アプリが広告になっていく!〜iPadから見えるコンテンツの未来・その12〜

前回の記事「iPadの広告にSearchはいらない」はやや軽い気持ちで書いたのだけど、意外に反応してもらえたみたい。Twitterでいろんな方のコメントもいただいた。

その記事で書いた”広告”とはもちろん、iPad上の雑誌コンテンツの中の広告ページについての話。それとは別に、iPadならではの広告(広報?)展開を発見した。

ひとつは化粧品のクリニークのブランドコンテンツ『SMILE』というマガジン型のアプリだ。サッカー選手やカメラマンなどへの取材記事を読ませながら、クリニークの商品案内へと導いていくもの。これ、いろんな意味で驚いた。

驚き・その1は、このタイミングで”iPadコンテンツ”を出していること。『SMILE』はこのブログの中でさんざん腐して書いたPDF型ではない。ちゃんとiPadらしいページめくりができて、画面をタテにしてもヨコにしても読みやすい、楽しめるコンテンツになっている。アートディレクターも実績のある方らしく、まさにArt Directionがちゃんと存在しているのだ。

驚き・その2が、WEBとのつながり。商品紹介のページから、クリニークのECサイトに飛べるのだけど、Safariが起動するのではなく、『SMILE』アプリの中で必要なページだけをブラウズできる。海外の雑誌でもSafariが起動して雑誌に戻るにはまたアプリを起動しなければならないものが多かった中で、上手な処理をしているのだ。

『SMILE』にも驚くのだけど、『情熱の系譜』にもまたびっくりした。これは同じタイトルのテレビ番組があり、それをiPadコンテンツにしたものだ。番組の企画に添ってマガジン的に構成してあり、番組映像そのものもアプリの中で視聴できる。

これも驚いた点で、番組映像を、放送後にiPadで視聴できるのは、そうとう新しい試みだと思う。そして番組と同じく、協和発酵キリン社の提供だとなっている。つまり、これも広告(広報?)目的のアプリなのだ。

iPadでは、コンテンツそのものが広告にできるのだという、その先行的な事例だ。しかも、ちゃんとつくってある。これらはビルコムという急成長のPR会社が担当したものだった。こういったことをクライアント企業に提案するのは、もはや総合広告代理店とは限らなくなっていくのだろう。

ぼくはこのブログで、これからメディアの仕組みが変化していく中、クリエイティブの価値を高めなければ、と訴えながらいろんなことを書いてきた。例えば「コンテンツとメディアの関係を変えろ」と題したこの記事ではメディアの価値低下に引きずられてクリエイティブの価値まで下がらないように考えねばならない、と書いた。あるいはこの記事では、クライアント企業の変化に合わせて広告を提案する側も何でもできなきゃというようなことを書いた。機能分化していては、ほんとうに必要な総合的なコミュニケーションを提案できないよと。

その突破口がTwitterなんじゃないかと考えていたのだけど、それもひっくるめてiPadはナイスな受皿になるのかもしれない。コミュニケーションのすべてがTwitterとiPadになるわけではない。でもこれらを軸にコミュニケーションの全体像をとらえることが、鍵になってくるのではないかと思える。

そんな”野望”さえ持たせてくれる予感を、『SMILE』と『情熱の系譜』に感じた。

そういうのがありだったら、こういうのもありじゃない?そんなことを、考えてみようぜ。いっぱいいっぱい出てくるから。そしてそんなことを考えるのは面白い!面白いことの先には、きっと、必ず未来があるもんだ・・・

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