くどいけど『テレビは生き残れるのか』の話

ブログを引越したところで、いまのぼくの活動(言論人としての?)を整理してご紹介しておこう。

まず、『テレビは生き残れるのか』と題した書籍をディスカヴァー・トゥエンティワン社から出版した。(ここをクリックすればアマゾンのページに飛びます)

この本は、このブログ「クリエイティブビジネス論」で書いてきたことを、映像メディアが今後どうなるかを軸にまとめたもの。”まとめた”と言っても結局、ほとんど新たに書き起こしたのだけどね。

目次と内容を紹介すると・・・

第1章 映像ビジネスはビジネスだったか
この章では、映画やアニメーション、番組制作、CM制作といった映像ビジネスがどういう状況でどういう課題を抱えているかを説明。映画のビジネスモデルの解説もしている。そして日本ではどの映像ビジネスもテレビ広告費を原資としてきた点を指摘している。

第2章 20世紀は映像メディアの世紀だった
日本のテレビ放送ビジネスが高度成長とともに発展し、だからこそいま重大な転機を迎えていることを語っている。ということは、放送だけでなくすべての映像ビジネスが危機に陥っているわけだ。

第3章 ソーシャルとスマートデバイスが映像ビジネスを変える
ソーシャルメディアとスマートデバイスが今後の映像ビジネスを構想する上でいかに重要なファクターかを語る。ここ、ソーシャルやスマホを使っていない人にはなかなかわかりにくいことなのね。

第4章 ミドルメディア時代の映像ビジネス
マスメディアオンリーの時代から、ミドルメディアという捉え方が重要な時代になっている。その中で映像ビジネスは何をどうできるのか、語っている。

第5章 ソーシャルクリエイティブとでも呼ぶべきもの
ある意味、いちばん重要な章。クリエイターとはそもそも何なのか、これから何を考えていくべきなのかを考察。作り手の今後の有り様を想像しているのです。

終章 テレビはこれから生き残れるのか
で、結局テレビは生き残れるのか。生き残れるけどいままでとは大きく形や発想を変えなければならない。変える軸はどういう点かをけっこう経営視点、俯瞰の視点で書いている。

つまりテレビはどう変わるのかについてを書いている。ここで言う”テレビ”には実は2つの意味があるのがミソ。

”テレビ受像機”という意味と、”テレビ放送”という意味。これまでの受像機はほとんど放送を視聴するための機器だった。テレビ放送を視聴するために生まれたのがテレビ受像機で、これまではそれをワンセットで”テレビ”と呼んでいた。

そしてこれから起こる変化とは、受像機に映すものの中で放送の割合がどんどん減る、ということだ。これまでだってゲームやDVDを映せるようになっていたけど、これからさらに多様なコンテンツが映せるようになる、ということ。それを象徴的に語るキーワードが”スマートテレビ”だ。

それは楽しくなりそう。可能性がふくらみそう。創造の場として豊かに広がりそう。・・・ところが、ぼくたちはこれまで、あまりにもテレビ放送に頼って生きてきた。テレビ放送に大量の広告費が集まり、それを分配する形でやってきたのが映像業界なのだ。

だから、楽しい未来の前に、しんどい現在がやって来ようとしている。しかもそうとうしんどい!

それでもぼくたちが、創造することに向き合っていくのなら、何をどうすればいいのか。そんなことを書いているのです。

さあ、みんなで考えなきゃね。そしてそれを、実行しなきゃね!

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