「シェアの時代の著作権」をぼくたちは見いだせるのか?〜7月15日の境塾を前に〜

前々から告知してきた7月15日の境塾が迫ってきた。今回は著作権をテーマに、MIAU代表理事・小寺信良さんと弁護士・四宮隆史さんをお招きしてのパネルディスカッション。80名の定員はけっこう余裕見てのつもりだったのだけど、かなり埋まりかけている。ATNDでの申込なので、迷ってた方はどうぞここをクリックしてとりあえず参加しちゃえ!

さて先日、お二人と下打合わせ、と称する食事会を行った。もはやその席での会話が面白かったので、これはよい催しになるなと予感したです。

で、当日参加する人は少し予習しておきましょう!

例えばここを見ておくといいと思う。文部科学省が改正案を事前に公開しているのね。そしてよく読むと、今回話題となった違法ダウンロード罰則化が入ってないことに気づく。国会に提出された時点では入ってなくて、採決直前にぶちこまれた要素なんだって。なんだなんだそれは。

そして上のサイトからわかるのは、違法ダウンロード罰則化以外にも知っておいた方がいい改正点もあるということ。15日にはそのあたりにも少しはふれたいと思う。

ところで著作権の話をしているとナーバスな反応をしてくる人もいる。「違法ダウンロード罰則化には気になる点がある」と言った時点で「では著作権をどうやって守ればいいというのだ?!」と問い詰めるように言ってくる。待て待て待て、ちょっと待ってね。

違法ダウンロードを”罰則化”することについて言ってるんであって、違法ダウンロード万歳!と言ってるわけではない。罰則化が逆効果になるんじゃないかとか、中高生に”はい、罰金200万円ね!”とか言ってもしょうがないよ、ということ。逆効果かも、という点はホントによく考えた方がいい。”止められない”流れなんだよ。

いまの著作権の考え方はこれまでのメディア産業のあり方を背景にしている。パッケージメディアやマスメディアなど、非常に限定的な流通経路の中でコンテンツが視聴されてきた時代。音楽の複製をつくるには大きな投資が必要だったし、映像を人びとに送り届けるにはアンテナを国中に立てて特殊な機材を使って特別な場所から電波を送り出す必要があった。

この時代つまり20世紀、メディア産業が大きく花を咲かせ発展した。そして、そこで生活する人がどんどん増えていった。音楽や映像の”プロフェッショナル”が誕生し、その技術が次の世代、また次の世代へ継承され進化していった。

この10年ほどでそうした体系が一気に変わった。変わったんじゃないか、上に書いた体系とはちがうやり方で音楽や映像を制作し、複製し、不特定多数に送り出せるようになった。

もうあらゆる表現はオープンになっちゃったのだ。

このところぼくの娘がピアノで練習しているのは、ニコニコ動画上で人気を集めた、誰が作ったのかよくわからない曲で、誰だかよくわからない人が映像を勝手につけて、それをみんなでコメントしあいながら楽しんでいる。楽譜も誰かわからない人が作ってくれている。

少なくとも、そういうコンテンツの楽しみ方をしている人びとに、旧来的な著作権を語っても、そもそも意味がわからないかもしれない。きっと彼らはこう言うのだ。「音楽や映像を作ったら、できるだけ多くの人に楽しんでもらった方がうれしいんですけど。どうしてそんな著作権とか言わないといけないんですか?」

だからと言って、何でもかんでもダダ漏れでフリーでゆるく楽しもう、と言いたいわけではない。ただ、とにかく時代が変わりつつあるのだ。”シェアの時代”がはじまろうとしている。

レコードとフィルムの時代ではもはやないのだ。

さて15日の話に戻すと、このイベントではもちろん後半で参加者の質問も受け付けたい。当日手を上げて聞いてもらえばいいのだけど、事前に質問をしてもらってもかまわない。

このブログのコメント欄でもいいし、Facebookページ”境塾”で質問してもらってもいい。あるいはTwitterのぼくのアカウント(@sakaiosamu)に話しかけてもらってもいいし。必ずとりあげられるかわからないけど、とにかく質問出してみてくださいな。

では参加するみなさんとは、当日、お会いしましょうね!

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