ソーシャルデバイドとでも呼ぶべき現象

VODや広告の話は少し休んで、今日は雑感的な話を書くよ。

“ソーシャルデバイド”とでも呼ぶべき現象が起こっているのではないか、と。ソーシャルデバイドってきっと英語としてはヘンなんだろうなあ。でも言いたいことは伝わるんじゃないかしら。

今日はBSフジで佐々木俊尚さんが出演する『PRIME NEWS』という番組があった。BSなんてほとんど見ないのに、録画してしっかり見たんだ。佐々木さんが出演するんじゃ見ないわけにいかないでしょ。

どうして佐々木さんの出演を知ったか。ご本人のつぶやきで知ったのだ。

その前に、今朝は身支度しながら慌ててオンラインのAppleStoreでiPadを予約した。これもTwitterでどなたかが”もう予約できるよ”とつぶやいていたから。

出勤時に駅の売店で週刊ダイヤモンドを買った。これは、かなり前からダイヤモンド社の中の人が、今度はApple特集だよとつぶやいていたからだ。

昼間は会社でゆとりある時間にいくつかのWEBを見た。いろんな人たちのつぶやきに登場したURLを通じてね。

夜中、佐々木さんのつぶやきでBSフジのWEBサイトで出演番組のダイジェスト映像があるのを知った。これについてつぶやきあってたある方が、今週のビッグコミックの『ゴルゴ13』が面白いよと教えてくれた。明日、買うことに決めた。

こんな感じで、少し前にぼくが書いたような、ソーシャル空間でメディアについていろんな人たちに教えてもらう毎日にぼく自身なっている。

ところで今日、ある方との打合せで、これからのメディアについて議論した。だがぼくとその人とで言っている”メディア”の意味が相当ちがっていることに気づいた。彼は百万人千万人単位で人が来るメディア、つまりマスメディアについて語っている。一方ぼくが言うメディアは、数万人規模のもので、佐々木さんのよく言う”ミドルメディア”。ぼくはもう、マスメディアなんて成立しないと考えているわけだ。

これからもメディアといえばマスメディアだ、という捉え方をし続ける人に、ミドルメディアの概念はわからないのだ。ましてや、ミドルメディアでもビジネスが成立する可能性がある時代になっている、なんてこと、理解できないだろう。メディアとはマスメディアでなければならず、大量の人が来るからこそビジネスになるのだ、としか考えられないだろうから。

だって彼は、Twitterが生活の中に入ってきていない。そういう人は、NHK『激震マスメディア』の時にUstでの裏番組も含めてどれだけ盛り上がったかを知らない。孫正義さんが人びとを集めてOPEN DAYを開催しその様子をUst中継したことも知らない。ケツダンポトフという謎の会社の若い女子社員があちこちの催しを”ダダ漏れ中継”していることも知らない。tabbataさんとかtsudaさんとか新しい人びとの活躍ぶりも影響力も知らない。『電子書籍の衝撃』の発売時の一連の出来事も知らない。勝間和代とひろゆき氏の対談が映像もテキストも含めて話題になったことも知らない。

こうした一連の体験がまったくないと、もはや感覚に相当なズレが出てきてしまう。そしてそのズレは、いちおう説明するにしても、説明しただけではわからないだろう。自分で体感しないとわからない。これを、”ソーシャルデバイド”と言ってみているわけ。

これからしばらく、このギャップを乗り越えながら、いろんな人と話していかねばならない。でもメディアコンテンツ業界では、このギャップは大きいなあ。

きっとあなたも、似た悩みがあるんじゃない?

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コメント

  1. ソーシャルデバイドは生活の中で日々直面しています。私もおっしゃるような精神的な資産ともいうべき心地よさをソーシャルメディアによるコミュニケーションによって、感覚的につかんでいるのですが、それをいくら説明しても伝わらない。このソーシャルデバイドってのは二次曲線的に開いていっているような気がします。

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