メディアがわさわさしてきた中「テレビとネットの横断業界誌Media Border」を創刊することにした

このところ「メディアの変化」についてみんなが考えはじめているように思える。

もちろんそれはここ数年つねに取りざたされてきた主題だった。主にマスメディアの危機とネットの台頭という大きな流れがあり、その中でどのメディアがどうなっていき新たなメディアはどうなろうとするのか、そんなことを自分も含めて追いかけて議論してきた。いままでやってきたことじゃないか、ということではある。
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ただ、”このところ”の議論はここ数年つねにあったじゃないか、という議論とどこかレイヤーが違うようだ。例えばAERAが7月6日発売号で「5年後のメディア」という特集を組んだ。ぼくもコメント取材を受けたのだが、非常に近い特集を別の雑誌が準備していてやはり取材を受けた。もうひとつ別の雑誌も控えていて少しインタビューのお手伝いをした。

非常に面白いことに、どれも「NetflixというVODサービスが日本でこの秋サービスを開始する!」という話を入口に、Netflixに限らずメディア全体の変化を語っていくようだ。Netflixは非常にわかりやすい変化のアイコンだが、それだけではない、という趣旨なのが似ている。多様な雑誌が切り口はそれぞれでも、似たストーリーをそれぞれの領域らしい形で語っていくのが興味深い。

メディアの変化を如実に感じるのは、テレビのあからさまな危機だ。この4月以降、目に見えて視聴率が全体的に減少し、なおかつテレビ広告収入も落ちているという。これは目を疑うような現象だ。「視聴率が下がっていれば広告収入も下がるのは当然だろうよ」と言う人もいるかもしれない。だが広告取引はそう単純ではない。むしろここ数年は視聴率の減少とは関係なくスポット枠が売れていた。新聞など他のマスメディアが媒体力を失う中、唯一のマスメディアとしてテレビ媒体の価値は高まっていたのだ。それが下がった。両方下がった。これは、新しい傾向だ。

”新しい局面”が訪れているように見える。それはイヤな言い方をすると、これまで先延ばしにできていたことが待ったなしで急速に進みはじめたということかもしれない。いや、希望を持って言えばいよいよ本当のメディアの夜明けがはじまるのだろう。そうとらえねば面白くはない。

ひとつこの”新しい局面”で注目したいのは、どうも「コンテンツの価値」がパワーを持ちそうな気配があることだ。ネットの時代になって長らく、メディアだのプラットフォームだのの勢いが増し、コンテンツは経済価値を失う一方だった。それが、逆にコンテンツこそが決め手であり、見合った経済価値も得られる可能性が感じられるようになった。もともとぼくがこのブログで懸命にメッセージしてきたのも、コンテンツの作り手もメディアの変化をキャッチして、自分たちの価値を自分たちでつけなきゃね、という気持ちが根底にあった。そういう時代がいよいよ、来るのかもしれない。

”新しい局面”の開始にあたり、新しいコミュニケーションが必要になる気がしている。このブログでは、不特定多数に向けてメディアの変化をある種”訴えて”来たし、そのおかげで思いを同じくする人びとと出会えた。それとは別の”場”を作りたいと思った。限られた人びとと、つまりメディアの変化を強く意識している人びととのコミュニケーションの場。いつのまにかぼくも、多様な情報収集の網を持つことがこのブログを通じてできてきたのだが、その網を活かして得たディープな情報を、本当に欲している人びとに送り届けるメディア。そしてその人びとは同時に情報発信源でもあって、ぼくが取材したり時には原稿を依頼したりすることで、自ら発信してもらえる場。

「業界誌」とはまさにそういう場だったわけだが、ここでぼくならではのコミュニティ形成による新たな業界誌ができるのではないか。そう考えたのだ。

「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」と名づけた。

限られた人びとによるWEBマガジンを作るにふさわしいシステムとして、株式会社エートゥジェイが運営するPublishersというサービスを利用している。「本格派ウェブマガジン発行サービス」を標榜する便利なシステムだ。

限られた人びとに読んでもらうために、そしてそれにふさわしい情報を本気で伝えていくために、有料とした。月660円で毎月発行していくつもりだ。最初のふた月はお試し期間なので、無料で読んでもらって気に入ってもらえれば継続すればいい仕組み。

ライフワーク的に、これから頑張っていきたいと思う。

とりあえず読んでみてほしい。→「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」 リンクは無料記事。購読は「読者登録する」ボタンを押す。

一方、このブログも継続して書いていくつもりだ。ここでは変わらず、不特定多数に向けた、メディア論、コンテンツ論を展開していく。

ということで、二本立ての情報発信をしていくので、これからも読んでください!

コピーライター/メディアコンサルタント
境 治

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