情熱をぶつける〜改革の実行〜

帰宅して何気なくNHKを見ていたら『プロフェッショナル仕事の流儀』という番組がはじまってそのままぼーっと最後まで見てしまった。しかも最後には目がうるうるしてしまった。

今日は山田日登志という工場再建請負人の話だった。詳しくはまた再放送でも見てね。

採算割れになりかけた工場を、あらゆる知恵を出して高採算に仕立て上げる。作業効率の見直しや設備の配置を再検討するなど、地道な作業が中心だが、結局は人間なのだとわかってくる。

この人は90年代に話題になった”セル方式”をあみ出した人だ。流れ作業の分担方式を、数名から一人で製品をつくりあげる方が効率が上がると発見した。それは”やる気”がでるから。やる気が出ると、自分でもっと効率のよいやり方を考える。結局は、それがいちばん効率を高めるというのだ。

番組の最後の方で、彼が70年の伝統を持つ家具工場の改革に取組む。何度か失敗してきたらしい。背水の陣で臨んだこの日、彼は家具職人たちをこきおろしにかかった。「そんなこと70年もやってきてるから会社がおかしくなったんだよ」黙っているがきっと職人たちの心の中はメラメラと悔しさの炎で燃えていただろう。

だがやがて山田氏の指導により効率的なやり方の模索がはじまる。リーダー格の職人が言う。「あ、わかったわかった、こうすればいいんだ」彼は自分自身のアイデアでもっとも効率的なやり方を見出す。さっきまでくさりかけていた職人が、輝かしい顔で山田氏と向き合う。

自分で考えたから職人は何十年も続けてきたやり方を変えることができた。しかもそのことで新たな誇りさえ手に入れたようだ。

彼を変えたのは山田氏の情熱だ。「そんなこと70年も・・・」と言った山田氏の胸のうちはきっとドキドキしていたのだろう。誇りある職人にこんなこと言っていいのか?いや、今日は鬼になるんだ。絶対に変えてやるんだ。そんな決意で言ってのけたのだろう。

最後は、情熱だと思う。最初は”ふん、あいつ何言ってんだよ”と思われたとしても、とにかく懸命に、身を呈して言いつづければ、理屈を越えた部分で人はわかろうとしてくれる。”とにかく、あいつがあれだけ一生懸命に言ってるんだから、ひとつやってみるか”そう感じとってくれるはずだ。

情熱。これを持ち続ければ、企業は変えられる。みんなわかってくれる。ようするに、そういうことなんだぜ。

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