オープンセミナー事前解説(+NHK技研公開レポート):テレビはWEBで飛躍できるか?

NHK技研公開に、ひと足お先に行ってきた。

技研公開とは、砧にあるNHKの技術研究所が年に一度、開発している技術を一般に公開する催しで、今年は5月30日から4日間行われる。この28日はプレス向けの限定公開の日で、それに乗じてぼくも呼んでもらえたという次第。うらやましかろ?

去年もそうだったけど、今年はいよいよ持ってハイブリッドキャストがメインだった。ハイブリッドキャストとはNHKが開発中の技術で、スマートデバイスとセットでテレビを楽しむ様々な技術の総称だ。

そのハイブリッドキャストがいよいよ、今年は本格スタートする予定らしい。対応したテレビのハードも次々に出てきそう。

今日展示されていたデモンストレーションでさえも数多くの機能があり、テレビの視聴をあれやこれやと変えてくれそうだ。

ぼくが驚いたのは2点ある。

1点は、下の写真を見てほしい。

画面に何か載っているでしょ?ハイブリッドキャストで呼び出された情報が番組の画面に乗っかっている。こういう状態を“オーバーレイ”という。

オーバーレイはニコ動世代からすると見慣れたものかもしれない。でもテレビ画面にどんと映し出されると驚く。ギョーカイ村のしきたりを知ったものからすると、「なんということをするんじゃ、掟を知らんのか」と言いたくなる。

テレビ界は、オーバーレイなど持ってのほか、なのだ。

なぜならば、プロが作った素晴らしい作品が汚れてしまうからだ。そして、CM放送中にCM見られなくなったらあかんやんか、というのもある。

テレビとネットの融合の話題がこのオーバーレイに立ち入ると、それまで大人しく聞いていた年配テレビマンが突如怒りだしたりする。そういう、テレビで生きてきた人の生理を刺激してしまう微妙な領域がオーバーレイなのだ。

それくらいナーバスなオーバーレイを、NHKがさらりとやっちゃおうとしている。面白いじゃないすか。

もうひとつ、この写真を見てもらおう。

ハイブリッドキャストでは、番組表を表示する機能もある。そして(まだこれからの検討次第らしいのだが)過去30日間さかのぼって表示できる。

な、な、なんだって?

みなさん、地デジ対応テレビを持ってるなら、どこかに番組表を表示する機能があるはずだ。レコーダー持ってるなら100%の確率で表示できるでしょう?

試しにやってもらうとわかるのだけど、過去の番組は表示できない。

なのにNHKは番組表でも我が道を往くがごとく、過去番組をさかのぼって表示できるようにするのだ。

しかも!過去の番組がリスト表示されるとNHK On Demandのその番組の掲載ページに飛べる。「八重の桜」の過去の放送をたどっていって、そうだ第3話だけ見てなかった、と思ったら即再生できる。なんと便利なんだ!

こんな技術が今年中には利用できるようになるそうだ。なんとも楽しみじゃないか。

NHKがテレビ業界のもやもやした壁を打ち破っていきそうだ。打ち破る時の武器は?もちろんWEBでしょ!ネットでしょ!

ここで突然、話は変わるけど、6月5日にやりますとここでさんざっぱら書いてきたソーシャルテレビ推進会議の一周年オープンセミナー。第一部だけ、モデレーターとして中山さんの名前があるだけで、ゲストは交渉中だった。いま見てもらうと、あ!いつの間にか、ゲストの名前が書いてあるじゃないか。

NHKの石倉さん。彼は編成マンだが、一方でNHKのネット戦略も担っている。そして日テレ安藤さん。ご存知JoinTVの男だ。

お二人に、テレビの武器はネットだね、という話をしてもらう。ハイブリッドキャストやJoinTVはその好例だが、今回はもっとちがうところを語ってもらう。これからさらに取り組むべき領域。あるいは、ハイブリッドキャストが突き崩したように、これまでの掟を突き破ることでこんなことできるんじゃないか、というような話題。

それにどうやら、何やら発表もある気配。ひょっとしたら第一部がもっともラディカルな話題になるかも。

そんなオープンセミナー。定員150名埋まっちゃったけど、立見枠も用意したんで興味あれば、参加してください。

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