テレビ広告は20世紀的だった?〜メディア事変その5〜

マス広告費が減ってきた。インターネット広告費が伸びてきた。たったこれだけの話をずいぶんもったいぶって長々と書いてきちゃったかな。

インターネット広告費は販促費をとりこんで急成長してきた。2000年以降は少しずつ新聞雑誌媒体の広告費も侵してきた。そして2007年はいよいよ、テレビ広告費に影響を与えはじめた。

ネットがなぜテレビを侵食しはじめたのか。もちろん、そこには通信インフラの発達で動画がネットでも見られるようになったことが大きいだろう。販促活動にせよ、新聞雑誌にせよ、基本的には印刷物だ。印刷媒体の代価にネットが使われるようになった。それがここへ来て、動画の代価にもなりはじめた。

でもね。それだけじゃないと思うんだよ。この2000年代に入って、大きなパラダイムシフトがいろんなところで起きている。でっかい視野でみると、その表れだとも言える。

テレビは20世紀型の産業に合っていた。20世紀型の産業とはつまり工業。新しい技術を使った製品を工場に設備投資して大量に生産し、大量に売る。その時、短期間で国中の人に一度に製品について告知する必要があった。その事業モデルにテレビはぴったりだった。

21世紀に入り、そういった事業モデルがあまり儲からなくなってきた。いまや、家電と自動車とビールくらいかな。しかも、この3つの分野の事業も、前みたいに新製品が出たら大量に売れる、ってわけでもなくなってきた。

むしろ、もっと絞ったターゲットに売る方が大事になってきた。そういう売り方に、ネットは合っている感じなんだ。”感じ”と書いたのは、大まかにはそうなんだけど、まだまだ決定的な手法が確立されていないから。ほらネットでこうすれば、こういう人たちに売れるでしょ、と明確には言えない。でもネットならそんなことができるのは大きな方向としてははっきりしている。だから”感じ”だと。

例えば自動車を売る時、前はとにかくテレビ広告費に予算をつぎ込み、あとは新聞公告や雑誌広告や店頭の販促物などに予算を振っていけばよかった。それでほんとうに売れた。

でもいまはかなりちがう。テレビ広告費を少しネットに回した方がいい。そして狙うターゲットにテレビでは伝わらない情報を届けて、ついでに近くの販売店を検索させる。そんな公式が少しずつできつつある。

世の中は、コスト効率で変化する。考えてみればしごく単純な構図だね。

でも、そのコスト効率が、メディア事変を引き起こそうとしている。それによって、クリエイティブに関わる人びとの仕事が大きく変わろうとしている。・・・どう変わるのかな?ってところで、また来週・・・

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