日本映画は生き残れるのか〜モテキのヒットは何かの予兆か?〜

前々回の「配給会社にはカラーがある」の記事に続いてまた映画の話に戻るよ。この記事の最後に「新しい流れがはじまろうとしている」と書いた。それは、『モテキ』の公開が迫っていたからだ。この映画は、その”新しい流れ”のひとつだと感じとっていたのでね。

さてその『モテキ』。公開3日目の25日の日曜日に、さっそく見に行った。高校生の息子を誘ったのだけど、友だちと遊びに行くと振られ、ひとりで。残念だったな我が子よ。面白すぎるくらい面白かったぞ!

『モテキ』の魅力については、他の人のブログに譲ろう。とにかく稀にみる面白さ。ドラマも良かったけど、スクリーンにめいっぱいのエンタテイメントがあふれ返っていた。スペクタクルな映像じゃなくても、映画の楽しさは十分に出せるんだね。

ぼくがここで『モテキ』についてとりあげたいのは、テレビ局映画だけど、いままでのテレビ局映画ではない、という点だ。

興行成績が楽しみだったのだけど、火曜日にいろんなところで発表された。シネマトゥデイのこの記事によれば、「アンフェア the answer」には及ばず2位だったそうだ。ただ、土日の興収2億4,578万円、祝日だった23日からの3日間では3億8,896万だったという。立派な数字だ。「アンフェア」という強敵がいなければ、十分1位に立てただろう。

『モテキ』の映画館では、若者でいっぱい。こんなに若者だらけの座席もなかなかないだろう。でもそこが『アンフェア』を抜けなかった理由。老若男女を呼べないと、ホントのヒットにはなりにくい。

話を戻すと、”いままでのテレビ局映画ではない”と言うのは、テレビ局がテレビ東京だからだ。実写映画ではもっとも実績が薄かったのがテレビ東京。そもそも、ドラマ枠が少ないのだからそれも致し方ない。そのテレビ東京×東宝の作品が堂々のヒット作になった。そこが”新しい流れ”なのだ。

そういう目で見ると、こないだの週末のランキングは象徴的だ。1位が『アンフェア』2位が『モテキ』そして3位が『探偵はBARにいる』。

1位の『アンフェア』。2000年代にテレビ局映画のヒット方程式をつくりあげたフジテレビ×東宝作品。2位は”新しい流れその1”としてのテレビ東京×東宝作品。そして3位は少し前のこのブログで書いた、”新しい流れその2”東映作品『探偵はBARにいる』。日本映画の”流れ”が凝縮されたランキングとなっている。

『モテキ』は日本映画の新しい流れ、という側面だけでなく、コンテンツビジネスの新しいサンプルでもある。ドラマの時点で製作委員会方式をとっているのだ。

製作委員会方式?って頭に「?」が浮かんじゃった人は『テレビは生き残れるのか』を読めば説明が書かれている。いや、本を買えと言いたいんじゃなく、ここで説明すんの大変なんだもん。えーっと、複数のメディア企業が共同で出資してリスクヘッジ+互いの相乗効果を狙った仕組み。映画では普通なんだけど、ドラマでは珍しい。ドラマの場合は、放送時に入る広告収入で制作費をまかなう。そうするとほぼテレビ局だけのものになる。

ドラマを製作委員会方式でつくると、出資した企業みんなのものになる。その際の約束によっては、そのテレビ局やその系列ネットワークに縛られずに済む。系列外のローカル局が放送したいと言ってくれればどこでも放送権を売れる。コンテンツ自体が自由にビジネスできる。

ドラマ『モテキ』はそうやっていろんな局で放送された。テレビ東京は主要都市しかネットワークされてないのだけど、ネットワーク外の局が放送してくれることで認知度が高まった。ドラマの放送が映画のプロモーションになっていったのだ。そこが、新しい戦略。

うーん、むにゃむにゃ・・・もっと書くべきことはあるんだけど、眠たいので、続きはまたそのうちね・・・

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