マス広告費を侵すインターネット〜メディア事変その4〜

さて、インターネット広告費の話。

いま、何が起こっているかというと、いよいよインターネットがテレビ広告費を侵しはじめたってことなんだ。

前回見てもらったように、まだ統計数字には表れていないけど、テレビ局の経営数字の形でテレビ広告費の減少が顕著になってきた。それはインターネット広告費の成長によるんだ。

左のグラフをクリックしてみて。

これは広告制作費の推移の中にインターネット広告費とその制作費を並べてみたもの。

青い線のマス広告制作費とは、マス4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)広告費の中で制作に使われた金額。その中のテレビつまりCM制作費だけを抜き出した数字が赤い線。マス広告費全体は3兆9千億が3兆5千億に減ったと前に書いたでしょ。テレビは2兆円前後で増えたり減ったりしていた。制作費はおおよそその1割、つまりマス4媒体制作費は3000億円台、CM制作費は2000億円前後でウロウロしている。制作費は広告費全体の1割。これがいままでの業界の常識だった。

そこにインターネット広告費が急増している。この10年でほぼゼロから4500億円に大化けしているわけ。ここで言うインターネット広告費には制作費は入っていない。制作費は別に切り出して紫の線になっている。2007年は1400億円だったらしい。電通の発表数字が、突然2005年からネットの制作費をカウントしているので、突然登場したみたいになっている。

さてここで注意して欲しいのが、インターネット広告費の急な傾斜はマス広告費ダウンの傾斜とかなりちがう点。というか、このグラフは制作費なので、ダウンさえしていないね。

これまでのインターネット広告費は、露骨にマス広告費を食ってきたわけではない、ってことなんだ。

じゃあこのインターネット広告費の成長は何を基盤にしているのかって?販促費だよ。販促?販促と広告って何が違うの?ってみんな思うかもね。

販促って言うのは、わかりやすく言うと、チラシだ。それだけじゃないんだけどね。でも簡単に言うとインターネット広告費はチラシを食って伸びてきた。だっていまや、小さな商店だって自分のホームページを持ってるでしょ。いままでチラシを一所懸命につくってたのが、そこまでやらなくてよくなった。インターネットのおかげでね。

具体的には、印刷会社の領域を侵してきた。それから小さなデザイン会社もダメージ負ってたかも。

ああ、なんだか全然ネットとテレビの広告費の関係にたどり着かないね。でも今日はここまで。眠いからさ。

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