広告代理店の第3四半期決算、というのは正確ではない。
電通と博報堂DYグループの第3四半期決算と、ADKの通期決算の数字が出揃った。つまり、ADKは決算が12月なので、ちょっと期間がちがうわけね。
ここでは、広告業界から今期いったいどれくらいの数字が失われたかを書いてきたので、その総決算的な表を作った。電通、博報堂DYの通期見込数字と、ADKの通期決算数字をまとめたのね。電通博報堂は08年度の見込数字、ADKは暦年の08年の実績数字というわけ。
2兆円を超えていた電通の連結売上高が1兆8千億円台になっちゃったのを筆頭に、どこものきなみ売上高が減少している。合計で8%ダウンだ。売上減に応じて、営業利益も4割ダウン。
さて、3つの代理店グループ全体で売上がどれくらい落ちたか。表の中にある数字”-302,352″ってこと。つまり、マイナス3千億円。
うっひゃあー!3千億円。この数字の中には、各グループの海外子会社や純粋な広告代理業以外の売上も入ってはいる。でも大ざっぱに言ってこの国の広告業界から3千億円ものおカネが失われたのだ。
この3グループ(電通、博報堂、大広、読広、ADKの代理店5社)で3千億円。これが広告代理店の半分強のシェアを占めているらしいので、全広告業界で6千億円が失われたと言えるかも。
何言ってるの。大したことないじゃない。電機や自動車業界は1社の営業利益だけで何千億円も減っちゃってるんだよ。なーんて、他の業種から言われちゃうかも。
でもやっぱり、ぼくたちにとっては大事だ。一大事だ。およそ一割のおカネが業界から消えちゃったんだ。一年でだよ、しかも。
さらにおそろしいことに、この傾向は08年だけでは済まないとみんなわかっている。わかっているのに、どう手を打てばいいかわからない。手の打ちようは、ないね。どうしようもない。途方に暮れるしかない。
ただひとつ、言えることは、変えねばならない、変わらなきゃいけない、ってことだ。それは例えば、広告代理店がすべてを一括受注してそこから受注していれば安泰ってことではないということ。だからと言って”じゃあ代理店にペコペコすりゃあいいってもんでもないね”などと能天気なことも言えない。ペコペコしてれば受注できるってんなら、そんなお気楽な状態もないよね。
考え方とか、働き方とか、生き方とか、やり方とか、変えるしかないんだ。変わるしかないんだ。考えて、走り、走りながら、考えて、時には立ち止まり、そしてまた走り出す。そんな日々をぼくたちは生き抜いていかなければならない。
そうなんだ。ぼくたちは、生き抜こう。そういう覚悟がまず、何よりも必要なんだろう。
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