この国のルールは空気でできている。〜福岡市職員禁酒令と虚構新聞事件〜

皆さんもうご存知だと思うけど、福岡市で職員の飲酒による不祥事が続出し、市長が職員に一カ月の”外出先での禁酒”を要請したそうだ。なんてこった・・・

なんてこった、と呆れ口調で言ったのは、福岡市職員がまたやらかしたことを言っているのではない。市長が禁酒を要請したことに呆れている。

ぼくは福岡市出身で、いまも実家があり母親と姉夫婦が住んでいる。中学から鹿児島で寮生活だったので、福岡市にいたのは小学生まで。正直、あまりよく知らなかったりする。でもいい街だ。食い物がうまいし、適度に都会だし。

一方、筑豊を背中に持ち、福岡はどこか荒くれ男の街でもあったりする。暴力団による発砲事件も多い。下手すると、モラル低いのかもしれない。市の職員も、そういう土地柄を引きずっていると言われかねない。福岡出身者としては、恥ずかしい。

だから謹慎しろと言いたくなるのもわかる。でも、それとこれとは話がちがうと思う。市長が職員に禁酒を言い渡すのは、いったい何が根拠なのか。どんな法律や条例があるというのか。まったくもって論理性に欠ける。発想としておかしい。この国は、法治国家ではないのかよ。

ぼくが職員だったら、市長にそんな権限はない、と声をあげたくなると思う。でもあげられないとも思う。この状況で、職員の立場から不満を言えないだろう。不満の根拠が、酒を飲めなくなるのはイヤだから、ではなく、禁酒を市長が職員に言い渡すのが不合理だから、だったとしても、それを口に出して言えない。

結果として、何ら法的根拠のない不思議な”お願い”が事実上、命令として通ってしまうのだ。

そんなことで、いいの?

少しちがうけど、どこか似てるんじゃないかと思うのが、先週の虚構新聞デマ事件だ。橋下徹大阪市長が、小学生にTwitterとFacebookを義務化した、というニュース。当然真っ赤なウソなのだけど、橋本さんなら言いかねない、ということで、あっという間にバズった。そして信じちゃった人も出てきた。

信じちゃったりもするだろう。何しろ、虚構新聞だ。ウソついてるんだから、信じちゃったら「あれ?信じちゃいました?なは!」てなことだ。これに対し「ちっくしょー!まんまとひっかかっちゃったぜ、虚構新聞め、もう騙されないぞ!」と小気味よく地団駄を踏むところだろう。

だって虚構新聞なんだから。

ところが、中にはマジで怒り出す人もいたらしい。「信じたじゃないか、どうしてくれる!」と鼻息をふん!と鳴らしながら怒っている人がいるという。怒るだけならまだしも、「ネット利用はもうかなり普及しているのだから、デマを発信する虚構新聞などというサイトはあってはならない。時代を読め。わきまえろ」てなことを言う人もいるようだ。

ぼくには、何を言っているのかわからない。虚構新聞はその名前からしてすでに「ここに書いてあることはウソです」とメッセージしている。その虚構新聞に「このウソつきめ!」と怒っても「あ、でも、虚構新聞なもんで・・・」ということだろう。

さらに、「サイトを閉じろ」と言うのは、まったく意味がわからないし、意味がない。法律を犯してるならともかく、閉じろ、と言うのは、根拠がわからない。

日本が太平洋戦争に突入してしまったのは、軍部が暴走して国民はそれを止めたかった、わけではなく、日本中が「鬼畜米英滅ぼすべし!」とう空気で包まれ、誰もそれをおかしいと思わなかったからだ。ヒトラーやムッソリーニみたいな独裁者が戦争へ扇動したのではない。国民同士て空気を形成し、戦争を互いに煽ってきたのだ。

いま、イヤーな空気がこの国を包もうとしている気がする。ルールもへったくれもなく「はい、あんたダメー!」と否定しあう。何かあると、とにかく否定する。ダメ!とカンタンに言ってのける。そんな空気がもあもあと、ぼくらを包みはじめている。

イヤな空気に包まれた国は、イヤな国だなあ。そんなことじゃイカンよね、皆さん!

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