このブログはもともと、「クリエイティブビジネス論」と題してメディアやコンテンツの今後や最新動向を語るものだった。ところが3月からYahoo!個人で書くようになり、考えたことはそっちで記事にするようになってしまっている。
テレビの話題が中心だが、8月9月は映画のことを書いた。『シン・ゴジラ』に驚愕し、製作委員会の議論に憤り、『君の名は。』の大ヒットに興奮し。ひと通り並べてみよう。
●日本のスクラップ&ビルド、東宝映画のスクラップ&ビルド『シン・ゴジラ』
●東宝はなぜ『#シン・ゴジラ』を庵野秀明氏に託したか~東宝 取締役映画調整部長・市川南氏インタビュー~
●『#シン・ゴジラ』をネタに製作委員会方式の良し悪しを問うのは不毛だ
●『#シン・ゴジラ』ついに60億越え!ヒットに導いたのは、観客ひとりひとりなのだと思う
●製作委員会方式を議論するなら映画ビジネスがどれだけリスキーか知っておこう
●『君の名は。』のメガヒットは製作委員会とみんなのツイートがもたらした
●ライブを見るように映画を見る?!~『#シン・ゴジラ』発声可能上映が示した映画の新しい可能性~
●『#君の名は。』新海誠を信じぬいた男~コミックス・ウェーブ・フィルム代表 川口典孝氏インタビュー~
●『君の名は。』のメガヒットは、テレビの延長線上にはなかった
我ながらよくこんなに書いたもんだ。この2カ月間は本当に映画のことだらけになっていた。
テレビのことは、かなり”業界向け”に書いている。当然、読者はテレビ関係の方々が中心で、だいたいは中年だ。現場から少し離れた立場で見て気になってきたことと、私が書いていることが一致するからだと思う。また業界の若い人は忙しくてブログなんぞ読む暇もないのもあるだろう。
それがこの2カ月、映画のことを中心に書いたら、どうやら若い人たちが読んでくれたようだ。とくにtwitterでいままでにない反応があった。製作委員会方式の記事は、若い人たちの間でかなり悪いイメージが蔓延していたようで気になったのもあるだろう。
中にはメールをくれて、自分の考えを書いてくれる人もいた。卒業制作でかくかくしかじかなことを論文にしようと思うのだが、どう思うか。大学生の息子がいるので、なんとなく捨て置けず直にお会いすることにした。中村巴さんという、慶應大学の環境情報学部の学生さんだった。素朴に思ったことを言ったら、参考になったと感激してくれた。こちらとしても、若い人でメディアやコンテンツに興味がある人と話せていろいろ学びがあった。そういう若い人もいるんだなあ。
日本のコンテンツ産業には、いろんな人材がこれから必要だ。直接的な作り手はもちろんだが、むしろこの国に欠けているのは大きな意味でのプロデューサーだ。これまでとちがい、特定のメディアの立場ではなく、メディアの垣根を越えたビジネス構築ができる人が求められるはずだ。もちろん、何よりコンテンツを愛している人じゃないと。中村巴さんと会えて、そういう意志を持つ若者もいるんだなあと心強い気持ちになった。
そんなところへ、下北沢B&Bから連絡をもらい、最近本を出したのなら発刊イベントやりませんかと誘ってくれた。前に一度、ゲストとして呼ばれてやったことがある。
だったら、若い人と話したいなーと思った。新著は『拡張するテレビ』なのだけど、「広告と動画とコンテンツビジネスの未来 」というサブタイトルもついていて、テレビに限らず映像全体の話を書いたつもりだ。そしてこの本では映画のことは書かなかった。でもいま、逆に映画界が気になっている。
テレビを入口に、映画のことまで話を広げる、会場の皆さんからも意見や質問をどんどん言ってもらうイベントにしよう。ということで、以下のような概要で開催することになった。知りあったばかりの中村巴さんにMC役をやってもらい、会場の皆さんと私の間をつないでもらうことにした。若い人が意見を言いやすい空気がつくれるんじゃないかと。
「拡張するテレビ 拡張するサカイ」
出演 _ 境治(コピーライター/メディアコンサルタント)
中村巴(慶應義塾大学)
時間 _ 15:00~17:00 (14:30開場)
場所 _ 本屋B&B
世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
入場料 _ 1500yen + 1 drink order
お申し込みはこちら→B&Bイベントページ
ということで、よかったら来てください。
とくにねえ、製作委員会方式について誤解が本当に多くて、その話はひとつ軸にするつもり。
この機にB&Bでぜひ本も買ってくださいね!
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