お正月からテレビはダブルスクリーン!〜リアル脱出ゲームTVと箱根駅伝〜

7日からという人も多いだろうけど、ぼくは今日4日から仕事始め。まあゆるゆるスタートしましょうか。

さてこの年末年始、テレビ三昧だったわけだけど、なんだかテレビ視聴が年末年始の中で“恒例感“を少し失っている気がしてしまった。正直、これ観たい!という番組が少なかった。そして意外にもいちばん面白かったのが「ピタゴラスイッチ」と「歴史にドキリ」という教育テレビもといETVの番組だったのは新鮮だったなあ。

ただひとつだけ、前々から聞いていて楽しみにしていた番組があった。1月1日の夜にTBSで放送された「リアル脱出ゲームTV」だ。

“リアル脱出ゲーム“についてはここで書くと長くなるので簡単に説明するんであとは自分で調べてみてほしい。いま、ちょっと話題。SCRAPというチームというか会社がやっているイベントというかなんというか。推理小説の謎を解くように実際にある場所から脱出するゲームイベント。

このリアル脱出ゲームをドラマにしたのが「リアル脱出ゲームTV」なのだという。もうそれだけでワクワクしちゃう。しかもスマホを使って実際にドラマの謎解きに参加できる。これは観ないわけにはいかないだろう。

ドラマはバカリズム演じる犯人が都内のどこかに爆弾を仕掛けたという設定。これに警視庁チームが立ち向かう。下っ端刑事の木南晴夏が謎の男・斉木しげるにヒントをもらって謎を解いていくストーリー。

犯人は2つのクイズを出す。両方ともネットで視聴者も見れるようになっている。その上、答えがわかったらサイトから送信できる。

写真はiPhoneの画面だけど、タブレットでアクセスするとちゃんとそれ用の画面が出てくる。

クイズはかなり難易度が高い。それが斉木しげるの出すヒントで少しずつ少しずつわかってくる。

テレビ画面にはリアルタイムで参加者の数や解答した人の数が左肩に出てくる。否が応でもクイズを解かねばと煽られる。

ぼくは1問目が解けなかった。うむむと悔しがってると、犯人から2つめのクイズが。慌ててまたiPhoneを見るとこんな画面が。


うーん、当然ながら1問目が解けないと2問目には参加できないのだと書いてある。こういうところもよくできているなあ。

2問目はさらにレベルが高く、参加権ないながら懸命に考えたがわからなかった。解き明かされた謎は、えー!というくらいハイレベル。それにいかにも「リアル脱出ゲームTV」な解答。

ドラマが終わり最後のクレジット画面に、正解者の名前が並んだ。おおー、リアルタイムでこのテロップこさえたんだなあ。そして正解者の数も発表された。

31万人がクイズに参加し、正解者は5000人だったということだ。

これをどう受けとめるか、多いとか少ないとかいろんな意見が出そうだ。30万人は視聴率でいうと1%にも満たないことになってしまうから。でも、双方向のこんなややこしい難易度の高いクイズに、賞品もないのに何十万人も参加したのは素晴らしい成果だと思う。テレビだからと迎合せず難易度を保ったのも見上げた姿勢だ。

なんにせよ、これまで体験したことのないテレビの楽しみ方をひとつ提示してくれたことは大きい。その向こうには何かがあるんじゃないかなあ。

一方、正月の風物詩「箱根駅伝」でも今年、面白い視聴体験ができたのを知っているだろうか。これも、まさしくダブルスクリーン視聴だ。

箱根駅伝はもともと、WEB上での情報が充実していた。それを本格的にスマートデバイス対応させるアプリを起ち上げていたのだ。箱根駅伝のサイトに行くと、スマートデバイスの人はこれ押してねというボタンがあり、ジャンプするとこんな画面になる。

各大学の走者の位置が現在進行形で表示される。右側のメニューからは現在の走者の名前なども確認できる。
上はタブレットの画面だが、iPhoneだとこんな感じだ。

うちの妻は毎年この駅伝を楽しみに観ていて、ぼくもつられて観る。今年はタブレットを膝にしてこれまでとちがう楽しみ方ができた。二人の間での“共視聴”に大いに役立ったのだ。あの選手はどうなのだとか、いま画面に映ってない順位はこうなっているようだとか、話のネタがいろいろ出てくる。テレビ視聴を豊かにしてくれる仕掛けだったと思う。

また、iPhoneで競技を追えることは、テレビを離れてもレースを気になるものにしてくれる。何しろ駅伝は長丁場なので、途中で出かけたり別の用事をしたりとなる。その間も、あたかもテレビを見続けているような感覚になるのだ。当然、帰宅したらすぐにまたテレビをつける。視聴者の気持ちをがっちりつかんで離さない、という効果もあったと思う。

さて、この2つの事例はツイッターが絡むわけではないので、“ソーシャルテレビ“とは言えないのだろう。でも、ソーシャルテレビの議論がどんどんダブルスクリーン視聴に向かう中で、近い領域の話題をもたらしてくれる。そういう分類はまあ、なんでもいいわね。

今年はこういう事例が次々に出てくる気がする。何しろ、ソーシャルテレビ元年に続く二年目が2013年だからね。もうはじまっちゃってるんだから、どんどんやらかしていかなくちゃ。

というわけで、今年はいよいよこうしたレポートも頑張って書いていくぜい!そこんとこ、よろしく!

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