Social Planningについて書いたらTwitterでいろんな反応をいただいた。言ってみるもんだなあ。でももちろん、クライアント企業の方からそうカンタンにコンタクトがあるわけでもない。けれども、いろいろと面白い反応をいただいたし、何人かの方とお会いすることになった。とにかく言ってみるもんだね。
Social Planningについてはまた書くとして、iPadの新シリーズも書き進めなければならない。<Future Ad><e-Reading>と2つサブテーマを掲げたのに続いて、今回は<Video Moves>というテーマです。つまり、iPadでのVODサービス。
VODについては、3月から5月にかけて、「VODに未来はあるのか」と題して9本の記事を書いている。この機に、パパーッと斜め読みでいいから読んでみてください。けっこう深いこと書いてたよ。
VODに未来はあるのか?という問いかけで、とくに最後の方はiPad登場でVODの未来が切り開かれるのではないか、という流れだった。さてiPadを実際に手にしてみて、未来は見えたのだろうか?
答えとしては、胸を張ってこう言おう。「VODの未来、ちょこっと見えたね!」。胸を張ってるわりにはちょこっとかよ。
でも例えば「電子書籍はVODの追い風になる(はず)」で書いたように、iPad上のコンテンツにお金を払うことは、抵抗感がすごく低い。インターネット上のコンテンツはみんな無料だと思っている。と言われ続け、実際にぼく自身の感覚もそうだったのだけど、そのぼく自身の感覚がiPadによって大きく変わった。自分でも驚くくらい、アプリを買ってしまうし、いままでの感覚よりずっと多くのお金を使っている。
これにはいろんな要因があるわけで、iTuneStoreですでに登録したIDをそのまま使えるからだとか、iPad上だとコンテンツが立派なものに思えるとか、PCでWEB上のコンテンツを買うよりずーっと”自分のものになる”感覚が強いからだとか、そういった理由からなんだろう。どれもこれも、本質的な経済価値の問題より、システムとそこから来る心理的な問題だったりするのが面白いね。
ということで、ネット上の動画にお金は払わない、という常識をiPadは変えてくれた。だからVODにも未来があるよと。
とは言え、現状ではまだ、日本ではiPad上のVODサービスはまだほとんどない。と言うより、そもそも日本ではVODサービスそのものがまだあまりない。このところようやく各テレビ局が力を入れはじめているけど、プラットフォームがどこもまだあまり整っていないのだ。
でもこれは時間の問題だと思うな。
ちなみにアメリカではiPad登場の前から多様なVODサービスが存在していた。iPad上でもあっちだといろんなもん見れるんだろうな。
それからもうひとつ、iPadを実際に使いはじめて、やっぱりね、と感じたことがある。「iPadはショートムービーを押し上げる?」という記事で書いたことが、実際に使うと予想通りなのだ。少し前の記事でも書いたように、長時間集中してひとつのコンテンツを見続けるのにiPadはどうも向いていない。いろんなことがパッパッとできちゃうから、ついついTwitter見たりしちゃう。だから、2時間の映画もあまりiPad向きじゃない気がするのだ。
むしろ、ショートムービー、5分とか8分とか、長くても15分程度のものの方が向いているんじゃないか。
えー?そんなの物足りない?映画とかドラマって、1時間とか2時間とかないと見た気がしない。と言いたくなる人も多いだろう。
ただ、映像作品とは2時間、1時間なのだという時間の単位は、映画とテレビが生み出したものにすぎない、ってことも考えようぜ。わざわざ繁華街に出かけて、食事や買い物をして、さて劇場に行きましょう、という華やかな娯楽であるために、映画は2時間が常識になったんじゃないか。視聴者を惹きつけて、番組の間にほどよくコマーシャル枠を散らしましょう、だったら30分単位、1時間単位、ってことでテレビ番組の長さの常識ができていったにすぎないのかもしれない。
実際You Tubeでは短くても楽しめる映像はゴマンとある。映像作品は短いなら短いなりに作り方も見方もあるのだ。そしてソファでゴロンゴロンしながら見る映像コンテンツは、ショートなものの方がいい、って気がするでしょ。iPad生活を数カ月経てみて、その感覚はけっこうまちがってないなと思ったんだ。
こうして考えていくと、iPadによってVODに未来は出てきたし、ショートムービーにとって市場めいたものができてきたのではないかと思う。
そういう前提で、ぼくらはあることを準備中なのだけど、それはもう少し先、準備オッケーになったら教えてあげる。あ、これについてはSocial Planningじゃないんだなー。あれー?なんか都合がいいこと言ってるかな?なはは
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なんで、短編ムービーになっちまうのかが、不思議です。Movie markをつけて、細切れの時間に見れるようにすればいいのであって。本も、音楽もそうなってますが。なんで、映画製作者って、全編を通して、ずっと座って見続けることを要求するんだろう。そんなことを言ってるから、映画館が、だめになったんですが。VODは、見たいときに、見たいだけ、細切れで見たり、繰り返し、同じところだけみたりっていうことですけど。したら、映画を見るトータル時間も増えると思うよ。少なくとも、私だけでも。
Higekuma3、こんちはです。Movie Markね。なるほどね。これは新しい考え方。だけど、これからの映画やドラマ視聴はそうなるのかも。VODサービスに「このアプリならMovie Markつけてまた途中から観れますよ」ってなっていくのかもね