輸出企業になる、のではなく〜クリエイティブ維新その6〜

例えば今の日本。2000年以降、日本経済が持ち直したかに見えたのは、輸出が伸びたせいで、世界市場、とくにアメリカが冷え込むと身動きとれなくなってしまった。

それは結局、日本企業が輸出してた、という構図だからだろう。

グローバル化って、そういうことじゃないんじゃないか、などと大上段に言ってみたりしたい。

コンテンツ産業で考えてみよう。わかりやすく映画に絞ろう。

ジャニーズの人気絶大な誰かが主演の恋愛映画、という企画があったとする。テレビドラマで視聴率を稼いで、映画にする、というスキームをくんだとする。そうすれば、日本では興行が見込める、よね、となる。

うん、いいねえ、じゃあコンテンツ産業は世界に飛躍しないといけない、さっそく海外に輸出しよう・・・

えーっと・・・それ、海外で売れるかなあ・・・興行収入が見込めるかなあ・・・

日本のマーケットでの成功だけを考えていても、コンテンツ産業は”世界に飛躍”なんてできないだろう。文化的、メディア的に特殊な市場に特化した商品開発をしても、世界では売れない。

携帯電話の端末について、よく”ガラパゴス市場”だと言われる。世界の進化から孤立してるもんで、独特の種として進化してしまった。だから圏内でしかビジネスが成立しない。気がつくと、世界の携帯端末はノキアやサムソンが制覇していて、日本の機器メーカーは太刀打ちできなくなってしまった。

同じようなことが、コンテンツ産業でも起こっている、と言えないかな?日本の映画市場は世界第2のマーケットだ。だから、その中だけで秀でた存在になれば、そこそこ食べていける。だもんで、世界市場を視野に入れずに育ってきちゃった。

つまりね、世界に打って出る、とは、グローバル化、とは、日本市場で売れるコンテンツを輸出することじゃないと思うわけ。世界市場に向けた企画を立上げることなんじゃないかと。でもって、世界市場にローンチさせるためのパートナーと組むことじゃないかと。

輸出をめざすのではなく、存在そのものをグローバル化しないといけない、と思うわけ。

存在って、何のかって?クリエイターの存在を、だよ。クリエイティブ業界全体の存在を、だよ。ぼくや、あなたや、みんなの存在を、だよ。

グローバル化しよう。自分自身を。周りのみんなを。知恵と勇気といくつかのツールがあれば、できないことじゃないってば!

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コメント

  1. コンテンツ輸出するにもそれなりのプラットホームがいるだろう。又、光回線を伝送路にするネットワークデリバリーロードが要る。シルクロードならぬ、コンテンツロードだ。そこをなんとかしたい。孫さんを口説いてみるか!

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