広告業界は最近、非常にわかりやすくなっている。大手代理店は上場しているので、投資家向けに月次売上高をWEB上で報告している。テレビ局も上場しているけど彼らは四半期ごとの発表なので、代理店の方が姿勢がクリアだね。
電通の6月の数字がこないだ発表された。4月5月の数字と合わせてみて驚いた。3カ月連続、前年比マイナスなのだ。
内訳もちゃんと発表してくれているので、3カ月の数字をまとめてみると、合計が96.5%、新聞84.8%、雑誌94.6%、ラジオ92.9%、テレビ98.3%となっている。ようするに、マス4媒体がどれもこれも前年より減っている。
ちなみに去年も前年比ダウンだった。下げ幅は去年の方がむしろ大きい。これは、一昨年は5月6月がワールドカップで広告売上げがかなり上がったから。一昨年の反動で去年は下がったわけ。
ということは、今年のダウンは去年さがってさらに下がったことになる。なんだか深刻だぞ。
電通以外の、博報堂・大広・読広はグループなので一緒に月次を発表する。ADKも発表するけど、6月の実績値をまだ出していないので4月5月の2ヶ月間しかわからない。とにかく、大手5社の数字はわかるので、集計してみた。
そしたら、電通と同じ傾向で、電通より下げ幅が大きかった。5社の数字を合わせると、会社全体で96.4%、新聞81.3%、雑誌91.3%、ラジオ94.7%、テレビ96.1%だ。さらに深刻な数字となっている。
特筆すべきなのは、”クリエーティブ”の売上が前年より下がっている点。5社合わせると94.0%だった。オーマイガッ!
クリエーティブの売上とはCMだのポスターだのの”制作費”の売上、つまりクリエイターの収入源だ。それが前年から6%も下がっている!ここ数年、媒体売上が揺れてもクリエーティブは減らなかった。むしろ増え続けていた。それが、軒並みダウンなんだ。こりゃまずい!
マス4媒体が減り、つまりテレビ媒体売上げが減り、クリエーティブ売上げも減った。クリエーティブの7割ぐらいがCM制作なんだってさ。つまり、媒体も中身も、テレビ広告が減ってるんだ!
ほんとにほんとの”メディア事変”ってことになってきた。クライアントがマス広告費、その核のテレビ広告費を減らしはじめたんだ。
だってね、この不安定な経済状況だもん。そこへちょうど”インターネットなら広告費減らせるみたいよ”という流れがやってきた。二つの状況が合わせ技で広告業界を見舞いはじめた。
いま起こっているのは、予震。ごごごごご、あれなんか揺れてない?と、気づく人が気づく段階。大半の人は、ん?揺れたの?わかんなかった。てな感じ。夏のオリンピックで、予震は一時やむかもしれない。でも、秋になったら、本格的な激震がやってくる。それが果たして震度いくつなのか。机が揺れる程度なのか。棚から本が落ちてくるのか。立っていられないほどなのか。ひょっとして建物が倒れたりするの?
あなたは少なくとも、ラッキーだね。だって予震があったの、わかったでしょ、このブログ読んで。
ほとんどの人はね、気づかないんだよ。地震が来ること、前もって知っておくことができないまま、マグニチュード7の本格的な揺れが来たら・・・みんな、どうなっちゃうんだろうね?
関連記事