<App Cosmos>おれが欲しいアプリを教えてくれ

<App Cosmos>の2つ目の記事。サブタイトル使って書きはじめてからなんとなく全部2つずつ書いてるなあ。別にそう決めてるわけじゃないんだけどね。

iPadユーザーなら気づいたと思うけど、最近App Storeを起動するとちょっとしたリニューアルポイントがある。下に並ぶ「おすすめ、トップチャート、カテゴリ、アップデート」というメニュー項目の中に「Genius」ってのが新登場している。気づいてた?ぼくはこの週末に気づいた。あれ?遅かった?

「Genius」ってのはMacの方ではiTunes Storeですでにおなじみだったでしょ。これまでの購入履歴に添って曲やアルバムを勧めてくれる。そのアプリ版がiPad上のApp Storeのメニューに登場したというわけ。ほおほお、これは便利そうだ。

iPadを使っていると、新し物好きの悲しくお馬鹿な性がめきめき増幅される。ひとつのアプリをじっくり楽しむより、なんかおもろいアプリありまへんか?と新しいアプリを次々探してしまうのだ。

ところが、この新しくて面白いアプリを探すのが大変。何しろ15万だか20万だかあるんだね、アプリってのは。iPad専用のものも、とうに1万は越えたというウワサ。そんな中から、自分にとって面白いアプリを探しあてるなんて、宝探しみたいなもんだ。

宝探しには地図がいる。そこで、もっぱら「おすすめ」や「トップチャート」に載ってるアプリを検討することになる。うーん、でも英語のものが多いし、いくらおすすめとか売れてるよとか言われても、すぐに買うわけにもいかない。新し物好きの悲しい性その2として、そうは言っても慎重だったりするんだな。

そこに「Genius」メニューが新登場。なるほど、ぼくの過去の履歴をもとに、ぼくが好きそうなアプリを提案してくれるんだね。だってGeniusって天才とかいう意味だから、頭のいい選び方をしてくれるんだろう、どれどれ・・・

Geniusメニューを開くと、アプリがズラリと並んでいる。それぞれに、参考元アプリがついている。つまり、あなたが前にあのアプリを買っているから、このアプリがいいと思いますよ、とGenius君がおすすめしてくれてるわけだ。さすが、天才!

えーっと、「参考元:Tower for iPad →i二角取り for iPad」「参考元:村上龍 歌うクジラ→元素図鑑」「参考元:映画情報myシアター→お絵描きパッド」・・・ってなんだよこりゃ?!・・・いい加減じゃないかよ。Genius君、ちっともGeniusじゃないじゃんかよ!・・・

と、がっかりしちゃった。しょせん、こんなもんかねえ。Amazonのレコメンも時々なんだなあと思うけど、それ以下だよこれじゃ・・・

うーん、しかしアプリのレコメンってコンピュータには難しいのだろうなあ。音楽や書籍は著者やミュージシャン、そしてジャンルなどがあるからシステム化しやすいのかもしれない。アプリってそうカンタンに機械的な分類ができないのだろう。

さて、そうやってGenius君への期待に裏切られてがっかりしつつも、アプリのレコメンってことに考えを深めてみたくなる。これこそ、今後のコンテンツのマーケティングやプロモーションの鍵になるだろう。

「おれが欲しいアプリを教えてくれ」その答えをどう提示するか。もちろん、App Bankのようなおすすめアプリの総本山みたいな存在もある。でもそれはあくまで総合的なアプリ情報だ。必ずしも「おれが欲しいアプリ」でもなかったりする。そうすると、ソーシャルでの情報流通、例えばぼくがブログで紹介することで興味を持つ、とか、Twitterでこのアプリ面白かったよー!というTweetが元になったりするのかもしれない。

またその際に、佐々木俊尚さんがよく言う、”コンテキスト”をどう生み出すか流通させるか、なのだろうね。ある人にとっては「ほら十年ぐらい前にMacで流行ったTower。あれがiPadでも出たんだって!」というコンテキストがツボを突くかもしれない。でも別の人には「住人の要望にうまく応えながらビルを運営する、マネジメントの勉強にもなるアプリだよ!」というコンテキストがいいのかも。

などなど、「おれが欲しいアプリを教える」仕組みには21世紀マーケティングのヒントがいっぱい散らばってる。そしてそれは、電子書籍でもVODでも同じ考え方になってくる。

iPad Messagesで考えていくひとつの柱になるから、みんな一緒に考えてね。Social Thinkingだよーん・・・と、無責任な感じで今日はおしまい・・・

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