大元隆志さんという方を知っているかな?このブログの読者の皆さんなら、けっこうな確率でご存知だと思う。IT企業の社員でありつつ、ITジャーナリストとして言論活動もされている。本も出版していて「ソーシャルメディア実践の書 ーfacebook・Twitterによるパーソナルブランディングー 」という本はソーシャルメディア界隈では話題になった。それからそれから、ASSIOMAというブログサイトも運営している。
その大元さんが昨年から「ソーシャルカンファレンス」という催しをはじめた。去年2011年は”スタートアップ×クラウド×ソーシャル”というテーマを掲げ若い企業のプレゼンテーションをメインに、多彩な人びとが登壇した。なかなか盛況なイベントになった。
そのソーシャルカンファレンスが今年も開催されるのだけど、三部構成のうちの第二部を、なんとぼくが担当することになった。大元さんとは去年の初めに知りあって以来、境塾にも参加してもらったり時々飲んだりと、交流してきた。まあだから、今年のソーシャルカンファレンスに”境塾”的な内容を入れてちょうよ、ということなのですわ。ソーシャルメディアがあらゆる分野に関わりを持とうとしている中、テレビ×ソーシャルでイベントやってよ、と。
ちょうどぼくもこのところ”ソーシャルテレビ”をテーマにしてきたし、地デジ化完成からそろそろ一年が経つので、これまでとこれからを考えてみたいと思っていたのだった。
この一年で、ソーシャルとテレビはぐいっと近づいた。思い返してみると、少なくとも2010年まではテレビとソーシャルはとても相容れるものになりそうになかった。なんと言ってもまずテレビ局がソーシャルを拒んでいた。番組にソーシャルを取り入れるなんてありえないことだったし、社員がTwitterやってるのも好ましく捉えられてなかった。NHKやTBSのTwitterアカウントが人気を得ていたものの、全体としては積極的ではなかった。YouTubeなんか完全に敵扱いで、あそこに映像を出すなんて!というムードが大勢を占めていた。
震災がまず、この対立関係を融和に向かわせた。震災直後に、ある中学生がネットでNHKの映像を流した。これを例外的にだがNHKが公認した。ある意味、歴史が変わった瞬間かもしれない。
その後の動きは、このブログで伝えてきた通りだ。途中にフジテレビ抗議デモのような逆流的な現象も挟みながら、大きな流れとしてはテレビとネットは次々に融合を具現化してきた。というより、テレビの側がネットの力を利用すべきだと気づき、それを実際に形にしはじめた一年だったということだろう。
一方で、どうやらこの一年でメディアと個人の関係も大きく変化したようだ。アスキー総研の遠藤所長のコラムで「戦後最大のメディアのイス取りゲームが始まっている」と題した記事があったように、驚くべき変化が起ころうとしている。
遠藤所長はちょうどこの土曜日、5月12日の朝放送の『新・週刊フジテレビ批評』に出演して、さっきの記事で使った”メディアのイス取りゲーム図”をもとに話をしていた。番組の中で、コラムからさらに踏み込んだことを言っている。まず「タブレットの特性はテレビと似ているのではないか」と言うのだ。ソファに座ってゆったり映像を眺める端末、という意味ではテレビとタブレットは極めて近い。これはiPadが発売された頃、ぼくがこのブログで書いていたこととちょっと近い。
さらに遠藤さんは突っ込んだことを言う。テレビのデジタル化は、テレビがネット的な存在になっていくということ。ということは、ネットのようにコストをかけない方向に向かうことになる。その上で、でもテレビ番組はプロが作るコンテンツとして、制作費はかけるべきなのかもしれない。番組の数を減らすなどのやり方もあるだろう。その分、社屋はいらない、とかね、てなことを言う。
無駄な部分への経費は思い切って削り、予算配分にメリハリをつけていく、ということだろう。これもよくわかるなあ。
こうした文化の変換を促すのも、ソーシャルメディアなのではないかとぼくは思う。これは『テレビは生き残れるのか』に書いたことと近い捉え方だ。
話がちょいそれた感もあるけど、ソーシャルカンファレンス2012でぼくが担当する第二部では、遠藤さんをお招きし、テレビのソーシャル化を具現化してきたNHKの倉又さん、日本テレビの安藤さんをゲストに、こうした話を展開していきたいと考えている。
面白そうだよね!たぶん面白いよ!
行きたいぜ!参加したいぜ!って方は、このリンクを押して「ソーシャルカンファレンス2012参加お申し込みフォーム」に必要事項を記入して応募しよう。人数が多い時は抽選になるそうだ。去年より定員が少ないので、ご注意を。
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