雑誌・調査情報(2012年1−2)に原稿を書いたよ


この写真は、「調査情報」という名前の雑誌の最新号だ。11月末の記事に書いた通り、ぼくは原稿依頼を受けたのだけど、それが掲載されている。

前にも書いたけどもう一度書くと、この雑誌はTBSメディア総研が出版している。テレビ局が”総研”を持っているのも珍しいし、こういうメディア研究に関する雑誌を出しているのも他にはない(はず)。そういうところはTBSらしいなと思う。

ぼくはこの雑誌の存在を原稿依頼をいただくまで知らなかった。失礼千万だね。テレビに関するメディア論の本を出しているくせに、不勉強だった。

さてこの号の特集は「テレビドック」とある。リード文を引用すると・・・

放送開始以来、「還暦」まであと1年の今、ドックに入れてメディカルチェックをしてみよう。

そういう企画意図だ。今野勉さんによる総論的な文章を皮切りに、テレビの現状を様々な角度から”チェック”している。そうそうたる論者ぞろいで、その中に加えてもらえるなんて光栄というか、気恥ずかしいというか。

去年の4月にここでとりあげた『メディアと日本人』の著者である橋元さんも原稿を書いている。もちろん、メディア調査をもとにした記事だ。後半で書いておられることは、ぼくが書いたことに近くて共感できた。

小林恭子さんの英国テレビ界のレポートも面白かった。アメリカの情報はまだ伝わるけど、イギリスは全然よくわかんないしね。メディア環境が国によってずいぶんちがうことがあらためてよくわかった。

書き手の中でぼくをもっともキンチョーさせたのは、今野勉さんだ。『お前はただの現在にすぎない』の著者でもある。この本についても、ぼくは少し前に書いている。ぼくのテレビ論の土台の基礎みたいなものを形成してくれた本だ。

1969年の本で、80年代前半、大学生の頃に古本屋で買ったのをよく憶えている。その当時すでに、探さないと手に入らない伝説の書籍だったのだ。読み込むと、テレビというものと、こんなに真摯に、ある意味では魂を削るように、向き合っている人たちがいるんだと感心した。そして「現在に過ぎない」という言葉を重たく受けとめた。

そんな、大学時代に神の言葉のように受けとめた本を書いた人と、同じ雑誌にぼくが原稿を書いているとは!キンチョーしちゃうよ。

「現在に過ぎない」ことには、メディアの根本的な意義があると思う。どれだけ現在であることが可能なのか、そこをどこまで極められるかが、メディアの存在価値を決定してしまう。だからソーシャルは(ネットではなくソーシャルね)今後もっと発展するし、テレビはまだ価値を持ち続けるし、紙媒体は相当存在が危ぶまれる。

それから、”どういう範囲のコミュニティにとって”の現在なのか、も重要だ。これまでは”日本という範囲”にとっての現在であれば問題なかった。それは期せずして(でも決して偶然ではなく)国家と同じ範囲だった。だから”マスメディア”だったしマスでなければならなかった。

これからは、そういうわけでもないでもない、ということになってしまう。そこがなんだか話がややこしいところだ。

あー、っと、雑誌の紹介だけするつもりが、脱線というか深入りというか、しちゃった。つづきはまた次回ね。

そうそう、「調査情報」は普通の書店にはあまり置いてないので、大きな書店かFujisan.co.jpで「調査情報」を検索して・・・というかこのリンクをクリックしてネット通販で買ってね!もちろん、このブログの読者ならメディア論に興味あるよね?買ってくれるよね?ね?ね?・・・ね!でっへっへ・・・

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