情報を網羅しすぎるな!〜クリエイティブ維新その21〜

おっと、これは新聞はこれからどうなるかのつづきだっけ。えっとつまり、この情報過多と新聞紙の危機はつながっているって言いたいわけ。

インターネットによって情報のビッグバンみたいな現象が起きた。そうするとどうなるか。あらゆる分野で集中と拡散が同時に起こるのだよ。

情報がドバッと増えると、いままで小さなニーズしかなくてマスメディアに登場できなかったものどもが、小さなニーズに合わせた形で浮上する。いわゆるロングテールだね。

一方、人が集まるところには累乗的に人が集まる。何を見たらいいかわからなくなるから。

典型的なのが映画。シネコンが増えて選択と集中が同時に起こるようになった。だからヒットする映画はどえらくヒットするようになる。一方、いままでミニシアターに出かけないとみれなかった作品も、そんじょそこらで見れたりする。集中と拡散が同時に起こってる、わけよ。

まあそれはいいとして、今度はひとつのサイト上で考えてみよう。WEBサイトは当初、何でも無限に詰め込めていいね、って思われてた。でも、ここでも、何を見ればいいかわからない現象が起こるんだ。

ぼくは紙の日経の読者だけど、NIKKEI NETもしょっちゅう見る。トップページに行くと、大きめの見出しのニュースがひとつ。その下に5つニュースが並ぶ。それでもって、その下にはズラズラズラズラーっと、ある程度のカテゴリー別にニュースが並ぶ。

するとね、もう、どれが大事なニュースかわからなくなる。どれがぼくの知りたいニュースなの?ぼくが知りたいニュースがどれかを知りたい。そんな気持ちになってしまう。

これからは”レコメン”だと思うんだ。ぼくが知りたいニュースがどれかを知らせてくれる、そういうことじゃないと価値が出ない。

これはよく考えたら不思議だ。インターネットはプル型メディアなのだから、網羅してあげれば、自分で選べるからいいんでないの?いや、そうじゃないんだ。そうじゃないことにネットが変わってきているんだ。みんながプル型メディアを自在に使いこなして必要な情報をうまくとりだすほど、お利口さんじゃないんだよ。

とくに”メディア”たるためには、もっと親切じゃないといけない。みんな実は、もっと自堕落だ。もっとラクに”重要な”情報を知りたい。

新聞社は膨大なニュースを集められる。でも、それだけでは経済価値を発揮できなくなっている。自堕落な読者に、お気楽に、でも的確に、必要な情報を送り届けてあげる。それができてはじめて、ニュース収集システムがマネタイズできるんじゃないかな。

とは言え、レコメンシステムはもっと進化しないといけないだろう。Derek Trucksを注文して以来、ぼくのアマゾンは毎回、彼のアルバムをレコメンしてくるんだよなあ・・・

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