NOTTV「AKBのあんた誰?」には、メディアとコンテンツの未来像が見える!

前回の記事「おかしな風が吹いている〜実際に変わりはじめたメディアとコンテンツの関係」は、思いの外たくさんの人が読んでくれてうれしかった。たぶん、ジャーナリストの西田宗千佳さんがつぶやいてくれたのがきっかけだと思う。いやー、西田さん、ありがとうございます!


その記事ではこういう図を描いてみたのだった。一対一対応だったコンテンツとメディアの関係が、こんな感じになる。複数のメディアをコンテンツが形を変え品を変えて飛び交うようになると。

で、今回はさらに続きを書いていこうと思う。そして、今日取り上げるのはとっておきのネタ、AKB関係だ。このブログでAKBをとりあげるとは、って思うでしょ?

NOTTVで放送中の「AKBのあんた誰?」という番組がある。・・・あれ?NOTTV知らない人いるの?はい?名前は知ってるけど、何かがわかってないって?えーっとね・・・スマートフォン向けの放送局で、最新のドコモのスマートフォンならかなりの機種で対応している。3つのチャンネルでほぼオリジナルの番組を流しているのだ。ドコモや民放キー局などが出資してできた放送局なので、力が入っている。資本力も人材もしっかりあるので、けっこう番組制作で頑張っている。

そのNOTTVで月〜金17時に放送しているのが「AKBのあんた誰?」。タイトルから想起できるように、AKBの中でもテレビなどで名前が出ていない、マイナーなメンバーが出演する。AKBなのにあんた誰だっけ?という意味だね。

この番組について、プロデューサーの方に聞いたのだけど、いろんな面で画期的なのでここで紹介しよう。まさに上の図になっているのですよ。

AKBはGoogle+をメンバーが活用していることで知られる。「あんた誰?」にも番組プロデューサーのGoogle+アカウントが存在する。“yudai takenaka”と名のるそのアカウントは、番組のウォールにもなっている。つまり、番組に関する意見や感想がファンからそのアカウントめがけて書き込まれるのだ。

大まかな流れはこんな感じ。
・番組放送中(17時) yudai takenaka上にいわゆる実況板が立ち、放送を観ているファンが次々に書き込む

・番組終了後(18時〜) yudai takenaka上に今度は感想を語りあうスレッドができる。かなり真剣に、あの子にはこういう魅力があるのでもっとこういう企画などをやるべきだ、といった意見が出てくる。

・次回に向けて(20時〜) yudai takenaka上に今度は翌日の放送に向けての板が立つ。AKBのメンバーは忙しいので次回に誰が出るのかもこのあたりに決まる。ファンたちの意見が飛び交う。

・再放送中(23時) この番組は17時からの放送を23時にも放送している。yudai takenakaに再放送を視聴中の書込みがつらなる。意外にも17時からより23時からの再放送の方が盛り上がるのだそうだ。

・再放送後(深夜) yudai takenaka上で翌日に向けた意見が飛び交っていく

こうしたソーシャルメディア上での書込みを、スタッフはちゃんと読み、ちゃんと受け答えをする。ファンも非常に目が肥えているので大いに参考になるのだそうだ。何しろ彼らはAKBのメンバーをよく知っている。どの子の魅力がどんな企画で生かせるかをスタッフにアドバイスできる。

時にはそこに出演するアイドルも加わる。スタッフと出演者、視聴者が一体となって議論する、これまでのメディアでは考えられない場が出現しているのだ。

さらにこの番組は週に一本をYouTube上の自分たちのチャンネルで放送後に丸々配信している。NOTTV端末を持ってなくても一部ながら視聴可能だ。

もうひとつ、この番組は秋葉原の会場からの中継の形式だ。つまり番組であるだけでなくリアルな場でのイベントでもあるのだ。

NOTTVで放送する番組が第一義的なコンテンツだが、Google+でのファンとのやりとり、Google+でのファンとの会話、そして放送時に開催されるリアルイベントも含めてのコンテンツなのだ。

そうすると、こんなイメージかな・・・

こんな風に捉えると、この番組がいかに画期的な状態になっているかわかる。一定の形がなく、ファンと一体になって番組を作る。というより日々進める。

いきなり”コンテンツがコミュニティに”と書いたけど、まさにそうなのだ。いったいこれはテレビ番組と捉えるべきなのか、わからない。コミュニティと捉えた方が把握しやすいのではないか。

さらに、これはNOTTVの番組だがYouTubeで一部を公開していたり、イベントもあったり、そもそもGoogle+上でも”コミュニケーション”が展開されるわけで、どのメディアの番組なのか、というより番組ではないのか何なのかわからない。

ただ、とにかく重要なのが、出演者と制作者と視聴者がそれぞれの役割で頑張っている。視聴者の方も頑張っているのだ。

CGMという枠組みがあって、もうプロが制作するんじゃないもん、視聴者が自らコンテンツを制作するのさ、ということだった。そうなるとプロの生きる場所はないのか?と困惑する声もあった。

でも「あんた誰?」はCGMとはちがう方向性を示している。制作者は、そして演者は、ファンと”一緒に”コンテンツをつくっていくのだ。というよりコミュニティを運営していくのだ。

このところ書いてきたことに、何か大きなヒントを「あんた誰?」はくれている。そして、もっと前から書いてきた”もう消費はダメになるの?じゃあマーケティングはどうなるの?”というテーマにも答えの道筋が見えてくる気がするんだよねえ・・・

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