前回に続いて、「第一回・リアル境塾」の続きを書くよ。
ミドルメディアの定義から入って、その周辺の言葉を挙げてみた。前々から佐々木さんに確かめてみたかったの。
ずいぶん前に聞いた講演で「スワンプ」という言葉を使っていた。「湿地・沼地」のような意味。それから『キュレーションの時代』の中では「ビオトープ」という言葉も使っていたでしょ。「生物生息空間」と訳される。
これらはね、いずれも、生き物たちがひっそり生きてる場所、っていうイメージがあるでしょ?
この2つの言葉とミドルメディアは、何がどうなの?と聞いてみた。
佐々木さん曰く「メディアという言葉はどうしても上から目線で捉えた感じになってしまう。もっとその場所にいる側からの言葉として使ってみた」のだと。
ふーん、なるほど。それで「生き物」の言葉になってるんだな。
つまりね、上からじゃなくそこにいる側から、だから生き物の言葉。でも、マスメディアみたいにどどーんといっぱい生き物がいるんじゃなく、それぞれの分野ごとにひっそりいるから、湿地とか生息空間とか、そういう意味の言葉を使った、ってことみたいだ。なるほどねー。
鉄道マニアには鉄道マニアが生きている「スワンプ」がある。ドールハウス好きにはドールハウス好きなりの「ビオトープ」がある。そういうこと。そして彼ら向けのメディアが成立したら、「ミドルメディア」だということになるんだろう。
それから、ミドルメディアとビジネス、のような話になった。ここで佐々木さんが力強く言う。「もうマスメディアはビジネスとして成立しないじゃないですか」
こういうことを断言するのが佐々木さんの強さであり、多くの人を惹きつけるところなんだろうなあ。言いにくいことをズバッと言う。前にリストラブログで話題になった”たぬきち”さんが佐々木さんのことを”剣豪”と表現していたけど、まさしく!
ただ、「マスメディアは成立しない」と言い切ることは、佐々木さんなりのパフォーマンス、とも言えない状況だ。少し前に「もはや、問題は生き延び方になってきた」のタイトルで書いたように、ホントにビジネス的に危ういのが2011年だ。少なくとも、いまの規模は成立しなくなるだろう。
いまの規模というのは、各分野のマスメディア企業と、そこから連なる制作会社などが、現状の会社の数とか、働く人の数とかを、支えられなくなってしまう、ということだ。ぼくがこのブログを書きはじめたのも、境塾でみんなで学ぼうと考えたのも、その荒波をどう乗り切るかを模索するためだ。そこんとこ、今年はいよいよホンキで考えないわけにはいかなくなった。
テレビや新聞や出版社が、いきなりすべて無くなってしまうわけではない。そんなはずはないけど、いまの数は支えられなくなる。そこはもう、秒読みと言っていいんじゃないかな。
などとあらためて危機感をあおりながら、さらに続くよ・・・
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