スマートテレビ研究会、盛り上がってきたぞ!

慶応大学メディアデザイン研究科主催のスマートテレビ研究会に混ぜていただき、パネルディスカッションにも参加したことは前に書いたわけだけど。この時は、ちゃんと喋ろう、ってことばかり考えちゃってあまり”ディスカッション”できなかったなあ、ということも書いた。

さてこの研究会、パネルディスカッションはランダムな外部向け催しで、本題は毎月定例のクローズドなディスカッションにある。28日金曜日の午後、第三回会合として、定例会が行われた。

今回は、ネット業界のイケメン、ニワンゴ(ニコニコ動画の会社)の杉本社長の発表がメイン。その後、その発表をもとにディスカッションした。

クローズド前提で皆さん喋ったことなので、あまりここでおおっぴらには書けないが、とにかく盛り上がって研究会っぽくなってきた。

杉本さんの発表ではまず、ニコニコ動画におけるスマートテレビ的な現象を解説。ある程度知ってるようで、ニコ動はやっぱり奥が深い。そんなことあったんだ、あんなことがはじまってるんだ、ということをいっぱい知った。

ニコ動は、うちの子供たち(高一男子、中一女子)にとってはもっとも身近なメディアだ。中一女子がなかなか難しい曲を、楽譜を見ながらピアノで弾いている。その曲は誰の曲?と聴くと、知らない、と答える。どゆこと?と詳しく聞いてみると、ニコ動内で人気の、ボーカロイドの曲なのだそうだ。

誰かが作った詞に誰かが曲を書き、誰かが映像までつける。そんな曲がいっぱいある中で、人気曲が出てくる。誰が作ったかよくわからないヒット曲が誕生し、それをまた誰かが楽譜に書き起こすのだそうだ。彼女にとってもはや、新しい音楽の発信源は、レコード会社のヒットチャートではなく、ニコ動にあるのだ。

話がそれたね。ニコ動ではそんな風に、音楽の新しい動向、映像制作の新たな潮流が起こっており、そしてソーシャルテレビ視聴も最先端な手法が展開されている。おそるべし、ユーザーの創造力。

それから、杉本さんは議論の題材としていくつかのテーマや提言を掲げた。そこから、多様なディスカッションになっていった。

ぼくが興味を持ったのは、杉本さんが「スマートテレビはコンシェルジェをめざすべきだし、するとアプリ型になるのではないか」という提言をしたこと。言われてみると、iPadがでた時ぼくは、テレビもこうなるんだろうと想像した。スマートテレビという言葉を聞いた時、直感的にイメージしたのは、テレビにアプリが並んでいる姿だった。

CEATECに行った時、物足りなさを感じたのもその点だったのだろう。テレビは放送をどう視聴するかと、VODサービスが使いやすくなったことばかりで、アプリを全面的にフィーチャーする展示はなかった。

山崎秀夫さんによれば、そこは”2画面方式”になるでしょう、とのことだった。つまり”1画面方式”はテレビそのものにアプリがのっかる考え方だが、意外にそれは具現化しにくい。手元のタブレットやスマートフォンにアプリがあり、その画像をテレビで見れるようになる、それが”2画面方式”で、潮流はそっちになっているそうだ。

それはやはり、操作性の問題なのだろう。メニューにあるものを押したり動かしたりするのは、テレビとリモコンでは難しい。手元の機器で操作する方がやりやすいということだ。テレビはいまよりももっと”モニター”の役割になるのだろう。

もうひとつ、杉本さんの提言で大事だなと思ったのが、この研究会なりの、これからのスマートテレビの姿を発信しよう、というもの。スマートテレビについてはいま、いろんな団体がいろんな角度で研究会的な動きをしている。わりと大手メディア中心の団体もある。ぼくたちの研究会はある意味”在野”の集まりなのだから、業界の都合視点ではなく、ユーザー視点で物事を議論してまとまったことを発表することで、アンチテーゼを唱えることができるのではないか。

と、ぼくがかなり勝手にそんな風に受けとめたことを書いてしまったのだけど、とても意義ある動きができそうだなと思った。

ということで、スマートテレビ研究会はせっかく混ぜてもらったので、意欲的に参加していこうと思うんだよね。

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