の「マーケティング」と表示された棚に、今はまだ出たばかりだし大和書房の出版社としての実績もあるのでそこそこ目立つ感じで置かれている。本の「置かれ方」が大事で、うまく狙っている層に引っかかってもらえるように「置かれる」ことを作るときに考えねばならないのだ。

狙い通り置かれたとしても、やはりプロモーションしないと売れない。私の本はある面、どうプロモーションしたら物が売れるか、ということもテーマにしている。だったら自分の本のプロモーションもここに書いた通りにうまくできないと恥ずかしい。自分の本に書いたことの信憑性は、自分の本を売ることで証明する必要があるのだ。くうう。大変だなあ。

そしてこの本で書いたのは、想いを伝えろ、さすればヒットにつながるのだ、的なことだ。ずいぶん乱暴なことを書いたものだが、そうするとそれを実証するには、想いを伝える必要がある。

というわけで、想いを直接みなさんに伝えるべくイベントを続々企画中だ。ここに示したのが、そのリスト。
イベントリスト

一つずつ説明していこう。

●3月8日 「でじめ会」@大阪P-Cube
「でじめ会」とは関西の新聞社やテレビ局の人びとを中心に、「デジタルメディア関西の会」という、言ってみれば旧メディアの人たちがネットのことを学ぼうという勉強会らしい。だから基本的にはメディア関係者向けなのだが、そうじゃなきゃダメということではないそうなので、入会するかは置いといて行ってみたいという方はこちらへ→事務局メールアドレス
そういう場なので、本の話とともに「いまテレビメディアが迎えているパラダイムシフト」についても話します。そっちも重要。つまりそのあたりにも興味ないとつまらないかも。
ちなみに事務局のP-Cubeの取締役、池田由利子さんとは相澤冬樹との関係で知り合った方。そっちの話は長くなるのでまた別の回に。

●3月9日大阪ジュンク堂本店 Yahoo!ニュース個人フェア記念トークイベント
これはちょっと面白い趣旨のイベント。私はYahoo!ニュースで個人として記事を発信している。その「Yahoo!ニュース個人」がこの3月に書店との提携強化策として東京・関西の丸善とジュンク堂にオーサー専用の棚を設置するという。私に限らず、Yahoo!ニュースに書く人には著書を持つ書き手も多いので、その著作がずらりと並ぶのだろう。
その一環で、大阪ジュンク堂でトークイベントをやってくれる。新著を出したばかりの私にも声をかけてくれたというわけだ。
大阪を愛する身としては願ってもない話で、一も二もなくお受けしたのだが、考えてみると大阪で私を知る人は業界外ではいないだろう。その上、書店の一角かと思ったら”堂島アバンザの6階C会議室”での開催だそうだ。会議室?来てくれるのかなあ。
そんな不安におののく私をかわいそうだと思ってくれる関西の方、ぜひいらしてください。本を買った人にはサインすることになってます。
詳しくはこちらを読んでね。→ジュンク堂の告知ページ
ちなみにサインは、ちゃんとしたものを作ってある。正確にいうと作ってもらった。

SY-1501

「署名ドットコム」というサービスで、意外に安価で作ってもらえる。これをせっせと練習して書くのだが、なかなかこの通りに書けない。まあ大阪に行くまでにはさらに練習するので、はい、頑張ります!すでに買った方も参加できるイベント(だと思う)ので、とにかくみなさん来てください。よろしくねー!

●3月14日 二子玉川蔦屋書店トークイベント ゲスト:「カメラを止めるな!」プロデューサー市橋浩治氏
あのおしゃれスペース蔦屋書店の二子玉川店でトークイベントをやらせてくれるというので、「カメ止め」プロデューサー市橋氏をゲストにお招きすることにした。ちょうど「カメ止め」も日本アカデミー賞からのAbemaTVでのスピンオフからの金曜ロードショーでの放送へと再び加熱すること間違い無いので、その熱も冷めやらぬうちにイベントができてナイスなタイミングだ。
市橋氏には前にもセミナーに来てもらっている。その時は業界向けのセミナーだったので割と真面目にヒット分析をした。実はその時にうかがった話をかなり本に入れ込んでいる。「カメ止め」のヒットの実際は、市橋氏への取材なしではまとめられなかっただろう。
このイベントでは、本に書いたことよりさらに掘り下げ、「想い」についてうかがおうと思っているが、正直内容は当日までわからないかな?
イベント紹介はこちら→蔦屋書店のイベントページ

というところでエネルギーが尽きたので、イベント紹介前半はここまで。次回に後半の解説をする。後半もまた面白そうだなあ!

MyTwitter
Twitter、フォローをどうぞ。


 

書影

https://www.amazon.co.jp/dp/4479796827/←Amazonの書籍ページはこちら