【メディアコンテンツ業界への警鐘】で、そのパラダイムシフトって?

「パラダイム」を、手元の辞書で引くと、こんな説明になっている。

� アメリカの科学史家クーンが科学理論の歴史的発展を分析するために導入した方法概念。科学研究を一定期間導く,規範となる業績を意味する。のちに一般化され,ある一時代の人々のものの見方・考え方を根本的に規定している概念的枠組みをさすようになった。
� 語形変化の型を代表的語例で示した一覧表。日本語の用言の活用表,印欧語の格変化表などがその例。

パラダイムシフトのパラダイムは、もちろん、�の方だよ。

ぼくも大学の教養時代に、科学史の言葉として教わった。教養時代に習ったことなんて、ほとんど忘れちゃってるけど、パラダイムだけはよーく憶えてる。すごくわかりやすく教えてくれたし、インパクトがあったんだ。

ガリレオが地動説を唱えた。それはパラダイムシフトだったんだ。

ガリレオ前は、天動説だった。大地は動かないで、太陽をはじめすべての天体が大地の周りを昇っては消える。いま聞くと、小学生だって馬鹿にするような考え方だ。

でも、ガリレオ前は、それが”科学”だった。天動説のもとに、あらゆる天体の動きが解析された。信じられないことに、それはそれで、いろいろ説明できていたんだって。

ガリレオが地動説で世の中に登場した時、地球が動いてる方が理にかなってるという確信はあったものの、まだ説明できないことがいっぱいあった。その時点では、天動説の方がいろんなことを説明できてたんだってさ。

だから、天動説をもとにした天文学の権威たちがガリレオを問い詰めた。「じゃあ、あの星の動きは地動説でどう説明するのかね?」「君の地動説とやらだと、あの星がこう動くことが説明できないじゃないかね、何言っとるんじゃ」そんな感じだった。

そうやって問い詰められて、追い込まれて、切羽詰まって、あの有名なひとことを言った。「それでも地球は動いている!」

この言葉は、強く信念を持つ人の重たい言葉だととらえられているけど、こういう状況からすると、苦し紛れのひとことだったわけだ。「いつか全部説明するから、いまはまだ説明できないことだらけだけど、でもね、けどね、絶対にね、それでも地球は動いてるんだよ!」もう、そう言うしかなかった。

ここから読み取れるのはね、パラダイムシフトって、簡単に言っても実際には難しい。理屈では、世の中変わるってわかったつもりでも、何しろいままで天動説で何十年も生きてきたり仕事してきたりすると、身体や脳みその奥深くに天動説がしみ込んでいるものだ。「そうだよね、これからは地動説だよね」と口で言ってたとしても「だったら地動説をもとにこうしましょう」と言われると「いや、それはちょっと待てよ。だって太陽がこう動くだろ・・・」と、あれ?矛盾したこと言ったりする。

あるいは、「地動説?いやいやいやいや、おれはね、天動説でやって来たからね、天が動く、地球は動かない、ってことで、一向にかまわないね」と開き直ったりする。

人間生活の中での実際のパラダイムシフトは、すーっと、スムーズになんかいかない。いろんな摩擦や感情の逆なでを引き起こすんだ。そして、実はそこがいちばん難しいんだと思う。

それでも、ぼくたちは、未来のために、パラダイムシフトを引き起こしていかなければならないんだ。大変だぞー。

Pocket

トラックバック用URL:

Facebookアカウントでもコメントできます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>