「20世紀少年」と「官僚たちの夏」の終わり

なにしろぼくは62年生まれで、「20世紀少年」のケンジたちとほとんど同い年だ。彼らは69年に秘密基地で”よげんのしょ”を書いたわけだが、ほんの数年後、ぼくも山を切り開いて造成された住宅地で秘密基地を作った。

さて「官僚たちの夏」は万博の直前で終わる。60年代後半だ。風越たちの日本産業を成長に導く仕事が一段落ついた頃、ケンジたちは21世紀を”よげん”した。そして大阪万博を迎えたのだ。

”よげんのしょ”は科学空想冒険物語だ。だが、いま21世紀になり、”友愛”を掲げる党首の政党が政権をとった。国際会議で演説して拍手喝采を浴びた。”ともだち”と重なるじゃないか。ケンジたちの”よげん”は当たらずとも遠からず。”空想”はけっこう現実になっている。

”さいきんへいき”で世界を震え上がらせた”ともだち”。ほんものの”地下鉄サリン事件”を引き起こした集団の中心メンバーはぼくらと同世代が多かった。

風越たち”官僚”がもたらしたのは、そうすると、そんなとんでもない未来でしかなかったのだろうか?高度成長の申し子であるケンジたちはそんな未来しかつくれなかったのか?

そうではない。

方向転換が必要だったんだ。風越たちも、ケンジたちも、万博で世界の国とこんにちはしたあとに、別の未来を思い描かなければならなかった。

風越が老人になり、ケンジが大人になった80年代に、その方向転換があるはずだった。そこで、老人中年青年が一緒になって、さあてこのあとどうしよっか、と話しあわなきゃいけなかった。

ところが・・・バブルが起きちゃったんだな!

80年代後半のバブルで、ま、いっか!ってことになっちゃった。90年代になっても、バブルがはじけても、あれ?ま、また戻るよね、と信じつづけた。90年代後半に銀行や証券会社が潰れてやっと、ん?勘違いしてた?ともやもや思った。

そのあたりで真剣に新しい未来を考えるはずが、バブル以降10年ぐらいぼけちゃった頭がなかなか働かない。21世紀になって、ITバブル?とかホリえもん?とか小泉さん?構造改革?とかワーワー言ってるうちになんとなーく景気が良くなって、ま、いいみたいね、となっちゃった。

2008年、リーマンショックによってやっと、うひゃ、結局ぼくたちなーんにも進歩してなかったんだね、と気づいた。いや、気づいた人が出てきた・・・

そういうわけで、やっと、考えるムードは出てきたね。じゃあ何を考えればいいの?

ということで、クリエイティブ経営論の趣旨を離れて、これからしばらく、”日本国”のことを書いていくよ。20世紀少年を卒業した21世紀少年は、何をどう考えればいいのか。関係ないようで、やっぱりクリエイティブ経営論の一部であり、メディアコンテンツ業界の将来とも関係するんだ。

キーワードは、やっぱり”流動化”なんだけどね。あ、しつこい?

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