上のグラフは何でしょう?「再生の町」の舞台である”なみはや市”の財政だ。いや、ごめん、ちがう。電通が毎年まとめている日本の広告費の推移だ。
単位は億円。85年から06年までのデータ。電通の資料は07年以降、計算領域をかえているので06年までで作っている。
85年に3兆5千億円だった日本の広告費は91年まですごい勢いで成長し、5兆円7千億円になった。たった6年で1.6倍になったということ。すごいね。
それが93年に5兆1千億まで急減し、その後6兆円まで持ち直したあと一進一退。
07年以降はどうなったか。ぼくの試算ではマス広告費は07年から09年にかけて6千億円減ることになる。だとするとこのグラフはこの後3年間で5兆4千億円まで一気に下がるわけだ。
それはつまり90年前後の水準であり、ということはこの国の広告費は90年比0%だってことになるわけ。
いい?20年間でゼロに戻るんだよ。
これはどうとらえればいいか。例えばこんなことが言える。この二十年間でギョーカイで養える人数は増えなかった。つまり、この二十年間でギョーカイ入りした人数から定年などでいなくなった人数を引いた分だけ、いらなくなる、ということ。
これがなみはや市ならぬ”ギョーカイ市”の真実。バブル崩壊後、一度また成長したけど結局行き詰まったのが10年前。”なみはや市”の財政課長はこの時、危機を市長に訴えたがつぶされた。ギョーカイも10年前に何か考え直さなきゃいけなかったはずだけど、それができなかったってことなんだろう。
“ギョーカイ市”の不幸は、ギョーカイがバブルっぽい世界だったことも大きい。なんだか華やかで夢に満ちてて時代の最先端、まるで万博の延長線上に存在するかのような町だった。ずっとバブルの夢を見続けてきた。バブルの夢の中で生きてきた。それがギョーカイだ。
ギョーカイ市の20年はもう一点、特徴的なところがあり、それがバブルの夢を引き伸ばしてしまったのだけど、それについてはまた次回に書くね。
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