おさらい:iPadは革命なのか?

iPadについての新しいシリーズをはじめる、と宣言しておいて、まだはじまらないの。その前に、総集編的な記事を書いておこうと。たぶん総集編が数回つづく、はず。

それでね、久々の”図”の登場です。これはね、コンテンツ業界というか、コンテンツの作り手はどういう分類で、どういう流れで作っているかを描いたもの。これに収まりきれてない職種もあるかとは思うんだけど(とくにWEB系を整理できてないのね、許してね)、大ざっぱな概念図ということでカンベンしてくださいな。

クリエイター(という括り方が適切かはわからないけど)はだいたいこんな感じで仕事してきた。これはつまり、メディア別なんだ。もっと言うと、マスメディア別。

結局、クリエイターとは、マスメディア別なの。そうだったの。だってそういうお金の流れの中で仕事してきたからね。

iPadは、革命なのか。革命だというなら、どういう革命なのか。その答えが、この図から見えてくる。iPadは、こういうコンテンツを作る流れと、構造と、まったく別な流れをつくろうとしている。最初にマスメディアが、企業から広告費をとったり、読者や観客から購読料や入場料を徴収したりする、そういう流れとはまったくちがうお金の流れを作ろうとしているわけ。あるいは、まったく別のお金の流れを、作ろうと思えば理論上作れちゃう、そういうプラットフォームを突然ボコッと登場させたわけ。そこが革命なんだと思うんだ。

いままでは、メディアにお金が流れてくるから、それを原資にコンテンツを作っていた。マスメディアにお金が集まる仕組みを前提にクリエイターが汗水たらしてきた。そしてそこには常に、どこか、なーんか働かされちゃってる感じ、使われちゃってる感じが漂っていた。他者が集めて渡してくれるお金に対して、隷属していた。あ、すみません、ありがとうございます、とひれ伏していた。え?ここはこう修正した方がいいですか、そうですか、明日までにやっときます、徹夜で、はい。あれ?昨日寝たっけ、みんな?そんなことがフツーだった。

iPadの場合は、コンテンツそのものにお金を集める力がありますか、というのが前提。そのコンテンツに世界の普通の老若男女がお金を払ってくれるんですか、そういう魅力があるんですか、と問われる。あります、あるはずです、と信じてアプリを配信したら、ほんとうにお金がたくさん集まる可能性が、ある。理論的には、ある。あるいは、そのコンテンツに企業が広告費を払いますか、という方向もある。これも理論的にはある。広告費、集まります、ということで、コンテンツが制作できる、かもしれない。理論的には、そうなの。

でも、まだ、実際にそういう事態が起こったわけでは、ない。あくまで、理論的には、起こりえる、ってこと。

それから、とにかく配信してみようか、作ってみようか、と企画しはじめると、おそらくみんな、あれ?と気づく。いままでと同じメンバーだとできなくね?だってプログラマーってどこにいんの?それに映像って誰つくれるの?とか、InDesignいじれるやついないじゃん、とか、音声ないと寂しいけど、音声ってどうやるんだ?なんてことが、次から次に起こるだろう。だってぼくたちは、メディア別の人たちだったから。大きく括ればコンテンツ業界、同業界のはずなのに、これまでメディア別の柵を越えて仕事したことなかったからね。でもiPadコンテンツでは、雑誌編集者と、映像制作者と、音楽制作者が、一緒になって仕事する、みたいなことやってかないといけない。そうじゃないと、なんでiPadで出すの?ってことに、なりがちだろう。

そういうところも、革命なんだと思う。理論的にドリーム描ける分、いままで越えたことのなかった柵を、おそるおそる、でもどんどん、飛び越えていかないといけない。てやんでい、おれは○○○職人でい!なんて江戸っ子で意地張ってる場合じゃなくなるんだ。

iPadは革命なのか?はい、そうです、革命です。マスメディアの集金構造にあぐらかいてた人に変革を迫り、自分の職業ワールドに頑固にこだわってた人にも意識改革を迫るんです。そいでもってこの流れは、止まらないんですなあ。

@higekuma3によれば、まず最初の決戦は夏休みなんだって。今年は、熱い夏になりそうだね・・・

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コメント

  1. 今取り組んでいる仕事がまさにプログラマーってどこいんの、音声、映像ってどうやって作るの、ソレ出来るヤツ呼んで来い的な経緯で声がかかってます(笑)

  2. ozone2001さん、どもどもです。そうですか、声かかってますか。いまきっと、あちこちでそんなことが起こってるんでしょうね。ところで、上の”図”はiPadで見るとはみ出していました。iPadについて書いているのに対応できていない。なんとかしまーす

  3. 今後、各役割が縦につながるのではなく横の連携、ネットワーク型になっていくのでしょうね。iPad向けアプリだと、書かれているようにプログラマ等も必要でしょうし、AppleTVに展開する場合は従来のTV制作で必要な役割の人達に加えて他のスペシャリティを持つ人が必要になるかもしれません。そうすると最終成果物のイメージをまず明確に思い描き、各分野の仕事の見識をある程度持ち、各分野のスペシャリストとのつながりを潤沢に持ち、そして彼等に的確に仕事を発注しまとめ上げる指揮者的な役割の人が最終成果物の品質を大きく左右するのだと思います。なんか、新たなゼネコンが誕生しそうですね(笑)

  4. ってことじゃないですかね。ユーザに届けることを中心にしていけばいいのですよ。いままでは、電通の関連会社が全部用意してくれてたんじゃないですかね。twitterで呼びかければ、すぐ集まるんじゃないですかね。向谷さんの試みを見てると本当にそう思います。

  5. コメントどーもです。cotton_swabさんのおっしゃる通り、取りまとめ役が重要になってくると思います。いわゆるプロデューサーですが、ライン的な部分とビジネス的な部分と両方必要、あるいはそこも分業か。でも、ゼネコンみたいに巨大にはならないでしょう。ちいママ、みたいな。ちいゼネ、とか。で、higekuma3がおっしゃるように、そういう人を中心にソーシャルで呼びかけて集まる、みたいなことにホントになってくる気がします。もうヒミツにしててもしょーがない。OPENでいこうぜ、と。

  6. いくつかのリスクを伴うと思いますが。ある程度の企業と個人の差ですが、元そういった企業にいた個人の場合は、ある程度、問題なくやりとりができると思いますが、極端な話、中学生や就職したことのない専業主婦の場合は、問題をともなうことになるかもしれません。報酬、倫理(競合他社の仕事は受けないとか、機密とか)、権利処理(著作権、特許等)、納期管理。あげればきりがないですが、企業とやりとりしていたら気をつかわなくてもいいようなことを、つまり、電通がやってくれていた部分を自分で、しょいこむというか、(元来やるべきだった部分なんですが)自分でやるということになります。コアの部分だけ、元々、そういう仕事をしていた人(今、フリーの人)をたてるというのが、スタンダードになっていくのかもしれませんね。

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