『アバター』を追いかけられない日本〜日本映画産業論その5〜

『アバター』はすごいねと書いた。確かにそこには、映画のこれからに対するひとつの答えを見た気がする。

でも、ではそれは日本映画も共有できる答えなのかといえば、そうではないなあと思う。というか絶望してしまう。

日本映画には3Dなんか無理だよ。ハリウッドとのあまりにも大きな差に落ち込んでしまう。

『アバター』の製作費はある資料では230億円だとあった。まあ、それぐらいかかるだろうなあ。そしてそれをリクープしてなおあまりある収益を生み出しているだろう。

230億とはいかないまでも、3Dのスペクタクル作品ならとにかく製作費がかかるだろう。10億円でも十分大作の日本映画界で、数十億円の製作費なんてありえない。儲からなくていい、という覚悟でもしない限り、3D作品なんてつくれないんだ。

どうしてそんなこと言うのか?それはもちろん、このところ書いてきた映画の収益の仕組みから言えるでしょ。でももっと別の背景もあるよ。日本映画の市場は、世界第二の規模である。でも大作をつくるには小さいの。小さすぎるの。

具体的にはどう書こうか、と悩んでいたら、ちょうどいいサイトがあった。このリンク先を読んでみて。読むのが面倒なら、ページの一番下の表を見れば一目瞭然。

表の2段目に「興行収入」という数字が並んでいる。これが各国の映画の市場規模。(DVDのことは置いといた話ね)世界第2位。だけど世界第1位のアメリカと5倍ぐらい差がついている。ハリウッド映画はその上に、海外の市場がある。というか、この表の日本(1948億円)やフランス(1481億円)の数字にもハリウッド映画が入っている。

つまり、方や国内だけの2000億円の市場、もう一方は国内で1兆円近く、海外はそれ以上で合計2兆円以上の市場。もうぜんぜんかなわない。

日本映画産業は、そういう背景で、3D作品なんか作れないの。作っても市場として元がとれないの。

映画の未来は3Dにあるよ、とジェームズ・キャメロンは教えてくれた。ぼくたちは、そうだね、と答える。でもね、それはあんたたちの国の話ね、とつづける。私たちの国ではそんなの作れないのよ、あれ?だからぼくたちの国の映画には未来はないってこと?教えて、キャメロンさん・・・

ね、絶望するでしょ?・・・・

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