昨日の夜のこと。いつものように「BIZスポ」を見終わって、そのあとの「時事公論」も見るともなく見て、さらに何となくチャンネルをそのままにしていたら、またニュース番組がはじまった。ん?またですかい?ところがそのニュース番組、画面の中に津田大介さんがいるではないか。
おや?ネット情報の番組かな?・・・いや、ニュース番組だ。逃亡中の犯罪者について報道している。
そして、画面の下に何かコメント的な文章が・・・ほほお。これは、つぶやき、ではないか。黒い帯の上に、明らかにツイッターのつぶやきが表示されている。
さらに後半では、視聴者のつぶやきを、写真のように大きく表示したりして。ううーん、これはつまり、ソーシャルテレビだわ。
ソーシャルテレビをどう実現するのが早いか、という議論がある。テレビがスマートテレビ化し、番組画面の横にツイッターを表示するやり方が考えられる。テレビの画面ではなく手元のスマートフォンやタブレットで別の画面にツイッターを表示する手法もある。前者を1画面方式、後者を2画面方式と呼ぶ。これは、野村総研の山崎秀夫さんに教わった分類。
2画面方式の方が、すでに普及しているiPhoneなどを活用すればいいので、話が早いんじゃないか、という考え方が主流を占めているのが現状。
ところが、NHKはそんな議論を軽々超えて、自ら1画面方式の放送をしている。別ウィンドウでツイッターを表示する、なんてまだるっこしいことしなくても、番組映像の中にツイッターを表示させればいいんでね?そう言われている気分だ。
NHKのソーシャルテレビ番組は、実は今週もうひとつ放送された。「おやすみ日本」という実験的な番組だ。
宮藤官九郎を中心にした出演者が、視聴者を眠らせます、という番組。「眠いいね!」ボタンが納得のいくだけ押されたら、その時点で放送終了という冒険企画だ。
「眠いいね!」ボタンとは、テレビのリモコンについている青ボタンのことだ。これを押すと、「ぼくは眠たくなったよ」という意思表明になる。
その時点で双方向のソーシャルテレビだと言えるのだけど、それだけではなかった。番組に寄せられるつぶやきを表示するのだ。この場合は、画面の中ではなく、リモコンの”dボタン”を押すと出てくるサブ画面上にツイッターを表示している。それが上の写真ね。
つまりこの写真は、番組の画面、ではなくて、番組放送中にボタンを押して呼び出してこうなったのだ。へー、と思った。データ放送でこんなこともできちゃうんだ。
これも1画面方式ということになる。なんだ、テレビをスマートテレビにしなくても、放送側でソーシャルテレビできちゃうんだなあ。
それにしても、このところのNHKの大胆ぶりはどう?いま、いちばん新しいことやるのはNHKになっちゃった。ソーシャル関係以外でもいろんな取り組みをしているしね。
いちばん真面目で保守的なテレビ局だった気がするけど、いまやちがう。もっとも革新的なことをやっているかもしれない。やるなあNHK!
ソーシャルテレビはもちろん、NHK以外でも、放送局によるもの以外でも、どんどん、ぐいぐい出てくるだろう。2012年は、どうやら騒がしいことになりそうだぞ!
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