ソーシャルコンテンツ構想・その1〜意外にコトバが重要になってくる〜

週末はAppleTVについて書いたりiPadで出す『ポーのクリスマス』について書いたりした。でもここでこのブログの”本業”に戻る。

少し前に書きはじめると宣言したので”ソーシャルコンテンツ構想”の中身を進めたいと思うんだ。でもね、行く先はよくわからない。行き当たりバッタリで書き進めていくうちに、行く先が見えてくるんじゃないかな。

ソーシャルマーケティングについて、胸を張ってものを言っている人を見ると、尊敬もするけど、そんなに言いきっちゃっていいのかな、とも思う。だってはじまったばっかりで、これからどうなるか、どうしたら効果的かなんてわかんないっしょ。もちろん海外とくにアメリカの事例なんかは参考にできるだろうし、Facebookがこれから日本でも伸びるのであれば、その特性は先にわかってる人から聞きたいものだとも思うけど。

でも総じて、わかんないよ。去年の今ごろ、Twitterがこんなに一般的で活発になるなんて思わなかった。それに、それでもなお「えー?Twitterって一部のあたらしもの好きがハマってるだけだろ?」という人が多いのは何度もここで書いてきた通り。予算の決裁権がある人に限ってそんな反応だから、ビジネスでの活用は、まだまだまだまだなんじゃないか。

だからここで、少しずつ、確かめながら、ソーシャルコミュニケーションについて解き明かしてみたいと思うんだ。

それから、ソーシャル”コンテンツ”としているのもポイント。いまのソーシャル活動は、まだまだそれ単独のものが多い。ぼくは、ソーシャルと、コンテンツパワーが組み合さることで大きな力になると思っている。それってどういうことかも、これから少しずつ説明していくつもり。

で、最初のテーマは”コトバ”としてみた。”その0”を書いた時に”白くまピース”と名乗る方から、コトバについて、から書きはじめてほしいと書き込みがあったもので、そうしてみたよ、白くまピースさん。

ぼくは少し前まで、コトバの役割はどんどん縮小していくのだろうとしょんぼり考えていた。しょんぼりするのは、ぼくが元コピーライターだから。広告コミュニケーションがその軸足をどんどんデジタルに置くに従って、これまでのコピーライターなんてやることがなくなる。そんな風に思っていた。

これまでの流れでは、確かにそうだったのだろう。でも、ソーシャルツールが登場すると、ずいぶん話が変わってきたと思う。

全国津々浦々のコピーライターの皆さん、大丈夫。ぼくたちの職能は新たな地平でちがった形ながら、必要になってきますぞ!

それはね、ぼくが、ぼくの活動そのものが、そうだから。

そのことに、自分自身、最近まで気づいてなかったのだけど、考えてみたら、ぼくがいまソーシャル空間でイキイキできているのは、コトバの人だったからなんだわ。

ソーシャルで必要になるコンテンツは、まず、コトバ。基本が、コトバ。でしょ?

しかもね、140字とかの短い制限の中でうまく伝えないといけない。ブログのタイトルだって、短くてインパクト強い方がいいでしょ?それってコトバの能力なんだ。しかもね、書きコトバの能力なの。文字を書いてどう伝わるか、うまく伝わるか、という力が問われる。

コピーライターって、書きコトバの職人なんだよね。会話が上手かって言うと必ずしもそうでもない。上手なのは、”お話”というより”文字での表現”なの。

そんな書きコトバの職人性は、これから必要になると思う。ニーズが増すと思う。頼むよ境ちゃん、とか言われると思う。だって何度も言うけど、ソーシャルの基本はコトバだから。

ただしね、”コピーライター”という概念ではなくなると思う。ぼくたちがコピーライターという肩書きに込めていた思い入れからすると、いくぶんか軽いものにはどうしてもなっちゃうだろうね。

例えば、今後のソーシャル上でのコトバは、レイアウトなんかされない。デザインなんてしてもらえない。アートディレクターが写植を2通り発注して、境ちゃん、ここはゴシックもありだけど、やっぱり明朝のがいいね、なんてやってくれない。どんな書体で自分のコトバが表現されるかは書いた人にはわからない。

それから、コトバが基本になる、のだけれども、コトバをじーっくり眺めてくれる、なんてこともない。「おいしい生活」うーんなるほど、この”おいしい”の部分に生活の豊かさを込めているのですね、なんて観賞してもらえない。そういう、コトバが持つ複雑な意味合いとか、ふくらみとか情緒とか、彫り込んでもしょうがなくなる。もっとパパパッと機能するコトバの使い方が求められる。

