このブログでは過去にもドラマの分析を試みてきた。2月に書いた「テレビ番組の新しい評価軸がつくれるか?〜2013冬ドラマをツイート分析で評価してみる〜」という記事では、ドラマのツイートを好意好感、高揚興奮、否定の3つに分類しそれが含まれる割合から何かが言えないかを考えてみた。言ってみれば、視聴率とは別の、視聴“質“のようなものだ。
ただ、これまではあえてそれと視聴率との関係にはふれてこなかった。ふれようとしてもよくわからないし、視聴率とはちがう角度での指標が作りたかったからだ。でも一方で、視聴率とも何らかの相関性があるはずだとも思っていた。それにそこで何か言えたらみんな注目してくれるだろう、という欲もある。
そこでこれから数回、Twitterと視聴率の関係をやや強引に考察していきたい。
使わせてもらったのは、NECさんが展開しているソーシャルリスニングツール、「感°(かんど)レポート」だ。これ、かなりテレビの分析を意識している。もともとはBIGLOBEで磨いてきた分析技術だったのを、親会社であるNECの放送機器の部門とくっつけて、放送局向けのサービスとして売り出し中とのこと。ソーシャルテレビにぴったりかもしれない。
これを使うと、番組に関するTweetがどう動いてきたかが分かる。それだけでなくいろんな分析ができるのだが、まずは基本機能を使ってみた。
そして、この春のドラマの分析をする前に、冬ドラマの決算をしてみたい。かなり独断的な分析になるが。拾ってみたのは、「ビブリア古書堂の事件手帖」「最高の離婚」「とんび」の3タイトル。何を見たいかというと、後半伸びるドラマの傾向だ。ちなみに「ビブリア古書堂」は剛力綾芽主演の月9で、14.3%でスタートしたがその後伸びず、最終回は8%台で終わった。一方「最高の離婚」「とんび」はスタートはそれぞれ13.5%と17.0%と好スタートを切り、最後は12.7%と20.3%と後半伸びていった。
その明暗が、Tweet数に如実に出ている。
感°レポートで出てきた結果をさっそくグラフで見てみよう。
わかるだろうか。最初の方でどん!と大きく伸びている緑の線が「ビブリア古書堂」だ。これについては前に「ビブリア古書堂はDisられ続けるのか」と題した記事で書いた。原作好きな人たちがドラマを見て、原作との違いが気にくわず大ブーイングしているのだ。
それが第二回からすとんと落ちてしまっている。Disられ続けることさえなく、つぶやきの件数そのものが減ってしまっている。
ちなみに、視聴率はこれと比例してはいない。第二話以降も12%とか11%ぐらいは保ってはいるのだ。
それと比べると、青い線の「最高の離婚」えんじ色の線「とんび」は最初は「ビブリア古書堂」と比べるとTwitter件数は地味なスタートだ。それが後半にぐぐぐっと伸びているのが分かる。この動きも決して視聴率とそのまま連動はしていない。ただ、最終回に向けてじわじわ上がっているようだ。
つまり、ここでの結論として、最終回に向かって視聴率が伸びるだけの見られ方をしているか、逆に盛り下がっているかどうかだ。直接連動はしないけど、Twieerでの動きから“気配”は感じられるということだろう。
冬ドラマがこうだったのなら、春ドラマは現状どんな動きを示しているか。ビブリアタイプなのか、とんびタイプなのか、そこが見えたら視聴率が予測できるかもしれない。
そのあたりをこれから少しずつ解き明かしてみるよ。
関連記事