ロックンロールは年老いてしまった〜iCloud発表を横目に〜

いま、午前2時半。AppleがiCloudを発表するというのでPCの前で粘ろうと思ったのだけど、海賊的なUstでしか見れないし眠たくなってきた。だからちゃんと着地する文章が書けるか自信ないけど、書き進めてみるよ。

今日ぼーっとテレビを見ていたらユニコーンが出てきた。去年だか再結成したんだよね。47歳なんだって。ほぼ同い年じゃないか。

ユニコーン、そして解散後の奥田民生の曲はぼくの人生と重なっていて、会社員だった頃、カラオケで”会社とは何だ人生とは何だーーーーーっ!”と「ヒゲとボイン」を唄いながらいつ辞められるかを考えた。会社をホントに辞めてフリーランスで働き出したら「イージューライダー」を唄った。生まれたばかりの子供を前に「息子」をギター弾き語りで唄って聞かせた。

そんな奥田民生が47歳なんだって。奥田民生がぼくと同世代のいいおっさんなんだから、ロックンロールの神様たちはもう老人になってしまった。

高校生の頃、ロックンロールだリズム&ブルースだと躍起になってた頃、ロックンロールがいつか年老いることは想像だにしていなかった。でもいまやミック・ジャガーとキース・リチャーズは70歳手前だし、エリック・クラプトンも60代半ばだ。老人になっても元気にシャウトしたり、でかい音でギター鳴らしたりしているのはいいのだけど。

でもロックンロールを老人がやるようになるなんて夢にも思わなかった。

ずいぶん前に「Rockの矛盾、Macの矛盾」という記事に書いたけど、ロックンロールは明らかにその出自からして反体制の思想が織り込まれている。

でもロックンロールは、資本主義まみれの20世紀と一緒に、年寄りになってしまった。もう、アンチテーゼをシャウトする意味がなくなりつつある。

こないだ出たセミナーで池田信夫氏が言っていたこと。いまはクリエイターが増えすぎたのかもしれません。18世紀とか19世紀なんて頃は、音楽だけで生計を立てられる人はいまよりずっと少なかったのです。モーツァルトのような大天才が宮廷に召し抱えられるぐらいで、大多数の音楽家は音楽では食えなかった。それが20世紀になるとマスメディアの発達で音楽家にしろ小説家にしろ、19世紀より格段に多くが食えるようになった。「プロのジャーナリスト」も成立できた。

マスメディアに流れていたお金が細っていくと、音楽で食える人は少なくなるでしょう。プロのジャーナリストも成立しないかもしれない。

でも、別のことで生計を立てながら、多くの人に自分の音楽を聴いてもらう手段は逆にいま増えている。ジャーナリストもプロでなくてもよければ、ブログなどでいくらでもレポートを世に伝えられる。それはそれで悪くない状況かもしれませんね。

この池田信夫氏の話は、先週佐々木さんの話から書いた「モジュール論」とどこか近いかもしれない。

ロックンロールは年老いてしまった。そしてその役割も天寿が近いのかもしれない。もう、一昔前ほどの数の音楽家は、世の中が養えないのかもしれない。

だからiCloudなのかもしれない。

もはや、ロックンロールを後生大事にCDのようなパッケージメディアで”所有する”意味はあまりなくなってしまったのかもしれない。ビートルズのホワイトアルバムっておれ、CDで持ってるんだっけ?いやいや、こないだiTunesで買ったからiCloudからとり出せるんだった。よしiPhoneで呼び出そう。あれ?ちがった?買ってなかった?おかしいなあ、記憶違いか・・・ま、いいか、いつでも聴けるよな・・・

ロックンロールはその程度になったのだろう。

iCloudが音楽の価値をおとしめているのだ、なんてことを言ってるんじゃないからね。あえて言えば、音楽そのものがすでにもう、価値が下がっちゃってるんだ。この50年ぐらいかけて、下がっちゃった。だってもう、ギター弾けるヤツなんていっぱいいるんだもん。

Twitterを眺めていると、どうやらすごい発表があったみたいだ。次のiOSにはあらかじめTwitterが内蔵されているとか。そりゃすごい!

でもごめん、もう眠たいわ。何が発表されたか、起きてから聞くから、誰かまとめといてね。よろしくー

あ、忘れるところだった。Facebookページ「境塾(SAKAIjyuku)」もよろしく。「いいね!」押してってね。

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