2000年代はメガヒットのシリーズ作で持ってた〜2011年映画産業統計を見て〜

先週発表された2011年の映画産業統計をもとに記事を書きはじめた。興行収入の大幅ダウンは震災の影響だけではなさそうだ。2010年の史上最高の興行収入(約2200億円)は逆に大きなターニングポイント、ひとつの絶頂だったのではなかろうか。

これからはじわじわと下り坂が続いていくのかもしれない。そんないやな予感がする。二回に分けてそんなことを書いてきた。

前回の記事の中で”2000年代はメガヒットのシリーズ作で興行が持ってた”と書いた。実際どうなのだろう?90年代から、邦画と洋画のランキングトップ作品の数字を見てみよう。ただし90年代までは配給収入、2000年代に入ると興行収入が発表されている。

興行収入は劇場入場料の合計額。そこから劇場側の取り分を差し引いて配給会社に入るお金が配給収入だ。ケースバイケースだが大ざっぱに言えば興行収入の半分が配給収入だ。

やや乱暴だが、90年代の作品は配給収入を倍にした金額にして書き並べよう。

       邦画        洋画
1990年 天と地と(101億) バックトゥザフューチャー3(110億)
1991年 おもいでぽろぽろ(37億) ターミネーター2(115億)
1992年 紅の豚(56億) フック(46億)
1993年 ゴジラ対モスラ(44億)ジュラシックパーク(166億)
1994年 平成狸合戦ぽんぽこ(52億) クリフハンガー(80億)
1995年 耳をすませば(37億) ダイハード3(96億)
1996年 ゴジラ対デストロイヤ(40億) ミッションインポシブル(72億)
1997年 もののけ姫(226億) インディペンデンスデイ(133億)
1998年 踊る大捜査線(100億) タイタニック(320億)
1999年 ポケモン(70億) アルマゲドン(167億)
2000年 ポケモン(48億) M:I−2(97億)
2001年 千と千尋の神隠し(304億) A.I.(97億)
2002年 猫の恩返し(64億) ハリーポッター(203億)
2003年 踊る大捜査線2(173億) ハリーポッター(173億)
2004年 ハウルの動く城(200億) ラストサムライ(137億)
2005年 ハウルの動く城(196億) ハリーポッター(115億)
2006年 ゲド戦記(76億) ハリーポッター(110億)
2007年 HERO(81億) パイレーツ・オブ・カリビアン3(109億)
2008年 崖の上のポニョ(155億) インディジョーンズ(57億)
2009年 ROOKIES-卒業- (85億) ハリーポッター(80億)
2010年 借りぐらしのアリエッティ(92億)アバター(156億)
2011年 コクリコ坂から(44億) ハリーポッター(96億)
※ハウルの動く城は11月公開のため二年にまたがっている。ちなみに2004年のハウルの次は「世界の中心で愛を叫ぶ」(いわゆるセカチュー)

これを見ると一目瞭然だろう。2000年代がいかにハリーポッターに覆い尽くされていたか。パイレーツ・オブ・カリビアンがトップに登場するのは一度だけだが、もちろん他の年でも同シリーズはメガヒットだ。そしてジブリ映画。それから「踊る大捜査線」だ。

興行収入の中でこういうシリーズ作品(ジブリ映画はシリーズではないけど)がいかに大きかったか。

つまりね・・・・うとうと・・・お、いかん、眠ってしまった。ここからいよいよ考えを書くところなのに、上のデータ抜き出しにえらく時間がかかってしまった。

というわけで、また次回ね・・・

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