No Editors, No Journalists〜メディア事変その44〜

No Editors, No Journalists.この英語は、今年起こっているマスメディアを取り巻く状況をあっさり言ってのけていて面白い。べつにぼくが考えたんじゃないよ。ある一流雑誌社の友人が教えてくれたの。

アメリカに視察に行ったんだって。あっちの紙メディアはどうなってるのかな、って。あっちの方が進んでいる。進んでいるのは進化していてすごいって意味じゃなくて、マスメディアがネットに凌駕されてる状況が進んでいる、と。

その時、アメリカの紙メディアの人が教えてくれたのが、No Editors, No Journalists.

教えてくれたアメリカ人も、もちろんEditorかJournalistなわけで。

だから、”日本のきみ、これからはこうだよ”と誇らしげに言ったわけではなく、”なんかさ、こういうことみたいよ”と自嘲的に言った、わけだ。

編集者も記者もいらねえよ、のココロは、つまりWEB2.0的というか、CGMのこと。

あれ?CGM、ってなにそれ?って感じ?

Consumer Generated Mediaのことじゃない。”消費者自身が創り出すメディア”って訳せばいいのかな?

わっかりやすーい具体例。

株式情報のWEBメディアがある。人気のコーナーは、株を買うべきか売るべきか。

そこでは、著名なアナリストが”A社の株は買いだね、なぜならばね・・・”というコラムを書いている。

一方、別の経済学者が”いやいや、B社の株は売りだよ、だってね・・・”と反対のコラムを書く。

ん?それならいままでの紙メディアでもやってたじゃん。

いや、そこからがちがう。

そのサイトでは、”買い”のアナリストのコラムにつづいて、一般読者のコメントが自由に書き込めるんだって。もちろん、”売り”の意見のコラムにもコメントがつけられる。で、読者のコメントがずらーって並んでいる。

すると、読者は著名人のコラムを読み、さらに読者のコメントも拾い読みする。買いの意見も、売りの意見も、両方をいろんな角度で読めるわけだ。

その上で、読者がその株を買うのか買わないのかは、自分で決めればいい。

うーん・・・なるほど。No Editors, No Journalists.確かに、そうなってる。

実際、そのコーナーは人気らしい。

読者からすると、確かにねー、そりゃ合理的だねー、いいシステムだ。

でもジャーナリストにとっては、”僕って何?システム開発の人?”と自問自答してしまうだろう。

うーん、なんか、示唆に富んだ話、じゃないかい?

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