ソーシャルメディアは料理の世界にも”アラブの春”をもたらした?

料理とソーシャルメディアの関係について考えたことはあるだろうか。ぼくはなかった。なかったけれど、考えないわけにはいかなくなったので考えた。そういう趣旨の催しでしゃべらないといけなかったのだ。

先週、ソーシャルメディアウィークというイベントがあった。月曜日から金曜日まで、あちこちの会場で、多様なテーマで展開されていた。

その中の22日金曜日の最後のコマが「『料理×ソーシャル=大変革がおきた分野!プロって何?習う人、教える人の境がなくなった現場で思うこと。  ~スモー…」という長い長いタイトルで、長すぎて結局サイト上で最後まで表示されなかったほどなのだけど、そういう、料理とソーシャルをテーマにしたもの。これに呼ばれたのだ。

このコマは、山脇りこさんという料理家の方がメインで、彼女が相手役にぼくを指名してくれたというわけ。なぜか、ね。あ、でもなぜかははっきりしている。

山脇りこさんは、山脇伸介さんと夫婦関係にある。

山脇伸介さんは、ほら、憶えてるでしょ?11月にソーシャルテレビ推進会議でオープンセミナーをやった時にゲストで来てくれた、あの山脇さんだ。TBSのプロデューサーで「大炎上生テレビ」を企画・制作し、それ以前にツイッター上でTBS Booboの中の人として活躍し、Facebookについての本も出している。あの、山脇さんだよ。

その奥さん、りこさんは、ブログ・リコズキッチンを書き続ける一方、お料理教室を主宰し、料理本もいくつか出している方。その上に、かわいい!そりゃあ、ソーシャルメディアウィークも声をかけるだろうね、という魅力的な女性だ。

つまり、山脇りこさんにソーシャルメディアウィーク出演の依頼があり料理とソーシャルをテーマにしましょうとなった中、彼女がソーシャルテレビ推進会議で旦那さんのトークの進行役やってたぼくを、今回指名してくれたという次第。

さてそのトークの状況はソーシャルメディアウィークの方でちゃんとUstアーカイブを残してくれているので、それをざっと見てくださいな。なかなか面白い内容になっていると思う。それはほとんどりこさんが用意したもので、ぼくは“話を進める人“をやればよかったので気楽なもんだった。

ところで、料理とソーシャル。考えなきゃいけなくなったので考えてみると、これはなかなか深いものがあった。

そうなの?そんなに関係ある?と言うかもしれないけど、あなたもきっと、TwitterやFacebookで料理の写真あげたり美味しい店を教えあったりしたこと、あるはず。食べ物の話題はソーシャル上で話題になりやすいのだ。何しろ、誰だって入れる話題だからね。

でも、それは話の入口に過ぎない。りこさんの話で初めて知ったのだけど、料理の世界ではブログが大きな潮流となり、人気ブログからレシピ本が生まれて大いに売れた、なんてことが次々に起こったのだそうだ。山脇りこさんもそのひとりではあるけど、彼女からすると自分よりもずっとブログが人気で本もたくさん売れた人がたくさんいるそうなのだ。

では既存のプロの料理家はどうなったかというと、淘汰されたわけでもない。ただ、既存のプロのレシピ本を超えてブロガーたちの本が売れていった。つまり、アマチュアがプロを抜き去ったのだ。りこさんによれば、それはきっと、それまでの料理家のレシピがプロ仕立て過ぎてニーズに合ってなかったのではないか。ブロガーたちのレシピは日常的に料理を迫られる主婦たちに「あ、こういうレシピが欲しかったのよね」と受け入れられたのだろう、という。

少し大げさに言えば、料理家の世界で“アラブの春“みたいな現象が起こったのだ。

ソーシャルメディアが既存の権威を突き崩す現象はあちこちで起こったり起こりつつあるのだけど、料理の世界はそれが早く来た。なぜなら、ブログが効いたからだ。皆さんご存知の通り、まず2005年あたりからブログが非常に流通するようになり、そのあと2009年あたりからTwitterが普及して世の中が変わった。料理については写真とレシピが非常に重要な要素でそれがブログという形式にとてもマッチしていたのだ。

だから、料理の世界では、いろんな変化が先行的に起こってきた。そう考えると、がぜん興味が増してくる。

もうひとつ、重要なのがレシピには著作権がないこと。これも今回あらためて知ったことだった。これが大きかったのは、著作権がないからこそレシピが流通しやすく、結果として料理界のすそ野が広がった、と、りこさんは言う。

言われてみると、ぼくもそれまでより料理をするようになった気がする。オジサンのわりには料理が好きな方だったのだが、このところ土日は必ず料理をする。これも“すそ野が広がった“現象になんとなく巻き込まれているのかもしれない。

レシピは著作権がない。だから料理界のすそ野が広がった。

このことにはすごく重要なメッセージが潜んでいないだろうか。

著作権をとやかく言わない方が、すそ野が広がりその領域が活性化する。これは他の分野でも言えるのではないだろうか。いや、ほぼまちがいなく言えると思う。

料理とソーシャル。これまで意識してこなかった捉え方であり、それなのに日常的に自分も関与してきた領域だ。ちょっとみなさんも、意識してみるといろいろ得るところあるんじゃないかな?

さて山脇りこさんの本、例えば「うちのごはんヒットパレード」はただいま絶賛発売中。まさしく”うちのごはん”と言える。普段着感覚のおいしいレシピが満載。ぼくもつくったよ。いやホントにうまかった!

シンプル鶏飯、鯖の味噌煮、春菊のごま和え。おいしくできた!

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