今日はブログはお休みしちゃおうかなあと思ってたんだけど、Twitterで接したニュースにびっくりし、その流れで@higekuma3と大笑いしながらTweetのやりとりして、なんか目がさえてきたのでやっぱり書くことにした。
さてここで、ちょっと重要な記事を紹介する。きっと皆さんもちょくちょく読んでるにちがいないTechWaveのこの記事だ。iPadの新聞雑誌アプリの広告価格設定について。簡単に言うと、価値が高いぞ、という内容。
iPadから見えるコンテンツの未来・その3でも書いた通り、iPad雑誌アプリには広告もふんだんに載っていて、インタラクティブな要素もあって面白かった。中にはWEBサイトに飛べるものもあった。
ここで、これも前に書いた「AISASにはかねがね疑問だった」の記事を思い出してほしい。そこでは、さっき登場した@higekuma3のブログから引用しながら、広告による企業サイトへの誘導の中で”検索”ってそんなにされるものだろうかという疑問を書いた。
ちなみに@higekuma3はブログの最新記事でもGoogleは”ダイエー化”してるんじゃないかと辛コメ(辛口コメント)を書いている。
とにかく、例えばテレビCMで「検索!」などと表示して実際に効果が高いといえるほど検索するだろうか、という懸念は持っていた。あるいは、最近はあまり検索してくれないんじゃないかと思う。
iPad雑誌の広告は、そう考えるとかなり画期的だと言える。検索させなくても、企業サイトに誘導できてしまうのだ。
テレビCMでブランディングし、新聞や雑誌で情報要素も伝え、WEBサイトに来てもらう。これをいままでは、それぞれ別のメディア、別の端末でやろうとしていた。
これがiPadは同じ端末の中でできてしまうのだ。
ホントにこれ、考えれば考えるほど、画期的なことだ。いくつものメディアを駆使しないとできなかったことが、できてしまう。映像でイメージを伝えたり興味を惹いたりし、グラフィックでイメージ+情報も伝え、WEBに誘導して具体的なアクションへつなげる。ね、相当に画期的じゃない?
インターネットが登場し、広告はSearchが重要になった。SearchをもとにGoogleは急成長し、Searchされる手法をサービスの軸とする広告会社が成長してきた。Searchはインターネット広告の最重要ファクターだったはずだ。ところが、iPad雑誌の広告は、企業のサイトにたどり着くプロセスの中でSearchを外してしまった。ブランディングから場合によってはECサイトでの購入までを一貫させてしまった。バナーなんてのもない。小さな枠にできるだけ凝縮した要素を詰め込む、なんて必要ない。1ページ丸々使った訴求ができる上に、そこからサイトに飛んでいくこともできるんだ。
雑誌の収益にとって、広告が大事なのは誰でも知っていることだろう。つまりは、iPad雑誌を企画していく際、どんな雑誌にして、どんな広告にするかをよく考えた方がいい。いろんな可能性があるはずだ。そこにクライアント企業は興味を持ってくれるかもしれない。ちゃんとプレゼンテーションすれば、高い広告価値を認めてくれるかもしれないんだ。
さあそうすると、編集と広告が一体となって雑誌を企画することになる。出版において編集と広告が対立しがちなのはよく言われることだけど、ここは壁を取り払って、収益性の高い雑誌にしていくにはどうすればいいか、真剣に議論するといいんじゃないか。タイアップの手法だって、新たに開発できるかもしれないんだ。
新創刊したら、代理店さんがだだーっと広告を売ってくれる、なんて世の中ではもうない。出版社が自分で広告セールスする意気込みが、もっと言えば、編集者が企業に広告価値を語れる意気込みがなければいけないのだと思う。
Searchのいらない雑誌は、強いメディアにできる可能性があるんだと思うよ。