贈与税減税を金持ち優遇と批判するさもしさ

贈与税減税を政府が検討している、そうだ。ただ、金持ち優遇と批判されちゃわないか心配だとの声も出ていると報じられた。

そこまでは、まあいいよ、フツウに報道としては。ところが、そのニュース番組で、最近メインキャスターになって急に知った顔でしゃべるようになった人が、「多額な資産を持つ人は少ないわけで、その贈与税を減税するのはお金持ちを優遇している。もっと庶民のことを考えるべきだ」てなことを言った。そしたら、某大新聞の記者をやっている人が賛同することを言った。

なんてさもしい人たちだ!

まず、贈与税減税はやった方がいい。必ず経済効果がある。贈与税をとらちゃうもんなあ、ってことで高齢者世代は子供世代に資産を移転しない。そうすると、そのまま死ぬまで預金として持ち続ける。死んだら、相続する。相続税にはある程度の控除がある。これは決して金持ち優遇ではなく、ある程度は控除しないと親が亡くなった途端多額の相続税を払うことになり、突然住んでた家を売り払わねばならなくなるからだ。都市圏に一戸建てを持っていると千万単位の資産になっちゃうんだぜ。

だから相続税は控除される。贈与に比べると相続時の税の方が断然控除額が高い。つまり、ほっておくと死ぬまで資産を移転しないんだ。

贈与税を千万単位で控除すると、だったら子供に使わせちゃおう、となる。すると、何らか高額な買物をする。

これを三年間とか時限立法でやれば、早く子供につかわせないと、ってことで、短期的に個人資産がごごごと動くのだ。

お金が動くことは経済にはプラスに働く。必ず。財政出動して公共事業だ、ってことだと、税金を使うことになる。でも贈与税減税で動くお金は個人のお金だ。しかも、金持ち優遇だと言うなら、お金持ちのお金だ。惜しくないっしょ。

経済効果があれば、お金があまりない人びとも仕事にありついたり給料が増えたりする。結果的には、お金持ちのお金がみんなにまわってくるわけ。お金持ちも自分のためにお金使えて気持ちよかった、ってことなわけ。

ニュース番組のキャスターやコメンテイターに飽きれるのは、まずそういう、経済の理屈わかってないくせに、何千万人もが見ている影響力の大きなテレビというメディアで、感覚的にものを言っちゃうこと。

でも、ぼくがさもしい、とまで言いたくなるのは、感覚的に”お金持ちを優遇するのはけしからん”と平気の平左で言ってしまうところだ。

だってさあ、よく考えてよ。人がトクするのはけしからん、って言ってるわけよ。さもしくね?

さらに言えば、そのキャスターはフリーランスで普通の人から見たら金持ちだ。大新聞の記者のコメンテイターも平均よりまちがいなく高い給料をもらってる。そんな人たちが、”金持ちがトクするのはけしからん”って、じゃああんたらの言う金持ちってどんな人たち?あんたらと、平均的な日本人の収入と比べた時、けしからん、と澄ました顔で言えるのはどういう感性なの?

それにこの人たちは、ある意味、結局は”世の中お金だ”と言っているも同然だ。ほら、さもしいよ。さもしくって泣けてくる。

大人たちがこんな風にさもしくなっているこの時代に、ぼくたちの子供らはどんなキラキラを持てるのだろう。

でも案外、大人がさもしいからこそ、今の子供たちの方が、正しい”キラキラ”を持ちはじめているのかもしれない・・・なんてね!

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