iPadの広告にSearchはいらない〜iPadから見えるコンテンツの未来・その11〜

今日はブログはお休みしちゃおうかなあと思ってたんだけど、Twitterで接したニュースにびっくりし、その流れで@higekuma3と大笑いしながらTweetのやりとりして、なんか目がさえてきたのでやっぱり書くことにした。

さてここで、ちょっと重要な記事を紹介する。きっと皆さんもちょくちょく読んでるにちがいないTechWaveのこの記事だ。iPadの新聞雑誌アプリの広告価格設定について。簡単に言うと、価値が高いぞ、という内容。

iPadから見えるコンテンツの未来・その3でも書いた通り、iPad雑誌アプリには広告もふんだんに載っていて、インタラクティブな要素もあって面白かった。中にはWEBサイトに飛べるものもあった。

ここで、これも前に書いた「AISASにはかねがね疑問だった」の記事を思い出してほしい。そこでは、さっき登場した@higekuma3のブログから引用しながら、広告による企業サイトへの誘導の中で”検索”ってそんなにされるものだろうかという疑問を書いた。

ちなみに@higekuma3はブログの最新記事でもGoogleは”ダイエー化”してるんじゃないかと辛コメ(辛口コメント)を書いている。

とにかく、例えばテレビCMで「検索!」などと表示して実際に効果が高いといえるほど検索するだろうか、という懸念は持っていた。あるいは、最近はあまり検索してくれないんじゃないかと思う。

iPad雑誌の広告は、そう考えるとかなり画期的だと言える。検索させなくても、企業サイトに誘導できてしまうのだ。

テレビCMでブランディングし、新聞や雑誌で情報要素も伝え、WEBサイトに来てもらう。これをいままでは、それぞれ別のメディア、別の端末でやろうとしていた。

これがiPadは同じ端末の中でできてしまうのだ。

ホントにこれ、考えれば考えるほど、画期的なことだ。いくつものメディアを駆使しないとできなかったことが、できてしまう。映像でイメージを伝えたり興味を惹いたりし、グラフィックでイメージ+情報も伝え、WEBに誘導して具体的なアクションへつなげる。ね、相当に画期的じゃない?

インターネットが登場し、広告はSearchが重要になった。SearchをもとにGoogleは急成長し、Searchされる手法をサービスの軸とする広告会社が成長してきた。Searchはインターネット広告の最重要ファクターだったはずだ。ところが、iPad雑誌の広告は、企業のサイトにたどり着くプロセスの中でSearchを外してしまった。ブランディングから場合によってはECサイトでの購入までを一貫させてしまった。バナーなんてのもない。小さな枠にできるだけ凝縮した要素を詰め込む、なんて必要ない。1ページ丸々使った訴求ができる上に、そこからサイトに飛んでいくこともできるんだ。

雑誌の収益にとって、広告が大事なのは誰でも知っていることだろう。つまりは、iPad雑誌を企画していく際、どんな雑誌にして、どんな広告にするかをよく考えた方がいい。いろんな可能性があるはずだ。そこにクライアント企業は興味を持ってくれるかもしれない。ちゃんとプレゼンテーションすれば、高い広告価値を認めてくれるかもしれないんだ。

さあそうすると、編集と広告が一体となって雑誌を企画することになる。出版において編集と広告が対立しがちなのはよく言われることだけど、ここは壁を取り払って、収益性の高い雑誌にしていくにはどうすればいいか、真剣に議論するといいんじゃないか。タイアップの手法だって、新たに開発できるかもしれないんだ。

新創刊したら、代理店さんがだだーっと広告を売ってくれる、なんて世の中ではもうない。出版社が自分で広告セールスする意気込みが、もっと言えば、編集者が企業に広告価値を語れる意気込みがなければいけないのだと思う。

Searchのいらない雑誌は、強いメディアにできる可能性があるんだと思うよ。

[`evernote` not found]
Pocket

トラックバック用URL:

Facebookアカウントでもコメントできます!

