ワークフローを再構築する〜iPadから見えるコンテンツの未来・その21〜

今日は、昨日書いたProBridgeDesigner-iにつづいて、DTPboosterでもうひとつ紹介されたソリューション、WoodWingについて解説するよ。

WoodWingも、InDesignでの紙媒体の編集作業を、プラグインツールでiPadコンテンツもつくれるようにするものだ。そこは同じなんだけど、規模が違う、というのかな。まあ簡単に言うと、TIME誌の編集にも使われているシステムの総体。ああいうものを、紙とiPadと、ついでに言えばWEBでも、同じ作業から同時に生み出すためのもの。オランダの会社のソリューションで、日本では、ビジュアル・プロセッシング・ジャパンという会社が取り扱っている。

ProBridgeDesigner-iが、とりあえずプラグインでiPad化するぞ、というツールなのに比べると、出版社全体のシステムを再構築するんだったらWoodWingだ、と捉えればいいのだろう。

WoodWingはプラグインツールだけのシステムではないのだ。ここで何度か書いてきたCMS(Contents Management System)も含めたシステムソリューション。出版社全体でサーバーを共有し、画像やテキストなどをそこに放り込んでは、デザイナーが出版物として組立てていくためのもの。紙のものと同時並行で、iPad向けのものも作成していける。

WoodWingは、毎日新聞社のiPad写真誌『photo J』にも使われた。TIME誌と見比べると「言われてみればフォーマットが似ている気がする」と感じるだろう。だからと言って、WoodWingで作成するとみんな”似ている気がする”ことになるわけではないそうだ。『photo J』も今後、少しずつ進化するかもしれないし、WoodWingではもっともっと多様なフォーマットも可能。

ただ、CMSだからひとつのデザインフォーマットを持つ雑誌を定期的にスムーズに世に出していくために使う。最初に、どんなフォーマットで作っていくかを決めることになるのだろう。一度決めると、同じフォーマットでどんどん編集できる。その上で、定期的なフォーマットのリバイズをしていけるようだ。とは言え、”すぐに別のフォーマットで!”ってわけにはいかなさそう。システム全体をリバイズするわけだろうからね。

そうやって考えると、WoodWingは、それこそ出版社や、特定の雑誌の編集を任されているプロダクションに向いていると言えるだろう。

価格もそれなりにする。プラグインツールだけでなく、CMSと、サーバーなどにもかかるので、年間で百万単位のコストがかかるだろう。

ProBridgeDesigner-iも、”とりあえず導入しやすい”製品をめざしているので、プラグインツールと開発キットだけを提供しているけれども、コンスタントにiPad雑誌をつくるつもりなら、やはりCMS的な導入をすべきなのかもしれない。

別の見方をすると、特定の雑誌を任されているわけでもなく、スポット的にiPadコンテンツを作成したいのなら、両方ともよく考えた方がいいのかもしれない。導入しておいて、結局コンスタントに稼働しないのならば、宝の持ち腐れになりかねないからだ。

単発でiPad向けに何かをつくりたいのなら、あるいはいろんなパターンのものを作ることになるのなら、別の方法を検討した方がいい。まあつまりは、iPad用のプログラミングができる人材、あるいは会社と組むことだ。その場合は、プログラミング費用を相手に支払わねばならないだろう。美しい中身を作れるとしても、開発費をちゃんと予算に組み込んで取組む必要があるってわけだ。

そんなことできる人も会社も知らないって?だったら探せばいいんじゃない?DTPboosterでも主催者の方が言っていたけど、もうねえ、どんどん情報収集したり人と会ったりするしかないよ。文明開化の頃、西洋の技術はどうなってるんじゃろうのお?と思った人たちは、きっとどんどん人に会って情報を探して歩いたにちがいない。「誰かこれこれに詳しい人を知らんかのお?」と叫びながら歩いていれば、必ず誰かに行き着くもんだ。

そもそもぼくがここで、DTPboosterの直後に2つのソリューションの解説を書いているの、不思議でしょ?これは魔法でも何でもなくて、iPadを手に入れて以来、毎日どんどん情報収集していたら、たまたまDTPbooster前後にこの2つにたどり着いた、ってだけ。どうやらこの2つらしいぞ、と思ってたら、DTPboosterでそれが確認できた、という流れ。

みなさんも、自分でどんどん歩き回らないと、置いてっちゃうかんね。

さてところで、CMSというものは、iPadに限らず今後のコンテンツ制作ですごく重要なものになってくるぞ、と気づいた。そしてこの国のコンテンツ業界はそこがすごく遅れていたようだ。ここにはけっこう、奥深い問題が潜んでいるので、そのうちほじくり出してみようと思う。

はい、今日はここまで。いまのうちに言っておくと、明日は酔っぱらってしまうので、更新しないだろうなあ。ははは。たまにはね・・・

Pocket

トラックバック用URL:

Facebookアカウントでもコメントできます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>