先週、NHKのシンポジウムにワクワクしながら行ったら肩透かしだったぜ、ということを書いた。ブログを書く前に、twitterで愚痴を言っていたら、「ワクワク感が伝わってこないセッションでしたね」と話しかけられた。ああ、ぼく同様、期待して見に行ってがっかりしたんだなと思い「だよねー」などと返していたら、なんと!teledaの中の人だとわかった。
つまり、teledaのシンポジウムを愚痴っていたら、teledaを開発して実験した当のご本人とつながっちゃったわけ!やっぱソーシャルって面白いなあ、すごいなあ。
そんなわけで、訪問してきました、NHK技術研究所。知ってるかな?世田谷の砧にある。正直言って交通の便は悪いよ。でも80年の歴史を持つ放送技術の殿堂みたいな場所だ。
浜口さんという研究所の方の部屋に入ると、こんな感じ。いかにも”ラボ”って感じでしょ。
teledaについて知る時に、ソーシャルテレビ=リアルタイムでの番組共有、としかとらえられないと話がかみ合わなくなる。先日のシンポジウムがまさにそうだった。
そりゃあいま、テレビ番組を観ながらtwitterでみんなでつぶやきあう、そのことを”ソーシャルテレビ”と呼んでいる。でも、テレビ番組をソーシャルメディアを通じて楽しむことがソーシャルテレビであるならば、もうひとつ別の解釈も成立する。放送後の番組を楽しむ時に、ソーシャルメディアを通じて他の人の感想を参考にする。これも広義のソーシャルメディアだと言えるはずだ。
teledaはそういう実験なのだ。NHKオンデマンドでの番組視聴に、ソーシャルメディアをからめたらどうなるか、という実験をしたのだ。それは少なくともぼくにとって、大いに興味をそそるものだ。
teledaの結果を浜口さんから聞いた中でもっとも興味深いのが、teledaによって番組視聴がどう変化したかだ。カンタンに言うと、他の人の感想によって、自分が知らなかった番組への興味が喚起されたそうだ。視聴率ではさほど高くない番組が、teledaでは視聴数が多かったりする。「ブラタモリ」とか、「クローズアップ現代」そして「セカンドバージン」など、”ハマる”番組。
さらに面白いのは、視聴率との乖離だけでなく、NHKオンデマンドでの人気番組との乖離もある。オンデマンドでは大河ドラマのような”人気番組”がやはり人気があるそうだ。つまり見逃し視聴するわけだ。
つまりteledaを通じて、リアルタイム視聴とも、また通常の見方のビデオオンデマンドとも、視聴番組が変わった、ということだ。
ソーシャルメディアが、番組の序列を変えるわけ。これ、すごく重要なポイントだと思う。
teledaで注目したいのはもうひとつ、そのインターフェイスだ。こんなメイン画面。
番組のサムネイルが並んでいるでしょ。そしてその下にはソーシャル画面、つまり、他の人の書込みが並ぶ。
これだよ、これ!こういうインターフェイスだよ!番組をサムネで選ぶという要素と、ソーシャル的に書込みを読む要素が同一画面に存在している。これが必要なの!
teledaはあくまで、NHKオンデマンド上の番組を選ぶためのインターフェイスであり、ソーシャルメディアなのだけど、いま視聴できるあらゆるビデオオンデマンドサービス上の番組をこんなインターフェイスで選べたら、すごく便利だと思う。でもそれは、NHK一局だけではできない。もちろん民放一局だけでもできない。第三者がやるべきサービスだ。それがいま、必要なの。
teledaについてはもう少し、きちんと書いた方がいいかなと思いつつ、今日のBar境塾とすごく近い話なので、速報的に記事にしてみたよ。
うん、そうそう。今回のBar境塾のテーマ「録画サービスはソーシャルへ向かう」とteledaの実験はすごく近いの。それはまた近々書くからね。
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