でも一方で、”気持ち”が伝わるようにもなる。誠実さとか、懸命さとかが、アイデアだのパッと見の上っ面的強さだのを凌駕する。真摯にコミュニケーションのテーマに向き合って、誠実に相手に相対して、伝えたい意志をちゃんとコトバにすれば、ちゃんと伝わり反響も必ず出てくる。

コトバで身を立てていこうという人にとって、コピーライターというキャリアプランが一度消えうせるのかもしれない。でも、別の呼び方になったとしても、これまでで言う”コピーライター”が生きていく場所は、必ず存在する。しかもかなり重要な場所として。

ただ、そういう人たちがどこで育っていくのか、何と呼ばれるのか、具体的にどんな領域が仕事になってくるのかは、ちょっとまだまだわかんないね。これからだんだんできていくんだろう。できていくというか、若い人たちが中心になって彼らが作り上げていくのだろうね。

あ、白くまピースさん、あなたかもね、つくるのは。ね、やってみたら?ふんばれば必ず道ができるのは、ぼくが保証してあげる。保証と言っても、”はい、できますよ”と言うだけなんだけど。実際に道をつくるの、やってみて。ぜひ!・・・・・

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コメント

  1. twitterは、現状の興味に関して、輪をかけて、ひっかかってくる人。いわば、ナンパ延長での、つながりです。土曜日に同窓会をしたのですが、なつかしいものとか、例の「思い出スイッチ」が含まれているのは、やはり、facebookです。実名で、twitter公開している人は、方向性、というか、関係性的には、一方通行的に、facebookです。portrait文化のない日本では、微妙だと言われていますが、今の気持ち(ナンパ優先)と過去の気持ちに起因される気持ち(思い出にリンクされていること優先)によって、はっきり区別されるような気がします。facebookのほうが、閲覧等の権限設定が、詳細にできていく気もしますし、商行為との結びつきも、しっかりしているので、twitterが、今後、どういう変化に持って行くのかは、興味のあるところです。

  2. すごくうなずいて、境さん、よくぞ書いてくれました、という気持ちになりました。先日(先週)の某所のトークイベントで話されていたのも、主旨の骨としてまったく同じ方向だった。時代や環境がどんなに変わってもコトバが機能しなくなるなんてことはないし、その時代を、どう進んでいくかは進んでいく自分たちがみつけていかなくちゃいけないものね。私も taxerさん頼むよ、と言われるようにがんばっていきたい!という気にさせていただきました。

  3. 境さん、こんにちは。白くまピースです。かゆいところを気持ちよく書いて(?)いただいて、たいへんありがとうございます。境さんのことがいっぺんに大好きになりました。焼け跡ではもはや、観賞用のことばは重宝されない…一抹の淋しさがありますね。そうなると、今にはじまったわけでもないですが、コミュニケーションの本質として、ことばになる前の、こころの在り方がますます大切になる。コピーの本質も良心であるとぼくは思っています。今後の連載も楽しみにしています。ありがとうございました。

  4. まだまだメールがやっと普及し始めてきた頃、CWの大島征夫氏が「再び文字の時代がやってくる」と宣言していた。最近辺りを見渡してみると彼の予言通りだなって思う。JWヤングだったかが「辞書を見て何にもなかったというのはどうかしている。その人は辞書が短編小説集であることを知らないだけだ」と言っている。司馬さんはさらに踏み込んで、「民族のアイデンティティを煮詰めに煮詰めたにこごりが言葉だ」つまり、至極当たり前の事ながら、言葉は文化、思想、歴史、希望、妄想、感性・・・であると同時に画像、映像、時には音楽や舞踊にさえなるものだと思っている。本文にも書いてあるが、“改めて文字、コトバの時代”だとしても、そのことが“職人”としてのコピーライターのルネサンスになるかどうかは定かではない。むしろ、違うと思う。安藤忠夫、坂本龍一、北野武、高田賢三たちが発してきたコトバはもの凄く強烈だ。もっとテーマに添ったところで言っても、ジョブスや孫正義のコトバはとても強力である。そんなコトバを時代は欲しがっている。

  5. ↑筆が走り、相当に大上段に振りかぶってしまったことを反省。でも、「気分」だけは諒解して貰えると思う。

  6. 糸井重里さんのことですが、大尊敬しています。1101のサイトをちゃんと儲かる仕組みを実は、1から作り上げたし。(あんまり、知られてないですが)糸井さんの「コピー塾講座」(週刊現代だったかな)に、大量にはがきを送ってましたが、一度も掲載されず、コピーライターになりませんでした。糸井さんの一番すきなコピーは、小さい代理店の人に、ボツ案として、聞きましたが、フジテレビのCM用のコピーです。「フジテレビ。6チャンネル」もう、体中から、血が吹き出そうなくらい、感動しました。

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