「iPadから見えるコンテンツの未来」のサブタイトルは一旦終了して、新シリーズをはじめるよ。そう宣言してから二週間以上引っ張っちゃってた。いい加減、その新シリーズとやらをはじめなさいよ、はいすいません。ということで、今日からホントの新シリーズ。
まずサブタイトルを”iPad Messages”としてみた。これはここんとこ書いてきた、iPadに流れているメッセージ、という意味と、iPadに関するぼくからのメッセージ、という意味と、あるわけ。
でもって、サブタイトルの中にさらに書く内容に沿って分類したサブサブタイトルを用意した。そのてはじめが、「Future Ads」、つまりiPadを通して広告の未来を妄想していくということです。これを含めて4つのサブサブタイトルで書き分けていくよ。
で、iAdだ。iAdについてはいまのところ、なんだかよくわからない。わからない中でも湯川さんのTechWaveのこの記事がわかりやすかったかな。iAdは7月に運用開始されたのだけど、さっそくiAdをアプリに乗せた開発者が、一日に9300回のインプレッションがあって、1372ドルの広告収入を得た、という話。え?マジすか?!
この話の中には、たくさんの”マジすか?!”が含まれている。
一日1372ドルと言えば、ざっくり12〜3万円だ。そこがまず、マジすか・その1。広告収入が一日10万円を超えるなんて。じゃあアレすか。一カ月で300万円以上すか。そんなんアリなんすか?
てことは、こういうことすか。えーっと1372ドル÷9300回=約15セントってことで、10円強。一回広告を見せたら10円すか。マジすか・その2っすよ。
それにあれっすか。記事によれば、9000ダウンロードで9300インプレッションってことっすけど、つまりアプリ落とした人が一回以上iAdをクリックしたってことすか。マジすか・その3じゃないすか。
でもまあ、落ち着いて考えれば、iAdが出たばかりで珍しかったんだろうし、アプリを日々使う際に毎度毎度クリックするわけでもなかろう、と推測できるので、一カ月で300万円はちょいとありえないんだろうね。
いずれにしろiAdにはまだまだわからないことが多いから、自分で実際にちゃんと見る必要がある。
見ないとわからないね、って言ってるとこの文章が終わっちゃうので、もう少し考えていくと、やっぱりこのiAdのシステムはかなりいろんな部分が画期的なんじゃないかな。さっきのTechWaveの記事にも貼り付けてあったけど、iAdのNISSANの広告のでも映像がYouTubeにあるので、ちょいと見てみて。
Nissan LEAF iAd demonstration
うーん、これはけっこう面白い、でしょ?いままでにはなかったことだ。と言うのは、いままでもアプリ内にバナーがついてることはあった。でもそれはいわゆるバナーで、その製品や企業のサイトに誘導するものだった。そんなの、よっぽどその製品に興味ないと押さないよね。だからクリックレートは1%を切るんじゃないかな。いや、iPhoneの場合もっと低いかもしれない。WEBサイトでのバナーやコンテンツ連動の仕組みを強引にスマートフォンに応用していた。でも良い応用ではなかったと思う。
iAdはiPhoneならではの広告の仕組みだ。強引に製品サイトに連れていくのではなく、iPhoneらしい楽しい広告を見せてくれる。面白がらせてくれる。そこは決定的にちがうし、大事なところだ。
それからiAdはメディアではなくコンテンツに広告がくっついている。これも画期的なポイントだと思う。その上に、広告も楽しませるコンテンツ型だ。AppStoreで売られている(無料が多いけど)コンテンツに、コンテンツ型の広告がくっついているんだ。広告は元来メディア取引にくっついて企業に売られていた。広告コンテンツは悪く言うとその”オマケ”だった。でもiAdはちがうわけ。メディア取引が介在しない(でも検索連動型ではない)仕組みなのだ。
わからないことだらけだけど、iAdは広告屋の本能を刺激してくれそうだ。お、ここ、おもしろいことやれるとこ。楽しませなきゃいけないとこ。あーじゃあ、こんなこととかどお?あんなこともできる?そんな妄想がふくらみそうだ。
それに、iAdがiPadにも乗るのかどうかよくわかってないけど、たぶん乗るんじゃないかな。iPad上でインタラクティブな楽しい広告、面白そうじゃない?作る方も、見る方も。
あ、しまった!でもひとつ、重要なポイントがあった。そこクリアしないと、できないわ。つくれないわ。何が?ってのはまた次の機会に書くからさ、ちょっと待ってね・・・
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無料アプリも比較的簡単にマネタイズすることが出来る可能性をApple自身が提供してくれた事にちょっと期待しちゃってます。
Steve Jobsが、現状のクリック率を固定だと考えてると、やばいけどね。ものめずらしくてクリックしている可能性が高い。そこではなく、次の購入に結びついているかのほうが大事。端末から飛び出ず、アプリからアプリへ渡りあるくシステムにより、すべての導線が、把握できるしくみがある。なので、でかいデータセンターを作った。データ量を多くするだけでなく、マイニングするためです。
境様: 昭和を生きたものとして、面白いCMを作るというカルチャーは継承されて欲しいし、検索連動型広告に埋没して欲しく無いとも思いました。 「iPhoneで楽しめる何か」がCMであっても別に構わない。それに気付いたアップルは凄い会社だし、侮れませんね。 多分、根底にあるのはリスペクトなんだろうなと思います。ウォークマンへのリスペクトがあったからiPodが生まれた。CMカルチャーへのリスペクトがあるから、iAdが生まれた。 日産のCMではLess is moreと言ってましたよね。あれ、近代建築のパイオニアとして、合理性を追究したフランスの建築家のコルビュジェの言葉ですよ。ゴーン氏がフランス人である事、また自動車も合理性を追究する業種であり、「コルビュジェをリスペクトする日産」という演出をしているのだと愚考します。素晴らしい事です。