業界デフレ〜テレビ局・代理店上期決算出揃う

はい、見てください。数字も読めますか?

どこもかしこも、マイナスだらけ。暗くなるねー。

少し注釈を加えると、フジとTBSは”HD”ってなってるね。この二つのテレビ局はえーっと、認定放送持株会社の制度ができて、それを導入して持株会社を上に置いた企業統合をしている。これについてはそのうち別で書くので、いま知りたい人は自分で調べてみて。

さてこの表をよーく見てみると、ありゃ?ということに気づく。日本テレビとテレビ東京は売上高が10%以上減ったのに、営業利益はかなりプラスになっているね。これはいったいどういうことか?

がんばったからだ。いや大ざっぱな言い方だけど、ほんとにそうなんだと思う。つまりあらゆるコストを下げたんだよ。

きっと、タクシーなんか乗るな、とか、電気はこまめに消せ、とか、ボーナスはこんぐらいね、とか、いろんなコストを涙を流しながら下げたんだ。いままで、そういうことは真面目なメーカーさんがやることでしょ、ぼくたちギョーカイ人はそんなせせこましいことしないんだ、という感じだったはずのテレビ局が、涙ぐましい努力をこの一年した。その成果がこの数字ってことなんだろう。

そしてね、ここからがポイント。番組制作費もぐいぐい下げたんだ。そして番組の多くはいろんな外部の会社に発注して制作している。その発注額も大きく減らしていっただろう。

ここで、元請けだ下請けだ、とかいう話をするつもりはない。どこだってやることだ。テレビ業界だって起こりえた話。それがドカンとやって来た。

ここにも、クリエイティブデフレ現象が具現化しているわけだ。ついでに言うともちろん、電通や博報堂が売上も利益も減らした。ということは、広告制作の分野でも”ごめんね、今度の制作費、いままでより減らしてね”みたいなことが、外部の制作会社に対してものすごくたくさん巻き起こっただろう。

同じようなことは、新聞や雑誌やラジオという、他のマスメディアでも起こったはずだ。マスメディアから制作を依頼されていたクリエイターはみんながみんな、”ごめんね、減らしてね”の洗礼を受けたにちがいない。

マスメディアに支払われる巨額の広告媒体費。そのおこぼれでクリエイティブは生きてきた。食ってきた。それが去年からものすごいデフレ洪水に見舞われている。

コンテンツがメディアより優位になる、なんて夢のようなこと言ってる場合じゃないんだ。その前に現実が押しよせてきている。これを乗りきれないと、優位もへったくれもないってことだ。

どうする?あなたは。ぼくは・・・

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