コメント

  1. 11万4000件のipad利用者メールアドレス漏洩 #ipadjp #softbank #newsjp

    アメリカのAT&TはGoatse Securityによってメールアドレスが流出してしまった事を発表しました。Goatse Securityが何者かは知らないのですが、AT&Tは先日、iphoneの定額を廃止すると発表したばかりなんで恨まれているのかも?遠藤諭の東京カレー日記: オヤジがiPad…

  2. 結構、みんな気がついてないかもしれないんですがね。Appのすごいところは、アプリファンクションのバラ売り、必要な人が必要な機能を個別に買っていくという、パーツ売りができるところ。対局のアドビのように、2人しか使わない機能も入ってて、そんで、40万円みたいなソフトって、今後はあり得ないと思ってますけどね。特に、iアプリで、アドビ製品の販売は、絶対にあり得ないです。大笑

  3. あははー、セルフブランディングプロジェクトの最初のネタにしようとしてたら、、、(笑)そーなんです、Search不要ってトコまでは踏み込めなかったんだけど、iPad雑誌を見てて、最初に思ったのは正にこの事でした!クリックで動画がとか、商品サイトへ誘導とか、Webで普段当たり前のようにやっているコトが、、、なんでこんな新鮮なんだろう? と。あぁ、、アタマからシッポまで(本当の)シームレスだからキモチいいのか! と。日頃さんざん自然な導線とか、メディアツギハギでムリヤリこじつけてたのに、こう簡単に「ホラッ」って感じで実感させられちゃうと、、、もうウソはつけない! みたいな(笑)となると、ますますクリエーティブが大事になるはず、と確信しました。

  4. higekuma3、どもども。自由が丘と蒲田、どっちかなあ。punipukiさん、どうもです。広告メディアとしては史上初かもしれません。クリエイティブ、大事になります。でも全部できないといけない。そこは大変になる。

  5. >例えばテレビCMで「検索!」などと表示して実際に効果が高いといえるほど検索するだろうかそうなんですよ。これは懐疑的でしたね。先日参加したアクセス解析のセミナーで、ベネッセのWeb担当者の方が「テレビCMからのアクセスは昔からほとんど無い」と言い切っていました。携帯からはそこそこあるらしいです。あと、コメントに対するコメントになりますが、higekuma3さんのおっしゃっていること、そのとおりだと思います。nobi(林信行)氏が「iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?」という著書で書かれていますが、Appleがもともと提唱していた「OpenDock」という概念が現在のiアプリの源流となっているような気がします。

  6. kasttbsさん、お久しぶりです。ブログ、久しぶりに行ったらデザインまたカッコよくなってる!http://kasttbs.info/CMで「○○○を検索」と出てきて、職業上の興味で「これあとでググってみよう」と思っても、あとでPCを前にして「あれ?さっきの、何だっけ?」ってこと、よくありました。もちろん、実際に検索してもらう以外の目的もあってやってるわけでしょうけど。あるメディアで見て、PCの前で検索、という際に確実に生まれるかなりのロスを、iPadなら省ける、てことですね。higekuma3のコメントへのコメントは、ご本人から。最近ね、コンビなんです(笑

  7. 昔は、ダイエー好きでした。NTT-Xには、いましたし。昔は、テレビで検索って言われると、やってたような気がするんですよ。でも、それは、掲示板とかで、聞いたりすると、「ぐぐれカス」とか言うやつとか、2chで祭るやつとかがいて、なんか、気分悪い状態になってたわけです。twitterで、「ぐぐれカス」とか言ったおりには、「この人、そういうこと言う人なんだぁ」ってレッテルが、つく。なので、ほとんどの人が言わない。Opendock思い出せないのですが、古すぎて、ぐぐっても、上のほうに出ません。(あたらしすぎでも、古すぎても、でないのね、Google)アスキーの高橋さんも、おしゃってるのですが、人差し指で、つーー。つーー。ってどこまででも行けるのって、すごくなんか、よくないですか?マウスも出て来たときはそんな感じだったのですけど。なんか、人差し指だけで、どこまででも、行けるっていう設計思想って、すごいなぁ。ってそれって、結局、誰が考えたんだろうって、確かめたい気分ではあります。Xeroxあたりなのか、アランケイなのか。それとも、Steveなのか。寝る前にいじってて、思うんですが、10本の指を動かすと、目が冴えて、眠れなくなるんですが、人差し指だけだと、なんか、寝落ちできるんです。このあたりも、iPhone iPadの手軽さなのかなって、今、思いついた。また、ブログ書きますが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です