ゴールデンタイムは失われるのか〜うちのテレビを占領するHulu〜

Huluはまったくもって画期的なサービスだと思う。

去年の9月の登場時には1480円だったが、いまや値下げして月額980円。この金額でドラマや映画が見放題なのだ。いわゆるSubscription Video on Demand、略してSVODの開拓者。Huluが切り開いた道を、他のVODサービスも追随している格好だ。

登場時はPCかiPadで見るしかなかった。それがPS3やAppleTVといったSet Top Boxでも視聴できるようになった。これは大きい。だって、リビングの大画面テレビで観られるのだ。1時間のドラマや、2時間の映画は、大きな画面でじっくり観るに限る。それを可能にしたのは素晴らしい。企業努力が感じられる。

うちの娘は中学二年生で、ミステリーが大好きだ。小説を片っ端から読んでいる。本ならいいんじゃないかと親バカなことに、次から次に本を買ってあげる。するとあっという間に読んでしまう。

かなり好みがあって、本を読みだした当初は山田悠介ばかり読んでいた。その次は乙一にハマり、親としてはちょっと心配した。さらに幅を広げ、最近は伊坂幸太郎。なかなか目が肥えてきたなあ。さらに貫井徳郎がいまの最新の好み。サイン会にまで行っている。不思議と、宮部みゆきや東野圭吾は興味がないと言う。涙がにじむような感動は彼女には不要らしい。

そんな娘が、Huluにハマっている。今年の夏休みに入った時、PS3でのHuluの観方を教えたら、さっそくどんどん観はじめる。ハリウッドドラマをとにかくどんどん観ていくのだ。最初は一緒に「WALKING DEAD」を観ていた。だんだんぼくの知らないドラマを知らないうちに観るようになった。小説同様、ものすごい勢いで次々に観る。

ぼくは飲み歩くか、まっすぐ帰っても9時ごろになるので、夕食は妻と子供たちだけで食べる。7時ごろ食べるのだが、テレビはなんとなくついているのだそうだ。でも食事が終わると子供たちはとっとと自室に戻る。妻だけがそのままバラエティなどをだらだら観続ける。そのうち娘は風呂に入る。そして、そのあと8時半とか9時とかになると、おもむろにHuluを観はじめるのだそうだ。2話くらい続けてみる。だから、ぼくが帰宅する頃はだいたいHuluを観ていることになる。いまは、「LOST」シーズン2になったところだ。「LOST」は長いから、これから2〜3カ月は見続けるのだろう。

娘が見終わって自室に戻る頃、11時くらいになるとぼくがチャンネル権を握り、ニュースを見たりする。でもぼくも流れでHuluで「ウルトラセブン」や「刑事コロンボ」を観たりもしている。

ということは、わが家の夜のテレビ視聴は真ん中をすっぽり、Huluに奪われているのだ。まともにテレビがついているのは、7時ごろ、妻子が食事をしている時くらい。しかも、観てやしない。ついているだけ。かろうじて、テレビ世代の妻が観ていると言えば観ている。でもその時間も1時間くらいだ。

ゴールデンタイムとか、プライムタイムとか、テレビ視聴のコアとなるべき時間がある。生活の中では、夕食をとる時、そのあとでリラックスする時、そこでもっともテレビが頑張っている時間だ。でも、ということは一方で、Huluのような新しいサービスが侵食すべき時間でもある。わが家に関しては成功しているようだ。

それはわが家のお父さん、つまりぼくが、今後のメディアについて考える人であり、またテレビや映画が大好きな人間でもあるので、Huluみたいなサービスにとびつくからだ。

ということは、これから数年かけて、Huluに限らず”リビングルームの大画面テレビを狙うサービス”が少しずつ侵食していくということだろう。そしてそれはどうやっても止められはしない。ある程度は侵食されてしまうのだ。

テレビ放送にとってのゴールデンタイムはおそらく、少しずつ失われるのだろう。

そういう前提に立って今後を考えねばならないし、そういう前提に立つということは、大きな大きなパラダイムシフトとなると捉えねばならない。・・・と、ものすごく身近な例から安直に発想しているのだった・・・

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