○○狩りばっか互いに仕掛ける、哀しい国になっちまった

金曜日は大阪工業大学に行って講義をしてきた。そのことについて、そしてその夜に大阪で出会ったソーシャル友だちについて、などなど書くつもりだったのだけど、それはまた明日にでも書こうと思う。

それより、なんだかすごく哀しい気持ちになったので、そのことを書くよ。

みなさん知っての通り、土曜日に鉢呂経産相が辞任した。

大臣の辞任に慣れきっちゃってる時点で相当哀しいことだと思うのだけど、その顛末を見ていて哀しくなったんだ。

辞任の理由は、これもみなさんご存知の通り、1:福島の原発事故の視察に行った感想として、現地を”死の町”と表現した。これは被災地の方々の気持ちを傷つけた。2:記者達との懇談の中で、防護服を記者になすりつける仕草をして「放射能つけるぞ」と言った。これは原発事故をネタにふざけたと言える。この2つということだ。ただし、1つ目については本人もその日のうちに認めて撤回・謝罪している。一方2つめについては、辞任会見でも言った記憶がない、などとして、認めてはいない様子だった。

そして、この2つの”失言”。まず「死の町発言」はそこだけ取り上げて「あの大臣、原発事故周辺の町を”死の町”って言ったんだぜー!」と言われると「まったくこの不謹慎野郎!」と感じてしまう。でも、実際のこの時の会見を見ると、そんなに悪い発言とも思えない。もちろん何の問題もないとは言わない。よく考えるといい表現とは言えないかもしれないとは思うけど、指摘されて謝ればそれでいいんじゃないだろうか。

それから2つ目の方は、どうもよくわからない。新聞で読んだ時もよくわからなかった。そしてこっちは、その場面をリピートできないのだ。懇談の場、なのでカメラも入っていないのだから。

ぼくははっきり思う。この2つの失言は、失言になっちゃったのだ。いや、少なくとも、失言を”大失言”にマスメディアが仕立てたのだ。辞めるほどでもない、謝れば済んだはずの失言を、「こんなこと言うやつ辞めた方がいいよな、な、な!」というニュアンスで報道しているんだ。

さらにだ。

鉢呂氏辞任の会見のフルバージョンがネットでは見ることができる。詳細な書き起こし記事もある。

BLOGOSのこの記事(元記事はジャーナリストの岩上安身氏)には詳細な書き起こしテキストが掲載されている。それから、このYouTubeの動画を見ると一部始終がそのまんまわかる。動画の7分前後で大臣につっこんでいる記者がいる。その言い方があまりにも乱暴なので驚いた。いくらなんでも、こんなに失礼なものの言い方をするのだろうか。

「説明しなさい」と命令調で言っている時点で相当失礼だなと思うのだけど、しまいには「何を言って不審を抱かせたか説明しろって言ってんだよ」とまで言う。別の記者が咎めたほどだ。

大臣が失言して辞任するなら、社会人としてあるまじき暴言を吐いたこの記者にも何らかペナルティが課せられるべきではないの?いやホントに、こんな言い方をしたら普通はものすごく怒られるんじゃないのかなあ。

ぼくは少し前に「ネットはなぜマスメディアに腹を立てるの?」と題した記事を書いたけど、これじゃあ腹を立てられても仕方ないよ。そんなことしてるから、”マスゴミ”とか言われちゃうんだよ。

などと嘆いていたら目に留まった。「鉢呂前経済産業大臣に暴言吐いたのは馬場茂記者??」というTogetterまとめ。ぼくと同じように暴言吐いた記者に怒ってるんだろう。でも、今度はその記者を特定しようとしている。しかも”馬場記者だ”と決めつけるTweetをばんばん交わして、結局ちがうってことがわかった。

なんだよ、さっそく魔女狩りしてるよ。

ぼくたち日本人は、あんなにひどい災害が起きても秩序正しく生活できる、謙虚でモラルの高い民族だったんじゃないの?こんなに下劣な揚げ足取りばかりをお互いにする哀しい、卑しい国民だったの?もう、ネットもマスコミもないよ、同類だよ・・・

まあでも、@higekuma3がこのブログで書いているように、失言と言われても上手に切り返してればちがったのにね。こういうウィットを効かせられないのも、哀しい国だなあ・・・

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