イヤな試算をしてみよう〜メディア事変その20〜

まず確認しておこう。この試算の元の数字はどんな数字だろう。電通と、博報堂・大広・読売広告社の4−6月の数字と、ADKの4,5月の数字だと言った。この5社は広告代理店大手で、昨年度は合計で売上高が2兆9千4百億円あった。(ただし、ADKだけは決算期が12月なので”年度”から微妙にずれちゃうんだけどね)

広告業界(広告代理店に発注される額)はおおよそ6兆円ってことになっている。つまり、この大手5社で半分を占めているわけ。だから、この5社の数字をもとに広告業界全般のことを占える、と考えていいだろう。

5社の4−6月の数字が例年の通期で占める割合から類推すると、そしてこのまま売上高が前年比96.4%で今期終わるとすると、5社で1千1百億円の売上を減らすことになる。3%強ってことだね。さらにこの割合で広告業界全体の売上高が減少すると仮定すると、2千億円以上の減少、ということになる。

6兆円の市場が3%強の2千億円以上減る。・・・ん?数字が大きすぎて感じ取れない?・・・そういう時はねえ、個人の生活に置き換えてみるといいかも。

例えばね、年収6百万円の人が20万円減るってことだよね。・・・ふーん、なんか大したこと、ないんじゃない?・・・って感じ?だったら、夏の海外旅行をあきらめて千葉辺りですませばいいじゃない。

もちろんそうだね。でも問題はね、ここから先、また増えるのかい?ってとこなんだ。

これから先、増えるあてはない、としたら?毎年20万円ずつ減っていくだけだとしたら?もしあなたが上司から、600万円の年収を今年は20万円下げ、さらに毎年下げていくから、少なくとも増えることないから、って言われたら?どうする?辞めるよね?もっとマシな会社に行こうって思うよね?

すごーくイヤな想像をすれば、広告業界は、そういう”そんな会社いる意味ねえじゃん”って業種になりかねない、なりかけてるかもしれない、ってことなんだ。学生の就職希望の上位には電通や博報堂が相変わらず鎮座してるけど、来年からどうなることやら。

さて話をもっと絞ってクリエイティブ経営論ブログとしては、広告制作業界にフォーカスしなきゃね。

クリエーティブ売上はさらに前年比が低くて5社平均で94%だった。これはどういう数字だろう?

例えばテレビCM制作市場は2000億円と言われている。これが94%とすると、6%の120億円減るってことだね。この数字は置き換えなくても、けっこう生々しいんじゃない?2000億から120億減って、1880億円になる計算。うわ、減ったな、って感じしない?

CM制作はこの数年、大手集中傾向が続いている。市場規模の増加が止まり、代理店が安心の大手に仕事を集中している傾向も強まっているの。だから東北新社や葵プロモーションなどの大手プロダクションは売上げ数字を伸ばしている。

でもね、6%減るとすると。さすがに大きなところに影響が出るんじゃないかな。しかも売上より利益面での影響が出てくるだろう。市場が縮小するというのはそういうことなんだ。

制作費の前年割れはCM以外はもともとあった傾向なので、広告を作ることをなりわいとしている会社は今年、軒並み苦しくなる。相当深刻な状況じゃないだろうか。

なんだ暗い話ばっかじゃないか。あ、ごめん。でもさ、伸びてるカテゴリーもあるわけでね。そこいらあたりはまた、次回ね。今回は、くらーい試算がテーマだからさ。

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