再生のギョーカイその2〜バブルの延長線上にあるテレビ広告〜

このグラフは前回と少し違う。テレビ広告費と新聞広告費の推移だけでグラフにしたものだ。前回と違うのは、07年以降のデータも加えてあること。09年はぼくがつくった予測値だ。予測だけど、ほぼこんな感じになるだろう。

ここからいろんなことが言える。

まず驚くのは、80年代まではテレビ広告費と新聞広告費の差が少ないこと。1.1対1ぐらいの割合で少しだけテレビ広告費の方が多い。確かに思い返すと、80年代までは新聞広告の影響力はいまよりもずっと大きかった。表現としてもテレビ広告と”競い合っていた”感がある。同じキャンペーンで、テレビCMはこう来たが、新聞ではこんな表現だった、ということはよくあった。

それが90年代になって様相が変わってくる。バブルがはじけたあと、テレビと新聞の落ち込み方には大きな差がある。テレビ広告は新聞広告ほどには落ち込んでいない。と言うより、ほとんど落ち込んでいないと言っていい。90年代後半に広告業界が”持ち直した”のは前回見たが、実際にはテレビ広告が持ち直したのだ。

キャンペーンの中での新聞(というよりグラフィック広告全般)の位置は大きく変化してくる。”競い合う”というより、”テレビCMのフォロー”でしかなくなってくるのだ。テレビCMで決まった表現を一枚絵にしたのがグラフィック広告だ。そんな位置づけになってきた。

つまりテレビの世界では”バブルがはじけた感覚”がさほどなかったのだ。そしていつの間にか、”広告=テレビCM”という感覚になってしまった。大手代理店ほどテレビ広告の比重は高く、ということは、大手代理店とテレビキー局はバブル後も発展してきたのだ。

そのテレビ広告も、2000年前後で明らかに”頭打ち”にはなった。でも結果的にぐいぐい成長した90年代の余韻は続き”まだまだおれらいけるんでねえ?”という危機感の薄さがまかり通った。10年前に総括できなかった”なみはや市”とすごくダブる姿かもしれない。

読者の中には”それは広告業界の話でしょ?おれはアニメ業界だから関係ないよ”と受けとめちゃう人もいたりする?でもね、ことテレビに関しては”メディアコンテンツ業界=広告費”なのだよ。広告費だけで運営するメディアだからね。映画製作がテレビ局主導になっていったのも90年代後半から。これも併せて考えると、こと”映像”については、テレビ広告費の推移とほとんど連動していると言えるよ。

それでぼくが言いたいのはね、テレビは、そしてつまりは映像業界全般は、去年までバブルを引きずってきたんじゃないか、ってことなんだ。”おれたちってまだ、バブルの夢の中にいるんじゃない?”ってこと。20年ほど前、90年代初頭にはじけたはずの、あの狂い咲きの時代の延長線上にのっかっちゃってない?ってこと。

グラフの右端を見てみようよ。去年からびっくりするような急降下がはじまった。2兆円あったテレビ広告費は、少なく見積もっても1.5兆円まで下がるだろう。ついこないだまでの3/4になってしまうだろう。

夢から覚めようよ。目を覚まそうよ。これからの現実を見つめようよ。そいでもって、なおかつ、ぼくたちが何をどう考えていくべきかを見つめていこう・・・新しい夢を探さないと、いけないんだ、ぼくたちは・・・

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